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どうも、こんにちは。
今年(2021年、令和3年)も紅葉の季節となりましたので、京都の紅葉の記事を書いていきたいと思います。
今回は『京都妖怪探訪』シリーズの「霊場魔所の紅葉シリーズ」。
平安京の時代より葬送の地であり、心霊スポットとしても有名な、化野念仏寺の紅葉風景を観に行ってきました。
まずはいつもの通りアクセスから。
最寄りの交通機関には、京都市営バス「鳥居本」停留所があります。
そこから何分か歩けば、化野念仏寺の入り口である石段に辿り着きます。
ここ嵯峨野はかつて、京都の葬送地のひとつであり、しかも平安京時代はいわゆる風葬が行われていました。
一応断っておきますと、風葬というのには「死者を自然の土へと還す」という意味合いがあったようで、ただの野晒しや死体遺棄などとは違います。
しかしそんなもんでしたから、かつてこの辺りには腐乱したもの、白骨化したものを含めて、無数の死体が転がっていた、ということになります。
この地に‘弘法大師’空海が五智山如意寺を開創し、さらに更正、法然上人の常念仏道場なって、浄土宗寺院となって現在に至るそうです。
当初は風葬でしたが、後世に土葬となり、それまで風葬されていた死者を供養する墓として建てられたのが、ここに並ぶ無数の石塔や石仏なのです。
ただ、あまりにも長い年月の間風葬されていた為、ほとんど無縁仏と化しているようで、それ故に心霊スポットとしてもとりあげられるなど、いろいろと妙な噂や伝承なども多いようです。
拝観料を払って中へ。
石塀に上ってまで撮影しようとする非常識な人も居るのか・・・。
「賽の河原(西院の河原)」と呼ばれる、無数の石仏や石塔の並ぶ場所の周囲を歩きます。
紅葉の美と、世の無常さとを感じさせる。
この石塔や石仏のほとんどが、いわゆる「無縁仏」であることを考えると、少し恐ろしいような気もしますが。
しかし、これです。まさにこれです。
私は『霊場魔所の桜』や『霊場魔所の紅葉』などで、まさにこういう光景が観たかった、撮りたかったのです。
死や闇、神秘や幽玄を感じさせる光景の中で、桜や紅葉が映えている、こういう光景を。
本堂で礼拝。
寺のホームページの「沿革」には、以下のことが書かれています。
>寺伝によれば、化野の地にお寺が建立されたのは、約千二百年前、弘法大師が、五智山如来寺を開創され、その後、法然上人の常念仏道場となり、現在、華西山東漸院念仏寺と称し浄土宗に属する。
「あだしの」は「化野」と記す。「あだし」とははかない、むなしいとの意で、又「化」の字は「生」が化して「死」となり、この世に再び生まれ化る事や、極楽浄土に往来する願いなどを意図している。
この地は古来より葬送の地で、初めは風葬であったが、後世土葬となり人々が石仏を奉り、永遠の別離を悲しんだ所である。
境内に奉る多くの石仏・石塔は往古あだしの一帯に葬られた人々のお墓である。何百年という歳月を経て無縁仏と化し、あだしのの山野に散乱埋没していた。
明治中期に地元の人々の協力を得て集め、極楽浄土で阿弥陀仏の説法を聴く人々になぞらえ配列安祀してある。賽の河原に模して「西院の河原」と名付けられた。
(引用ここまで)
本堂より少し奥に「水子地蔵」が祀られています。
そこには明確に、撮影を禁じる注意書きが貼られていました。
その為、撮影も出来ませんでしたので、ここでその光景を皆様にお届けすることができません。
世間の噂では、「水子地蔵とその周辺では心霊写真が撮れるから撮影禁止となっている」とされているようですが。
私の聞いたところ、水子地蔵に参拝する人たちを興味本位で撮影しようとする心ない(あるいは何も考えていない)人たちが少なくなかったそうですが、その為に水子地蔵の場所を撮影禁止になったそうです。供養の為に水子地蔵を訪れる人というのは、人にはあまり言えないような事情を抱えているものですから、見ず知らずの他人から余計な詮索をされたり、写真撮影されたくないに決まっていますからね・・・。
境内散策に戻ります。
「賽の河原(西院の河原)」入り口の釣り鐘。
ご覧の通り「西院の河原内での撮影禁止」の看板が立っています。
この為、世間では「この中では必ず、あるいは高い確率で心霊写真が撮れる為、撮影禁止になった」という噂が広まっていますが。
大分以前に寺の関係者という方から聞いた話ですが、この「賽の河原(西院の河原)」内では、無数の石塔や石仏が所狭しと並んでいる為、カメラ撮影などで足下への注意がおろそかになりがちで、転倒などの事故の危険がある為、撮影禁止になったというのが、真相だとか。
そのいずれを信じるかは・・・読者各氏にお任せしましょうか。
ところで、ここで心霊写真らしきもの・・・というか、ここで撮影した写真に何だかよくわからないものが写ってしまったこともありますが。
今から2年近く前の秋の夜に訪れた時、シリーズ第671回の時なのですが・・・。
この過去記事の終盤に掲載した写真に写った赤い光やもやの様なものの正体が未だにわからないのですが・・。
どなたかご存知の方、ご一報いただけますとありがたいです。
さらに「賽の河原」周辺を巡ります。
この地が醸し出す闇(無常観や寂寥感など)も入り交じった紅葉の美を堪能し、境内を出ます。
この地を訪れた方には「怖い」「ヤバい」「冷たい、寂しい」などと感じた、「気分が悪くなった」という方も多いそうですが。
幸か不幸か、私には霊感などといったものは無いようなので、そうしたものはほとんど感じず、むしろこの地の醸し出す闇に魅せられて、また訪れたい気分になったりして・・・あっ、むしろこれはかえって危ないか!?
いずれにせよ、また来年。
今回はここまで。
また次回。
*化野念仏寺への地図・アクセスはこちら。
*化野念仏寺のHP
http://www.nenbutsuji.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/
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