どうも、こんにちは。
突然ですが、今年(2023年、令和5年)の桜花の季節に贈る『霊場魔所の桜』シリーズ。
実はまだまだ紹介し切れてない桜スポットがあるのですが、リアル世界の桜の時期がもう過ぎてしまったので、ここで一気に公開していきたいと思います。
とは言っても、シリーズ前回記事みたいに、その全てを一回の記事だけで書くのはさすがに大変なので、何回かに分けていきたいと思っています。
今回は京都・神泉苑の桜の光景を紹介していきたいと思います。
まずは、京都市営地下鉄「二条城前」駅の3番出口から出て、押小路通りを少し西へ、歩きますと。
京都の桜名所のひとつでもある神秘の庭園、「神泉苑」の北門が見えてきます。
この神泉苑は、現在では真言宗・東寺の飛び地境内ですが、その歴史は古く。平安京遷都と平安京遷都とほぼ同時期からあった広大な庭園だったそうです。当時の大内裏に接して、元は天皇や貴族の遊園の場だったそうですが、長い歴史の中で、様々な霊的・宗教的な儀式の場としても使われ、竜などの妖怪や、空海や小野小町などの異能者などの伝説も数多く伝わっています。
本シリーズでは、第223回記事や第777回記事などでとりあげたことがありますが、ざっと思いつくだけでも以下のような歴史や伝説が遺されています。
・竜が棲み、八坂神社にもつながる「竜穴」もあるという伝説(第227回を参照)
・弘法大師こと空海が善女竜王を召喚して、ライバル守敏との祈雨勝負に勝ったという伝説(第223回を参照)
・有名な京都・祇園祭の元になった「御霊会」という宗教的な儀式が行われたという歴史(第226回を参照)
・小野小町が雨乞の歌を詠んで、雨を降らせたという伝説(第225回を参照)
・醍醐天皇の意に従って「五位」の位を受けたという、「五位鷺」の伝説(第227回を参照)
・源義経と静御前とが出会った場所であるという伝説(第225回を参照)
・京都市を東西に横切る大通りのひとつ「御池通り」の名の由来になったという説。
などなど。
この北門にも、百鬼夜行と言われる妖怪の群れと遭遇したという人の伝承(第227回及び第346回を参照)があります。
もっとも、過去記事でも解説しましたが、かつての神泉苑は現在よりはるかに広く、当時の北門ももっと北、現在の二条城の敷地内にあったのですが。
北門から中へ。
龍神が棲むとも言われている神泉苑の池には、雨もまた似合うと思います。
見た者の心をも写すとも言われる「心鏡の池」。
桜の他にも花が。
ところでここで気付いたのですが・・・以前ここにあったものが、ありません。
そうです、以前訪れた時にも竜船が、平安時代の皇族・貴族が船遊びに使ったものを再現したという竜船が無いのです。
何故、と思って庭内を見渡しますと・・・。
以前あった料亭がなくなっています。
あの竜船は料亭のものだったので、料亭が閉店してあの竜船もなくなったというわけですか。
いつかあの竜船にも乗ってみたいとも思っていた一方、料金が高そうだなとも思って躊躇していたのですが。
これであの竜船に乗る機会も、竜船を観て、撮る機会も失われたのは残念です。
今あるものも、それまであった機会も、いつまでもあるとは限らないということを痛感させられました。
それでもまずは、本堂・不動堂に礼拝して、心を鎮めて。
そして、庭内の桜の光景を観て回ります。
境内の片隅でアヒルが気持ちよさそうに寝ています。
・・・っと、気が付いたら、神泉苑だけで時間も、記事のスペースも使いすぎてしまいましたよ。
続きは次回、次は堀川通り沿いのスポットを巡ります。
今回はここまで。
また次回。
*『京都妖怪探訪』シリーズ