この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
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愛人になって~その9
〈譲二〉
マンションに帰るとアリサは夕ご飯の支度をしていた。
譲二「いい匂いだね…。何を作っているの?」
アリサ「ロールキャベツ。ジョージも食べるでしょ?」
譲二「俺の分もあるの?」
アリサ「もちろん」
無邪気なアリサが愛おしくて、アリサを後ろから抱きしめた。
アリサ「どうしたの? ジョージ…。なんかあった?」
譲二「ん? ちょっと抱きしめたくなっただけ…」
アリサ「そうやって…。女を落とすのがうまいよね…」
譲二「そんな風に俺にいってくれるのはアリサだけだよ」
兄貴が言った話を伝えなければと思いながらも言葉が思い浮かばない。
結局、アリサには見合い話のことを切り出せなかった。
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夜中に目を覚まして、隣の寝床を探る。
アリサ?
いない?
あ、そうだった。
今夜はアリサを抱かなかったんだ。
2人で食事して、アリサにキスをして…。
じゃあ、おやすみって言ったら、アリサは少し変な顔をしたっけ。
今日はしないの?って顔だったな…。
本当はアリサに見合い話があることを伝えなきゃいけなかったのに、言い出せなかった。
しかも、相手があの時の子だと知ったら怒るだろうな…。
妬いてもらえるくらいには好かれてるよな?俺。
いやいや、そういう問題じゃないし。
見合い相手の子のことを思い浮かべた。
あの時、気も合いそうだし、可愛いなって思ったんだっけ?
でも、心の壊れた俺には重荷だなって思ったんだよな。
あの時はまだ、アリサのことは単なる商売女としか思ってなかったから、あの子と付き合おうと思えば付き合えたんだよな…。
って、何考えてんだ、俺。
まさか、アリサと別れたいと思ってるのか?
いや、それはない。アリサは俺の心が完全にバラバラになるのを防いでる最後のよりどころなんだから。
そして…、俺の性欲の処理係り…。
ああ、今になって無性にアリサを抱きたくなってきた。でも、もう寝てるだろうな…。
見合い話のことは、どうしても避けられなくなってから話すことにしよう。
卑怯だけど…どうしてもアリサには話せそうにない。
「愛人になって」おわり