譲二の勝手に3年後編も今回で完結です。
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前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
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いつまでも~その3
〈百花〉
譲二「それにしても、佐々木さんたちには久しく会えてないから懐かしいなぁ」
譲二「そうだ。ご両親の詳しい日程がわかったら教えてね。俺も予定を空けるようにするから」
百花「すみません」
譲二「え? 百花ちゃんがどうして謝るの?」
百花「だって…、譲二さんは実家のお仕事もあって、忙しいのに」
譲二「そんなこと…。俺は百花ちゃんのことが一番大切だからね。その百花ちゃんのご両親に挨拶するのは、仕事よりも大切なことだよ」
百花「ありがとうございます」
譲二「それに、実家の仕事の方もあと少しで片付きそうなんだ」
百花「そうなんですか?」
譲二「ああ、昨日兄貴とも話したんだけど、茶堂院グループの経営も軌道に乗ってきたから、そろそろ俺なしでも大丈夫なんだ」
百花「よかったです」
譲二「うん。それとね、桃護さんもそろそろ『旅に出たい』って言い出しててね」
百花「桃護さんが?」
譲二「こんなに長く吉祥寺にいたのは久しぶりだって笑ってた。親父さんやお袋さんはがっかりするだろうけどね」
百花「そうですね…」
譲二「百花ちゃんには色々心配かけたけど、それもあと少しだよ。」
百花「私なんて大したことはしてません」
譲二「そんなことないよ。クロフネに帰ってきてから、百花ちゃんの手助けや励ましがなかったら、俺一人ではとてもここまでやって来れなかった。ありがとう」
譲二さんにギュッと手を握られた。
百花「私こそ…譲二さんと一緒に暮らせるだけで嬉しいのに、いつも大切にしてもらって…」
百花「私…譲二さんのために何かしてあげたいです」
譲二さんが可笑しそうに笑う。
譲二「何だか前にもこんなことがあったよね」
百花「そうですね」
譲二「それじゃ今日の夕食は百花ちゃんにも手伝ってもらおうかな?」
百花「はい!」
忙しい譲二さんのために美味しいものを作ってあげたい。
だけど、2人で厨房に立つのはもっと楽しい。
その晩は大学での出来事や譲二さんの実家でのことを話しながら、2人で夕食を作った。
その4へつづく