この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
☆☆☆☆☆
永遠の刻(とき)~その6
〈アリサ〉
譲二「アリサ…この頃、少し痩せたみたいだね…」
ジョージがあたしの素肌をそっと撫でながらささやいた。
アリサ「そう? ダイエットが成功してるのかな?」
譲二「ダイエットなんかしてるの?」
アリサ「ん~。ちょっと太り気味だからね」
譲二「アリサは太ってなんかないよ。あまり無理すると身体を壊すよ?」
あたしはにっこり笑ってジョージに抱きついた。
そっと足も絡める。
アリサ「無理して身体壊しそうなのはジョージの方じゃない…。お仕事もほどほどにしないと…」
譲二「ほら話を逸らさない…」
ジョージは苦笑して、あたしの乳房に軽く口づけを重ねた。
譲二「ねぇ、アリサ…」
アリサ「なあに?」
譲二「もしかして、前にじいさんが『子供をどんどん産め』っていったのを気にしてる?」
アリサ「…そんなことないよ」
動揺した表情を隠すために、あたしはジョージの胸に顔を埋めた。
くぐもった声が響いた。
譲二「あれさ…。全然気にすることないから…」
アリサ「でもジョージも子供が欲しいんでしょ?」
譲二「俺は…アリサの心の準備が出来るまで、ずっと待つよ」
アリサ「ほんと?」
あたしは顔を上げてジョージを見つめた。
譲二「ああ…俺は子供よりアリサの方が大事だから…だから、何も心配しなくていいんだよ」
あたしは少し意地悪をいう。
アリサ「でも…あたしの心の準備ができた時はもう子供が産めない歳になってるかも知れないよ?」
譲二「それでもいい。俺はアリサさえ側に居てくれたら…愛してるよ、アリサ」
あたしは信じられない気持ちでジョージを見つめた。
ジョージに「愛してる」と言ってもらうのは初めてだ。
アリサ「今…愛してるって言った?」
譲二「ああ…。何度でも言うよ。アリサ、愛してる……。え? アリサ?」
あたしの目からはぼろぼろと涙が零れた。
アリサ「うれしい。…うれしい」
譲二「愛してるよ…」
そういうとジョージはぎゅっと抱きしめてくれた。
喜びが全身を駆け巡って…だのに、頭の一部は冷めていた。
冷静なもう一人のあたしが囁く。
「子供はいらない? ジョージはよくても茶倉家の人たちはそうは思わないよね」
そう。ジョージはいらないと思ったとしても、茶倉一族は跡継ぎが欲しいと思うだろう。
そして、子供を産むのが茶倉家の嫁としての一番大切な仕事なんだろう。
その7へつづく