この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
☆☆☆☆☆
クロフネ~その2
〈譲二〉
部屋に帰るとアリサは夕飯を用意して心配そうに待っていてくれた。
アリサ「ジョージ大丈夫だった?」
譲二「ん? 二日も休めばもう大丈夫だよ」
アリサ「それならいいけど…」
譲二「心配してくれてありがとう」
アリサは優しく俺を抱きしめた。
アリサ「今夜は…一緒に眠ってもいい?」
譲二「ああ、そうしてくれると助かる」
アリサ「また嫌な夢を見てたの?」
譲二「そういうわけじゃないけど…。二人で眠るのに慣れると一人で眠るのはね」
俺はアリサを見つめて微笑んだ。
〈鈴音〉
職場で父に呼び出された。
父「鈴音…。茶堂院グループとの交渉担当からは外れてもらうよ…」
鈴音「はい…」
父「譲二くんのことはもう諦めなさい」
鈴音「でも…。譲二さんとは本当に気が合うんです。何が行き違いの理由かさえわかれば…」
私の言葉を遮るように父は言った。
父「兄の茶倉さんから正式に断りの電話があった」
鈴音「え?」
父「向こうは言葉を濁していたが…、どうやら譲二くんには恋人がいるらしい」
鈴音「でも…」
父「何か…理由があって、公表ができないのかもしれないが、それならそれでもっと前に断ってくれればいいものを…」
父は不機嫌そうに眉を寄せた。
鈴音「…」
父「鈴音? 大丈夫か?」
今までこらえていた気持ちが溢れて、自分ではどうしようもない。
父は泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。
その3へつづく