頼れるみんなの兄貴として、ヒロインと幼なじみたちとの恋愛模様を応援しつつ、自分の気持ちには蓋をして、ちょっと落ち込んでみたり…。
そんなちょっと情けないけどラブリーな譲二さんを王道のいっちゃんルートでウオッチングしてみようと思う。
自分のルートのヒロインにも自分から告白できない譲二さん。
そんな譲二さんが他人のルートのヒロインに気持ちを打ち明けられるわけも無く…。
(え?そういう話もあったって?)
☆☆☆☆☆
譲二さんの愚痴(一護本編 2~3話)
百花ちゃんを下宿させるにあたって、俺の大量の本が最大の邪魔者になった。
最初の夜に俺の部屋に避難させていた、本が入った段ボールをとりあえず一階に下ろした。しかし、これでは店の営業ができない。
百花「あの…本の段ボール、私の部屋に置いたままで大丈夫ですよ?」
譲二「そういう訳には…」
百花「私が突然、下宿することにしたせいだし…」
譲二「女の子を本に埋もれて寝かせる訳にはいかないよ。あ、そうだ。なんだったら俺と一緒の部屋で生活する?」
調子に乗ってからかってみる。
百花「そっ、そんな!本と一緒の方がいいです」
うーん。可愛い反応。
譲二「んー?そういう言い方されると傷つくなあ」
わざとしょんぼりした顔をすると、百花ちゃんは焦っている。
百花「そ、そういう意味じゃなくって…」
譲二「ははっ、分かってるよ。からかってごめんね。」
うぶだなぁ、百花ちゃんは…。からかいがいがあって、楽しいかも。
譲二「ま、でも年頃の女の子だから大事にしなくちゃいけないよね。
俺の部屋を整理すれば、段ボール入りそうだから。
それまで悪いけど百花ちゃんの部屋に置いておいていい?」
百花「はい」
そういうわけで、あいつらに手伝わせて(日頃の恩をちらつかせて脅した)、段ボールを百花ちゃんの部屋に戻したんだけど…。
☆☆☆☆☆
その夜、クロフネの二階の床が抜けた…。
俺の本の重ね過ぎで床に負担がかかったわけだから、自業自得なんだけど…。
良子さんに「百花ちゃんのことはまかせてください」と言ったのに…まだ二日目だというのに、百花ちゃんは一護の家に泊まることになった…。
といっても、一護の家には一護のご両親もいるし、部屋は一護の兄の桃護君の部屋が空いているってことだから、別に心配はいらないんだけど…。
それにしても、床に穴が開いた時、一護がすぐに飛び込んで来たのには驚いたな。
アイツ、クロフネの前で張ってたのか(笑)?
一護が百花ちゃんを好きなのは見え見えなんだ…。
そして、百花ちゃんも一護のこと好きみたいなんだよね。
俺が「幼なじみたちのお店をどこか手伝ったら」って言ったら、迷わずサトウ洋菓子店を選んだし…。
俺は…もしかして…落ち込んでる?
なんで?
百花ちゃんはうちの下宿人で、良子さんから頼まれて俺が守らないといけない子だ。その子を事故だとはいえ二日目から放棄することになったから?
とにかく…それ以上の深い意味は考えちゃだめだな。
さてと…。
明日になったらすぐに工務店に連絡して修理の見積もりを出してもらわないと…。
費用はかなりかかるだろうなぁ、このところ売り上げも横ばいだしなぁ…。
一護んちに泊まる間の下宿代は貰うわけにいかないしなぁ。
はぁ…。とにかく今日はもう寝よう。
譲二さんの愚痴(一護本編 2~3話) おわり