吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。
なので、思い出話+彼目線も書いてみました。
恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。
子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。
ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。
微妙にずれてしまうんだよね。
だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。
だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?
☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その2
今年は10年ぶりの大雪だ。
だからなんとなく10年前の大雪のことを思い出してしまった。
(それにしてもなぁ…)
休日で寝坊していた百花ちゃんは、リュウたちが迎えに来て連れだされてしまった。
まだ眠そうな百花ちゃんはいつもより元気が無いように見えたから、俺は彼女の体調を心配して、置いてあったマフラーを彼女の首にかけてあげた。
譲二「ほら、忘れ物。首を冷やすと風邪を引きやすくなるからね」
店の外でしばらく歓声が聞こえていたが、どこかに移動したのか、その声も聞こえなくなった。
☆☆☆☆☆
しばらくして百花ちゃんが一人で帰ってきた。
譲二「おかえり、百花ちゃん。早かったね」
百花「はい、雪遊びは楽しいんですけど、みんなが元気過ぎて体力が…」
そりゃそうだろうな。あいつらは加減ってものを知らないから。
譲二「あいつらは疲れってものを知らないからね。羨ましいよ」
百花「ふふっ。マスター、なんだかお父さんみたいです」
「お父さん」と言われて一瞬、ドキッとする。
確か…ずっと昔にもおんなじ事を言われたよな。
小さな百花ちゃんの声が頭に蘇る。
百花『じーじ…おとーさんみたい…』
譲二『それ言うなら「お兄ちゃん」だろ』
百花『でも…おとーさんみたい…』
譲二「せめてお兄さんって言って欲しいな…」
百花「あ、すみません。悪い意味じゃなくって…」
うん。悪気が無いのは分かってるよ。
百花ちゃんからみたら、10歳も年上の俺なんてオジサンだものね。
寒そうな百花ちゃんに飲んでもらおうとコーヒーを淹れ始めた。
その3へつづく