「いっちゃんルートの譲二さん」に関しては、続編のスパハピから始まって、譲二さんが出てくる回のみの話を飛び飛びに書いてきた。
だから、全部通して読んでも話が繋がらないと思う。
もちろん、吉恋のいっちゃんルートを読んだ人対象の話ではあるから、それでもいいのかもしれないけど。
ハルくんルートや譲二さんルート(こちらはブログ名になるくらい本命だからだけど)に比べて、量が少ないのはちょっと寂しい。
というわけで、今まで書いてなかった部分も譲二さん目線で振り返ってみようと思う。
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頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(佐東一護本編5話)~その1
毎月1日は商店街の福引の日だ。
福引の手伝いは当番があるんだけど、今日は休みの日ということもあり、ハルやリュウたちが手伝っていた。
前の日に、今日手伝うということをハルから聞いていたから、差し入れでサンドイッチとコーヒーを持って行った。
ハルの話ではりっちゃん以外みんな商店街の子(なぜか百花ちゃんもそこに入っているらしい)たちが手伝うってことだった。
譲二「お疲れさま。これ、俺からの差し入れ」
竜蔵「ジョージ、気が利くな!」
春樹「ジョージさんありがとう」
剛史「やった! ちょうど腹が減ったところだ」
百花「マスター、ありがとうございます」
俺は辺りを見渡した。
譲二「あれ? 一護はいないの?」
心なしか百花ちゃんの顔色が陰る。
ハルが苦笑交じりに言った。
春樹「ちょこっと顔だけは出したんだけど、佐々木が代わりにいるからいいだろ、なんていって、遊びに行っちゃったんだよ」
百花「みんなはちゃんと手伝っているのに」
譲二「そうか…」
竜蔵「一護のヤツ、反抗期みたいなもんだよ」
譲二「反抗期っていうか、一護は素直に自分を出せないところがあるからね」
百花「……」
譲二「それより、百花ちゃん、福引の手伝いも板についているね」
百花ちゃんの顔がパッと明るくなった。
百花「そうですか? なんだか、みんなでやってると楽しくて」
そうそう、そんなふうに笑っているのが一番かわいいよ。
百花「一護くんも一緒にすればいいのに…。そうしたら、絶対、楽しいのに…」
ハハ、結局はそこへ戻っちゃうわけね。
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しばらくみんなと話してから、クロフネに帰ってきた。
一護も百花ちゃんと一緒に福引の当番をした方が楽しいはずなんだけどなぁ…。
アイツはほんと素直じゃないよな…。
それと…一護がいないと、百花ちゃんの元気がないのも気になる。
家でも学校でも2人は一緒なはずだけど、上手くいってないのかな……。
って、なんでこんなに2人のことが気になるのかな。
百花ちゃんは、良子さんから頼まれて預かってる大切な娘さんだし。
一護は可愛い弟分だからな…。
うん、それ以上の深い意味は無いはずだ。
その2へつづく