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インデックス 茶倉譲二ルート…茶倉譲二の小説の検索用インデックス。
インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。
手書きイラスト インデックス…自分で描いた乙女ゲームキャラのイラスト記事
他にも順次インデックスを作ってます。インデックスで探してみてね。
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前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
一人で無理しないで~その6
〈譲二〉
実家の仕事とクロフネの両立。
自分では平気なつもりだったが、疲労が溜まっていたのだろう。
ある朝、ベッドから起き上がることができなくなっていた。
心配した百花ちゃんが兄貴に電話を入れてくれたみたいで、滝沢が様子を見に来てくれた。
俺がほとんど動くことのできない状態なのを知ると、滝沢は茶倉家の主治医を呼んでくれた。
☆☆☆☆☆
主治医の処置と薬が効いたのか、今は随分と楽になった。
喉が渇いたと言ったら、滝沢は「ではホットレモンでも作ってまいりましょう」と言って1階に降りて行った。
天井を見上げて、ボーッと考える。
(何をやってんだろうな…俺は)
(自分の体調管理もまともにできないなんて…)
一人で悶々としているとノックの音がした。
譲二「滝沢?…あ、百花ちゃん。…帰って来てたの?」
滝沢ではなく、大学から帰って来た百花ちゃんがホットレモンを持ってきてくれたのだ。
百花「譲二さん、具合はいかがですか?」
譲二「薬が効いたのか、だいぶ楽だよ。ありがとう。百花ちゃんが兄貴に連絡を取ってくれたから、助かったよ…」
百花ちゃんや兄貴や滝沢…みんなを心配させてしまって。
特に百花ちゃん…。
今日一日、ずっと俺のことを気にかけていてくれたんだろう。
大学の講義だって身が入らなかったんじゃないだろうか?
今も心配そうに俺を見つめている。
俺は彼女を守りたいのに。
必死で頑張るほど、返って彼女を心配させてしまう。
百花「譲二さん。これからはもう無理しないでください」
彼女にしてはキツい口調でそう言う。
それは俺のためを思ってのことなのだと…百花ちゃんの気持ちは痛いほどわかった。
譲二「うん。百花ちゃんに心配かけないように気をつけるよ」
(これからは余裕をもって…身体を壊したりしないように気をつけるよ)
百花「私に心配かけないようにとか、そういうんじゃなくて…もっと…もっと私にも手伝わせてください!」
譲二「百花ちゃん…」
百花ちゃんは今にも泣きそうな顔をしてる。
その7へつづく
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
一人で無理しないで~その5
〈百花〉
譲二さんの部屋のドアをノックした。
譲二「滝沢?…あ、百花ちゃん。…帰って来てたの?」
ちょっと眠そうではあるけれど、朝の弱々しい声ではなく、いつもの譲二さんの声だ。
百花「はい。ただいま」
譲二「おかえり」
私を見つめていつものように微笑んでくれる。
百花「譲二さん、具合はいかがですか?」
譲二「薬が効いたのか、だいぶ楽だよ。ありがとう。百花ちゃんが兄貴に連絡を取ってくれたから、助かったよ…」
(朝に比べると随分顔色もいいみたい)
百花「お医者さんからは明日から3日は安静にしてくださいって言われたそうですね」
譲二「ああ、まるで子供みたいに怒られたよ」
百花「譲二さんが?」
譲二「うん、あの先生は子供の頃から俺を診てくれているからね」
そう言って譲二さんは私の手の甲をポンポンと叩いた。
(今回は過労だけだったけど、無理しすぎて譲二さんに何かあったとしたら、私は…)
百花「譲二さん。これからはもう無理しないでください」
少し元気になった譲二さんを見て、安心したせいだろうか?
病人相手なのについ強い口調になってしまった。
譲二「うん。百花ちゃんに心配かけないように気をつけるよ」
譲二さんは笑みを浮かべたまま、穏やかに言う。
まるで何でも無いことのように。
(私に心配かけないように…でも無理は続けるつもりなんだよね?)
そう思うと…今まで我慢してた糸がぷつんと切れてしまった。
百花「私に心配かけないようにとか、そういうんじゃなくて…もっと…もっと私にも手伝わせてください!」
譲二「百花ちゃん…」
譲二さんの顔から笑みが消えた。
そして、戸惑ったような眼差しで私を見つめている。
その6へつづく
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
一人で無理しないで~その4
〈百花〉
その日一日気もそぞろで過ごした。
先生から当てられて答えられず、冷や汗をかいた。
講義の間中、時計はなかなか進まなかった。
それでもなんとかその日の講義も終わり、私は急いで帰った。
☆☆☆☆☆
クロフネの戸を開けて入ると、厨房から「おかえりなさいませ」という声がした。
(この声は?!)
百花「滝沢さん!! 譲二さんの看病に来てくださったんですか?」
滝沢「はい。紅一様から譲二様の様子を見てくるよう言われまして」
百花「お医者さんには?」
滝沢「茶倉家の主治医に連絡を取りまして、往診に来てもらいました」
(よかった…譲二さん、お医者さんに診てもらえたんだ…)
百花「ありがとうございます。」
滝沢「いえ、お礼を言うのはこちらの方です。譲二様は自分の体調管理には無頓着なところがありますから、佐々木様が連絡をくださって助かりました」
百花「それで、お医者さんは何と?」
滝沢「熱はないようだし、喉の炎症も大したことはないそうです。軽い風邪のようだが、ただ…」
百花「ただ?」
滝沢「かなり疲れが溜まっているようだと。ですから、なるべくあと3日くらいは安静にして、ゆっくり休むようにと言うことです」
百花「そうですか…。クロフネに帰ってきてから随分と無理していたからですね」
滝沢「紅一様も、『茶堂院のことは心配しなくてもいいからしばらく休むように。体調が治るまで会社には来るな』とのご命令です」
滝沢さんは真面目な顔でそう言ったが、目は可笑しそうに笑っていた。
百花「はい」
(滝沢さんでもこんな表情をするんだ)
譲二さんのことも紅一さんのことも、本当に大切に思っているのだとその表情から読み取ることができた。
滝沢「紅一様の命令ですから、佐々木様からもゆっくり休むように言い聞かせてあげてください」
百花「はい。わかりました」
滝沢さんは喉が渇いたという譲二さんのために厨房でホットレモンを用意していたのだった。
慣れない厨房で戸惑う滝沢さんを手伝ってホットレモンを作った。
そして、ホットレモンの載ったお盆を運ぶ滝沢さんと二階に上がる。
滝沢「これは佐々木様が持って行ってあげてください」
百花「滝沢さんは?」
滝沢「私はもう帰ります。佐々木様がいらっしゃれば安心ですから」
滝沢さんは微笑むと階段を降りていった。
百花「ありがとうございます」
そう声をかけて、滝沢さんの後ろ姿に深々とお辞儀をした。
その5へつづく
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
一人で無理しないで~その3
〈百花〉
ノックして声をかけたのに譲二さんの返事はない。
そっとドアを開けて、中を覗き込んだ。
カーテンが閉まったままで、薄暗い。
目を凝らしてみると、ベッドで横になっているらしい背中が見えた。
百花「譲二さん……もう朝ですよ?」
譲二「…百花…ちゃん?」
とても弱々しい声だ。
百花「譲二さん、具合が悪いんですか?」
譲二「…うん。……何だか…身体がだるくてね…。さっきから起きようとは思っているんだけど…」
百花「熱は?」
譲二さんの額に手を当ててみる。
百花「…ないみたいですね」
譲二「うん…だから…ちょっと疲れてるだけだと思う」
百花「今日の予定は?」
譲二「今日は……会社には行かなくていいから、……店を一日開けられる」
そう言いながら、譲二さんは起き上がってもベッドに座ったままだ。
百花「譲二さん、今日はお店を休みにして病院に行きましょう。私も一緒に付き添いますから」
譲二「だめだよ……百花ちゃんは大学があるだろ?」
百花「今日の講義は二コマ目からだし、芽衣にノートを頼めば一回くらい休んでも…」
譲二「だめだよ!!」
それまで元気の無かった譲二さんの大声に、私はハッとした。
譲二「百花ちゃんは勉強第一。俺のために講義を休んじゃ…」
そこまで話して疲れたのか、大きく息をついて譲二さんは目をつぶった。
百花「譲二さん…大丈夫ですか?」
譲二「…しばらく休んでいれば大丈夫」
百花「それじゃあ、クロフネは臨時休業にしましょう。貼り紙を出しておきますから、私が大学から帰って来るまでちゃんと休んでいてくださいね?」
譲二さんは微かに「ああ」と言うと私に導かれるままベッドに横たわった。
掛け布団をかけてあげると、微かな声で「ありがとう」と呟いた。
そして、そのまま目をつぶるとすぐに寝息が聞こえる。
私は大学から戻って来るまで譲二さんをひとりにしておくのが気がかりだった。
そこで、紅一さんに電話で連絡を取った。
紅一さんは自分は手が取れないが、誰か人をよこしてくれると約束した。
私は後ろ髪を引かれながら大学に出かけた。
その4へつづく
前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
一人で無理しないで~その2
〈百花〉
できるだけ無理はしないように、実家が忙しい時にはクロフネを閉めるようにしていた。
だけど、がっかりしたお客さんの顔を見るのが辛いこともあって、譲二さんは短時間でも店を開けようとしている。
そのせいだろうか?この頃譲二さんの顔色が冴えない。
二、三日前からは時々軽い咳をすることもある。
そんな譲二さんが心配で、私は早めに病院に行くように勧めたが、譲二さんは暇がないからと市販の咳止めを飲んで誤魔化していた。
そして延び延びになっていたデートの約束をしきりと気にしている。
そんなこと、私はデートより譲二さんの身体の方が心配なのに。
デートにでかけるより、ゆっくり身体を休めて欲しい。
そう思ったとき、閃いた。
そうだ。
どこかに出かけるのではなく、おうちデートに誘ってみよう。
一日くらいのんびり過ごしたら、きっと疲れもとれるはず。
(明日、朝ごはんの時にでも話してみよう)
☆☆☆☆☆
翌朝、起きてみると、時計は既に8時を回っている。
慌てて着替えて一階に降りてみたが、譲二さんはまだ起きていないようだった。
電気もついていない…。
とりあえず顔を洗い、歯を磨いて譲二さんの部屋をノックした。
百花「おはようございます」
まだ眠っているのだろうか?
その3へつづく