糸乃こまりのストーリー

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今日いち-2024年12月2日

2024-12-02 14:32:56 | 保護犬2匹
隅田川沿いで
♥ひと休み♥
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26 印度は寂しいところ

2024-12-02 14:28:58 | 世界一周ひとり旅



3/2に横浜を出て22日の朝8時頃にボンベイ港に着く。印度といえば広い国、男の人は頭にターバンを巻き白いタプタプの衣服をまとい、裸足で砂の上を歩いている風景を裕子は想像していた。そろそろお出かけしようかと裕子は化粧品をパタパタとつけていた頃船の船長のアナウンスが聞こえた。

「ボンベイの港が見えて来ました。埋立地に高層ビルが林立しているのがポンペイの港です」

 裕子は急いで窓に近づき目の前の風景にカルチャーショックを受けていた。

 支度を済ませた裕子はたまたま階段の途中で聡美に会った。今日も一緒にいられる聡美が裕子は大好きだった。

「聡美さん、印度のこと、色々教えて!!」

「ポンペイは印度の西の玄関口で経済活動で政治の首都はニューデリーよ」

 船に初めに乗った裕子と違って聡美は何でもよく知っている。

「印度は都会なのね〜失礼しました」

 聡美は何故か早足になっていた。慌てて裕子も早足になる。

「でも公園では女性が裸の赤ちゃんを抱いて物乞いをしているのに仰天した人がいるそうよ」

「え〜」

「だけどよく聞いてみると赤ちゃんは1日いくらで借りるらしいの」

「すごい話で日本では考えられ」

 裕子の会話の途中で少し先を歩いていた聡美が少し大きな声を上げた。

「あー、ごめんなさい」

 と立ち止まり振り向いた。

「聡美さん、どうしたの?」

「今日は久しぶりに主人に会うの」

「あっ」

「ごめんなさい、急いでるから」

 小走りで去って行く聡美。がくんと元気がなくなってしまった裕子だった。
印度は寂しいところ






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25 ピエロのダンス

2024-12-02 14:24:17 | 世界一周ひとり旅

裕子はパーティ場の片すみで一人でダンスの練習をしていた。そばにいた人たちも彼女がそんなことをしてもさして興味を持たなかった。何しろこの夜は普通の人などいない仮面舞踏会だから。

 そして肩を叩かれた裕子は振り向いてホッとした顔になった。

「聡美さん」

だが首を振りながら

「はじめましてサトシです」

と答えた。仮面を付けた男装麗人だったからだ。

「ご主人の?」

「亡くなった父の。かなり古物」

「でもすごいわ! 似合ってる」

「それより何してるの」

「ピエロが私とダンスをしたいらしいの」

「私が右足を出したらあなたは左足を引く あなたが右足を出したら私は右足を引く 」

「サトシさんも同じこと言われたの!?」

「くるりと回ってオーレ!」

「オーレって掛け声でしょう?」

「スペインの闘牛士よ。真っ赤なファーの扇子みたいな色で牛を誘うのよ」

「私が牛?」

「それより写真撮ってくれるそうよ。裕子さんもステキよ」

 と手を引っ張った。サトシはいつもより強引だった。

 写真コーナーではそれこそ多種多様。大きなお腹のカエル、インドのサリー、ミツバチマーヤ、オテモヤン、日本髪の人、ヒョウにカンガルー。裕子は小声でこっそり

「私たちが一番まともよね」

 大きくうなづいてからサトシは

「でも一番の大物がいるわ!?」

 サトシが知っていた船の中で一番年上だった老婆が赤ちゃんの格好をしていた。その彼女を見て

「わぁ、みんないつかはああなるのね」 

大きくうなづく二人だった。

 酔っ払って部屋に戻った裕子は夢を見た。ピエロが船の中で一人で踊っていた。くるくる回って右手を上げて「オーレ!」。そう言ってグスグス泣き出した。

「ピエロどうしたの? 泣いたりして」

「ボクのこと忘れたんだね」

「えっ!?」

「一緒に船に乗ろうと言っただろ?」

 裕子はその声で目を覚ました。

「忘れてた」

 まだなんの整理も出来ていない段ボールの山。引っかき回している裕子。

「あったー」

 裕子は家から持って来たピエロの人形を裕の位牌と写真の隣りに置いた。そして裕子は自分がどんどん物忘れが酷くなることにまだ気づいていなかった。 



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24 仮面舞踊会

2024-12-02 14:19:17 | 世界一周ひとり旅
裕子はマフカレードナイトという東野圭吾の単行本があると人に聞いていたけどまだ読んでいない。マスカレードとは仮面舞踏会のこと。そしてある日そんなパーティが始まった。

 裕子は先日上海で購入したチャイナドレスをさっそく着ることにした。部屋で着てみて

「まんざらでもないじゃない!?」

 鏡の前でクルリと回って見せた。パーティ用の小さなキラキラバッグは持ってきている。だけどもう一つあった方が華やかだ。そういえば船に乗るのが初めての裕子と違って聡美は何でもよく知っている。

「船には衣装部があるのよ。パーティのときに足りないものがあったら何でも貸してくれるの」

「へぇ」

「でもみんな借りに来るから早く行かなくちゃね」

 そうだ!! 廊下を走りだす裕子。

 そして一夜の仮面舞踏会。

 裕子は衣装部に行ったりして遅刻してしまった。ドアを開けて驚いた。すごい人。元々この船では知っている人は少ない。その上チラッと会ったことのある人でも仮面では全くわからない。スタッフたちも仮面を付けている。

 ただ一人だけ仮面を付けていなかった。ピエロの格好をしていた。顔を真っ白にして赤い丸い鼻を付けている。仮面を付けたらこの良さはわからない。そして裕子に始めて近づいたのもピエロだった。

「踊りましょう」

「私踊れないんです」

 ピエロは泣きそうな顔をしていて突然向き合って裕子の両手を握った。裕子は右手にバッグ、左手にファーの真っ赤な扇子を閉じたまま持っていたが無理矢理握られた。

「私が右足を出したらあなたは左足を引く」

「えっ」

「今度はあなたが右足を出して私は左足を引く」

「ちょっと待って待って待って」

「右に2歩左に2歩 手を離してくるっと回って右手を上げてオーレ」

「何それ?」

「掛け声ですよ」

「へぇ」

「お酒取って来ますよ。ビールでいいですか?」

「えぇ」

「練習してて下さい」

 仕方なく練習を始めた裕子だった。
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