京都の闇に魅せられて(新館)

兒水不動明王とつつじ @ 京都妖怪探訪(835)

 

 

 どうも、こんにちは。

 今年(2023年、令和5年)から始めました『霊場魔所の藤とつつじ』シリーズの第3弾。

 今回は、シリーズ前回で紹介した六孫王神社(ろくそんのうじんじゃ)のすぐ近くに立つ、つつじの花に囲まれた小さな霊場を訪れます。

 

 

 まずはいつもの通り、交通アクセスから。

 ここに来るまでの最寄り交通機関には、

シリーズ前回と同じく京都市営バス「六孫王神社前(東寺北門前)」停留所があります。

 そこから八条通りを西へと歩くと、八条壬生(はちじょうみぶ)の交差点があり、前回六孫王神社(ろくそんのうじんじゃ)があります。

 その六孫王神社の東門、もしくは八条壬生(はちじょうみぶ)交差点に面した南東門から、壬生通りを北へと歩きます。

 

 

 

 

 

 新幹線の高架下を越え、新幹線とJR京都線線路との間に挟まれた土地に、小さな社か祠のようなものが見えます。

 

 

 

 

 

 つつじの花々に囲まれたこの社か祠のようなものが「兒水(ちごのみず)不動明王」です。

 

 

 

 

 京都市の中心部、新幹線とJR線路との間に、不自然にぽつんと佇むこの霊場には。

 その名の通り、中には不動明王が祀られているようで、その前には水を汲み上げるポンプがありました。

 まずは礼儀として礼拝します。

 

 

 私は当初、この場所は東寺の鬼門を守護する為の霊場かな、とか思っていましたが、少し調べてみたら違うことがわかりました。

 元々この地には「大通寺」という真言宗の寺院が建っていたそうです。

 元々は源寺の祖・源基経の子・満仲が父の墓所に堂を建てたのが始まり。 それから鎌倉幕府の時代、暗殺に倒れた第三代将軍・源実朝の妻である本覚尼(坊門信子・西八条禅尼)が、亡夫の菩提を弔う為に源寺にゆかりのあるこの地に建立したのが「遍照心院万祥山大通寺」。

 源寺の祖・源基経を祀った六孫王神社(ろくそんのうじんじゃ)は、その鎮守社でした。

 日本の神社仏閣に多いのですが、明治の神仏分離令が出される以前は神仏習合が当たり前だったので、仏教寺院と神社とがこうして共存していたのです。現在でも寺院の境内に神社がある事例(清水寺とその境内にある地主神社など)も多いですよね。

 かつては東は大宮通り、西は朱雀(千本通りか?)、南は八条通り、北は塩小路通りを境とする広大な境内を誇っていたそうです。

 しかし江戸幕府が終わると共に衰退していき、さらに明治の廃仏毀釈に遭い、明治44四年(1912二年)には旧国鉄(現在のJR)の用地として境内地を徴収され、六孫王神社だけを残して、現在の西九条の地に移転させられるという散々な目に遭っています。

 名水の出るという旧境内の場所には「兒水(ちごのみず)不動明王」が祀られていましたが、さすがに井戸だけは移転することは出来なかったので、こうして現在もこの地に残されているわけですが。

 思えば明治の廃仏毀釈は、現在で例えていえばタリバンや紅衛兵などによる仏像破壊などのような無茶を日本全国規模でやったわけで、その痕跡は粟田口刑場跡(※シリーズ第18回参照)や、清水寺の千体地蔵(※シリーズ第25回参照)など、現在も京都各地に遺されています。

 この不自然にぽつんと残された「兒水不動明王」も、そんな痕跡の、歴史的事件の証人のひとつだたっとは。

 

 

 しかし現在の「兒水不動明王」は、中はきれいに整理・清掃され、賽銭や供物などもあり、管理や信仰している人も居るようです。

 壬生通りを挟んだ向かい側には小さな公園もあり、そして緑とつつじの花々に囲まれ。

 

 

 

 

 

 都会となった京都のほぼ真ん中のこの地で、そんな激動の歴史に翻弄されていたことも、何事もなかったかのように、静かに、穏やかに佇んでいます。

 

 

 

 

 

 

 今回はここまで。

 また次回。

 

 

 

 

 

※ところで2023年の目標で、「新規スポットの記事を最低でも20以上、出来れば30以上書く」としましたが、今回で10カ所目。

 目標まであと10本(10カ所)です。

 

 

 

 

 

*兒水不動明王の周辺地図はこちら

 

 

 

 

 

*『京都妖怪探訪』シリーズ

https://kyotoyokai.jp/

 

 

 

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