見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

票になる人の声だけが気になる人びと

2006-08-18 20:48:22 | 政治・社会
「一般的に、行政の三役となるような人たちは、票に繋がるような人にしか耳を傾けてくれません」と、40代の青年が複雑な顔で言いました。

地域の活性化に向けて様々な提案をもっている青年です。
そのアイデアは、ラフで詰めていくべき要所は多々ありますが、地域で何かしたいという周囲の青年を巻き込み、様々に仕掛けてみたいと、目を輝かせていました。

「これまでも、行政に提案したいことはたくさんあったし、あんなことに税金を使ってほしくないと思うこともけっこうありました。
ボクは建築業なので、地元に建造物を計画してもらえば、自分のところにも仕事が回ってくるので、それに反対するのも何なんですが。
そうは言っても、ほとんど利用されないことが目に見えている建造物に、多額な金をかけることについては、やっぱり矛盾を感じてしまいます。
税金の使い道を決定する権利が自分たちにもあればいいのにと、よく思います。」

青年は、ここに住んで10年近くになるという県外出身者。
最近、奥さんの実家の近くに家を新築し、この街が、終の棲家になるのだと言いました。

「ボクの住んでいる地域は、若い人があまり物を言えません。
長老が絶対的な発言権をもっていますし、これまでの行政の三役に物をいってきたのもそういう人たちです。三役も、長老の言うことを聞けば、それで長老の後ろにある多くの票につながっていくとわかっていましたから。」

彼が出会ってきた「三役」は特殊だったのかもしれません。

「だから、びっくりしたんです。ボクみたいな者がお会いして名刺交換させていただいて。いただいた名刺を見たら、メールアドレスも入っているし、『気軽に会いに来て下さい』なんて言ってもらえて。」

全国的に、組織型選挙が変わりつつある今、彼の悩みも徐々に解決されていくはずなのですが、それでも、まだ行政に声を届ける機会をもつ市民は限定されている、ということなのかもしれません。



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