「いっちゃんルートの譲二さん」に関しては、続編のスパハピから始まって、譲二さんが出てくる回のみの話を飛び飛びに書いてきた。
だから、全部通して読んでも話が繋がらないと思う。
もちろん、吉恋のいっちゃんルートを読んだ人対象の話ではあるから、それでもいいのかもしれないけど。
ハルくんルートや譲二さんルート(こちらはブログ名になるくらい本命だからだけど)に比べて、量が少ないのはちょっと寂しい。
というわけで、今まで書いてなかった部分も譲二さん目線で振り返ってみようと思う。
☆☆☆☆☆
頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(佐東一護本編4話)~その1
昨夜、クロフネの二階の床が抜けた。
正確に言うと百花ちゃんの部屋の床だ。
別に百花ちゃんの重みで抜けたわけではない。
犯人は、本棚に入りきらなかった俺の大量の本だ。
百花ちゃんの部屋は、今まで書庫として使ってきた。
しかし、そのままでは百花ちゃんの机やベッドが入らないので、部屋の半分に本を入れたダンボールを全部重ねた。
その重みに築ウン十年の床が耐え切れなかったのだ。
ドーンッ!!
という大きな音に百花ちゃんの部屋に飛び込んでみると、百花ちゃんのベッドの辺りをかろうじて残して床が抜けている。
とりあえず、百花ちゃんを救出するため床を確かめていると、階段を駆け上がってくる音が聞えた。
廊下から姿を現したのは一護だ。しかも荒い息を吐いている。
あいつは『クロフネの前、歩いてたら、すげー音がしたんだよ』って言ってたけど…。
なんでこんな夜中にクロフネの前を歩いてるんだよ。
もしかして、百花ちゃんのことが気になって、のぞきに来たとか…。
俺と2人きりなのが心配だから?
何せリュウによると『ガキの頃から、百花が他のヤツと遊んでると、いっつも不機嫌な顔してたもんなぁ』ってことだから、もしかして俺にヤキモチを妬いてた?
ま、いいや。
かろうじて残った床を伝って、一護は百花ちゃんを救出した。
そういう訳で百花ちゃんの寝る場所が無くなって、他に適当な部屋も無いので、一護の家に避難してもらうことになった。
百花ちゃんもそれで納得してくれたから俺は一護に言った。
譲二『大事な百花ちゃんを、他の男の家に泊めることにならなくて良かっただろ?』
もちろん、素直じゃない一護は『コイツがいれば色々使えて便利だからってだけだ』なんて言い張ってたけどね。
それで、パジャマ姿の百花ちゃんを一護と一緒に送り出した。
百花ちゃんの着替えと学校に持っていくカバンは一護に持たせたものの、なんだか気がかりだった。
やっぱり、朝、一護の家から百花ちゃんが出てくるのを見られたら、ややこしいことになっちゃうよね?
その2へつづく