見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

税金を使うための感性と判断力

2006-08-08 23:59:59 | 政治・社会
総裁選が近づき、マスコミは益々賑やかですが、税金を託されている組織が選択する優先順位の判断理由を、すべての国民に理解してもらうことは不可能です。

生きている地域、仕事、性別、所得、健康、家族、年齢等々、一人ひとりの属性が違うので、当然、好みや要求の違いは生まれ、結果、限りない数の優先順位の組み合わせが発生するわけです。

自分と異なる環境で異なる人生を歩んでいる指導者に対して、「私のことを理解してよ」と迫ることには無理があるとわかっていても、言わなければ、好き勝手にされてしまうと疑心暗鬼になる市民。

「税金を託しているんだから、何とかしてよ」と言う声に、聞こえないふりをするか、適当な説明で曖昧に返事をする、という方法しか見つからない行政…。


今夜は、地域住民の方々とのまちづくり懇談会でした。

行政側は首長を中心に20人ほどの幹部が並び、対面には、地域の人々が100人ほど集まりました。
様々な要望、意見が出るたびに、担当所管の長が「検討中です」「前向きに考えます」「これから調査します」などと返答します。

地域に住む人々にとっては切実な課題ばかりですが、担当が「やります」と、なかなか明確に答えられないのは、予算措置や関係機関・企業等との折衝に困難を生じている案件です。

行政やマスコミなど、世間を牽引する役割を担う組織の人間は、共感できない自分の限界を常に感じながらも、どこまで相手の状況をイメージし、共感できるか、自問していくしかないのかもしれません。

様々な市民の希望するすべてに着手できるわけでもなく、目の前のいずれかを選ばなければならない局面では、独自の価値観で優先順位の決定を迫られることも多々ありますが、「ひとつの大学に億単位の助成金を出すくらいなら、地縁組織に1000万円を30年間出した方が地域も個人も『幸せ』になるのかもしれない」という迷いを、税金を用いる立場の人間がどれだけ感じるかが課題です。

結局、自分と同じ環境、同じ属性、同じ思想の人物を首長に選ぶことが、自分の希望を適える早道ということになるのでしょうか。


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