見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

個人情報と地域コミュニティ

2007-02-15 23:44:36 | 政治・社会
「個人情報であることは十分承知だが、地域支えあいマップを作成しているので、住民世帯名簿を交付してもらえないか」と、切実な表情で自治会の代表が言った。

地域に一過性で住む転勤族や学生の多くは、自治会に無関心だ。当然、加入(=会費の支払)を拒む。
「自治会って、何のためにあるの?何をしてくれるの?」の疑問に応えるだけの意思疎通がなく、「加入するのは当たり前」と考える自治会会員(=地域住民)も少なくない。

天変地異が世界で多発している今、「災害時に生きる地域力」が声高に推奨されているが、一般住民が将来の災害を今の自分と直結してイメージするには努力がいる。

「全ての住民の個々の状況を把握し、災害時には情報に基いて迅速に助け合いたい」という使命感にあふれる自治会ほど、個人情報の壁に悩む。「お節介が美徳」という言葉も実を伴わずに虚しいと嘆く。

「自治会は行政の組織ではなく、住民自治で作られた組織」と言いながら、行政サービスの担い手の一つとして位置付けてきた歴史が日本にはあり、それゆえに、行政の自治会とのスタンスの持ち方には歯切れの悪さが常に残る。
「住民自らが提供した情報であれば、行政の口を出すところではありませんが」
と言うのが、法律遵守を基本する行政組織の回答の限界である。

自治会がSOSを発信した時、「住民自治」を促進する行政がすべきこと、できることは何なのかが問われている。



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