■こならの森91号■1995.11発行
表紙 「田中重光さん 秋」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森12月号■
おぞねとしこのポエム…………3p
その他の情報…/猫バス15……4p
知らんの5つの市/パラダイス=…5p
海棠市子の映画評……………6p
書評・絵本紹介………………7p
創作童話 1回 ………8p
結婚します…青木さん夫妻…
JC・JOURNAL………10-11p
町ミステリー…富士町………12-18p
野良犬先生 ………19
インフォメーション95………20-25p
現代国語 ………26p
杜 @皇が占う今月の運勢……27
協賛店マップ ………28-29p
新・こならの森から…………30p
■■■■■■■■■■■
【本文抜粋記事】
町ミステリー
ロードエンドのある町へ
ここは、どこへも抜けられないどん詰まりのいやば大きな谷津田のような所である。稲刈りが終わって、ほっと一息ついているのか、休憩なのか知らないが農夫が二人、畦に座ってのんびりとくつろいでいた。
行き止まりとなっているから知っている人か、本当に用のある人しかやって来ない。通過点ではないのだから見知らぬ人はやって来ない。それが良いのか悪いのかは分からないが、なんだか焦らずマイペースを守っている、そんな生活を思わせる。
野焼き
はぜかけをしている田んぼが目につく。自家消費分であろうか、天火干のお米は格別にうまいのだと聞く。
遠くから、真っ赤に熟した柿の実か、何かの実だろうかよく分からない赤い実が見えた。近くまで行ってみると、それは鈴なりに結実したカラスウリだった。それにしてもものすごい数だった。
近くでは野焼きをしている。話を聞くと「虫が冬ごもりしんよう、焼くんだよ」とのこと。今は殺虫剤も、除草剤もあるのにわざわざ手間暇のかかる方法を選ぶのはどうしてだろう。
それは、そうした便利なものがなかった、つまり農業というものの歴史のほとんどの時間行われて来たことが、今も営々と続いている光景だった。素朴さを誘う。
ロードエンド、 その先はデッドエンド?
ロードエンドのその先へ、ともかく駒をすすめる。すると調整池があらわれる。コンクリートをログで覆った、「そこまでやる」と言わんばかりの堤防もある。さらにその奥にある池まで行って見る。水面に木の葉を映している。このあたりは、隠れた釣り場であるらしい。
静かなる魚影
フナかコイかの姿が見える。
近づいても動かない。………それにしても、えさのミミズが釣り具店で売っているとは、思いもよらなかった。
水糸が散乱していて、足を取られそうになる。写真は便利な
道具で、その画面の下はペットボトルだらけ。ちょっと引くと、釣り場なのかゴミ捨て場なのか分からない。ここまで来るほどでも無い。
浦島太郎になる
午後一番で出掛けて来たのに、秋の日差しは早くも西に傾きかける。
『午後は約束があるんだ。急いで帰らなければ。』と思って、車を飛ばしたのだが、10分もしないうちに、市街地へ戻って来ていた。しかし遠くまで行って来たという充実感が残る。
また、『浦島太郎現象』とでもいうのだろうか、そこで過ごしているうちには時間がゆっく
りと流れるのだが、下界?へ戻ってみると、元の時間の流れとなっていて、相対的には早く時間が流れていく。走行距離もほんの数キロ。感覚的にはその数倍から数十倍走った感じだ。これこそが、市内ちょっと旅の醍醐味といえそうだ。
表紙 「田中重光さん 秋」
C・o・n・t・e・n・t・s
■こならの森12月号■
おぞねとしこのポエム…………3p
その他の情報…/猫バス15……4p
知らんの5つの市/パラダイス=…5p
海棠市子の映画評……………6p
書評・絵本紹介………………7p
創作童話 1回 ………8p
結婚します…青木さん夫妻…
JC・JOURNAL………10-11p
町ミステリー…富士町………12-18p
野良犬先生 ………19
インフォメーション95………20-25p
現代国語 ………26p
杜 @皇が占う今月の運勢……27
協賛店マップ ………28-29p
新・こならの森から…………30p
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【本文抜粋記事】
町ミステリー
ロードエンドのある町へ
ここは、どこへも抜けられないどん詰まりのいやば大きな谷津田のような所である。稲刈りが終わって、ほっと一息ついているのか、休憩なのか知らないが農夫が二人、畦に座ってのんびりとくつろいでいた。
行き止まりとなっているから知っている人か、本当に用のある人しかやって来ない。通過点ではないのだから見知らぬ人はやって来ない。それが良いのか悪いのかは分からないが、なんだか焦らずマイペースを守っている、そんな生活を思わせる。
野焼き
はぜかけをしている田んぼが目につく。自家消費分であろうか、天火干のお米は格別にうまいのだと聞く。
遠くから、真っ赤に熟した柿の実か、何かの実だろうかよく分からない赤い実が見えた。近くまで行ってみると、それは鈴なりに結実したカラスウリだった。それにしてもものすごい数だった。
近くでは野焼きをしている。話を聞くと「虫が冬ごもりしんよう、焼くんだよ」とのこと。今は殺虫剤も、除草剤もあるのにわざわざ手間暇のかかる方法を選ぶのはどうしてだろう。
それは、そうした便利なものがなかった、つまり農業というものの歴史のほとんどの時間行われて来たことが、今も営々と続いている光景だった。素朴さを誘う。
ロードエンド、 その先はデッドエンド?
ロードエンドのその先へ、ともかく駒をすすめる。すると調整池があらわれる。コンクリートをログで覆った、「そこまでやる」と言わんばかりの堤防もある。さらにその奥にある池まで行って見る。水面に木の葉を映している。このあたりは、隠れた釣り場であるらしい。
静かなる魚影
フナかコイかの姿が見える。
近づいても動かない。………それにしても、えさのミミズが釣り具店で売っているとは、思いもよらなかった。
水糸が散乱していて、足を取られそうになる。写真は便利な
道具で、その画面の下はペットボトルだらけ。ちょっと引くと、釣り場なのかゴミ捨て場なのか分からない。ここまで来るほどでも無い。
浦島太郎になる
午後一番で出掛けて来たのに、秋の日差しは早くも西に傾きかける。
『午後は約束があるんだ。急いで帰らなければ。』と思って、車を飛ばしたのだが、10分もしないうちに、市街地へ戻って来ていた。しかし遠くまで行って来たという充実感が残る。
また、『浦島太郎現象』とでもいうのだろうか、そこで過ごしているうちには時間がゆっく
りと流れるのだが、下界?へ戻ってみると、元の時間の流れとなっていて、相対的には早く時間が流れていく。走行距離もほんの数キロ。感覚的にはその数倍から数十倍走った感じだ。これこそが、市内ちょっと旅の醍醐味といえそうだ。