見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

セビィリャを埋めるフラメンコ

2007-11-12 22:59:55 | スペイン
フラメンコ発祥の地だけあり、セビィリャの街はフラメンコで満ちている。街を歩けば、フラメンコの衣装を並べた洋装店やカスタネットや扇子のみやげ物屋、フラメンコショーの案内ポスターや看板がそこかしこにあり、街角にはフラメンコの銅像まで立っている。壁一面に描いたフラメンコのペインティングで客を楽しませてくれるバルもある。



フラメンコの双頭グラナダと同じイスラム支配の影響が大きく残る街セビリアだが、大きな運河沿いの平坦地に街が広がっているためか、丘の斜面に洞窟タブラオが集まるグラナダとは、だいぶ雰囲気を異にした華やかなフラメンコの街に映る。



細い道の入り組む旧市街を歩いていると、目の前から歩いてきたカップルと目があった。
「え?!」「Wow!」
モロッコツアーで一緒だったカナダ人夫妻だった。学校の先生のソーニャは年度替りの休暇中、会社を辞めたばかりのマイクは自営業の準備中と言っていた。やはりツアー参加者だったアルゼンチンカップルと意気投合し、セビリアまで一緒に来たところまでは知っていたが、この街中で再会する偶然に驚いた。
一緒にいたアルゼンチンの夫婦はどうなったのだろう。予定外のセビリア行きなので、ホテルの予約はこれからだと、別れ間際のバスターミナルで言っていた。
予算がなくて高級ホテルには泊まれないと言うので、1泊36euro(2600円)のオアシス・バックパッカーズはどうかと誘ったところ、「share room(共同部屋)なんて!」と、顔をしかめて断られてしまった。



「そうなのよ、あの後、いくつか電話してみたけれど、どこも満室でね」とソーニャ。彼女がアルゼンチンカップルの奥さんと意気投合してセビリアに誘ったのだ。「で、結局、私たちのホテルの部屋に泊まったのよ」
お二人の部屋に4人で?
「そう、幸い、私たちの部屋のベッドが大きかったので、ひとつのベッドに二人ずつ。それにしても、どのホテルも満室だなんてセビリアは人気があるのね」とソーニャとマイクは大変だった夜を思い起こすように苦笑した。



その夜、セビリアのフラメンコも観てみたいと思ったが、通りかかった劇場タブラオの前には、開演30分前から列ができていた。チケット窓口へ行くと、今夜の席はすでに完売という。一席30ユーロ。市内はどこも同じような料金だという。さすがセビリアのショーはグラナダと料金体系も違う。ホテルが満室のこの季節のフラメンコショーは、連日満員御礼と聞いた。

またいつか、縁があれば観る時が来るだろう。今は、街にあふれるフラメンコの雰囲気だけ写真に残そう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 再びスペイン>セビィリャへ | トップ | セビィリャの風景 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

スペイン」カテゴリの最新記事