見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

病院のサービス

2008-08-22 16:58:14 | 生き方・生活
日本社会の中のコンビニの立ち位置を議論しはじめるときりがない。
功罪を併せ持ち、論者の価値観がはっきり現れるテーマでもあるからだろう。

両親の住む街にあったセブンイレブンが少し前に閉店した。
彼らの街は、善光寺のすぐ裏手。昭和初期に花街として栄えた場所だが、今は高齢化の一途を辿る静かな住宅街になっている。
個人商店や大手スーパーマーケットも次々と店を閉じ、歩いて行くことのできるストアとして、かなり頼りになっていただけに、閉店の痛手は大きい。
一人暮らしの高齢者にとっては、コンビニの惣菜や弁当が栄養源だったとも聞いた。

撤退する店の一方で、新たな場に進出するコンビニの動きも目覚しい。

昨日、家族が入院している市民病院へ行って驚いた。
インターネット利用ができる図書室、レストラン、そしてコンビニのローソンが設置されており、天井まで届くガラス張りの廊下からその一角を見ると、まるで都会の新しいショッピング街にいるかのようだ。



病院の患者や見舞い客ばかりでなく、弁当や80円均一のおでんを買い求める医師や看護士でコンビニ内は盛況だ。

図書室には、コーヒーを飲みながら本を読むことのできるテーブルセットやソファもある。

そういえば、松本市のI病院にも患者が自由に憩うことのできる談話室が用意されていた。
自由に使えるパソコンが数台あり、笑顔で話し相手になってくれるカウンセラーも常駐している。明るい色彩のインテリアで整えられ、医師や看護士を含めて誰もが入りやすい場所に設置されている。

病院は変わりつつある。
久しぶりに病院に行くと、目を見張ることばかりだ。

北海道厚岸町には、一般病床98と小規模ではあるが基本的な診療科目の整った町立病院がある。
多くの公立病院同様、長く赤字に悩んでいたが、ここ数年で経営の建て直しに成功した事例としてTVで紹介された。
病院に行ってみて、「経営努力」を受付で垣間見た。

処方と会計が一緒になった受付カウンターの正面に、掲げられたプレートに目を見張った。

<当病院の事務は、ニチイ学館に業務委託しています>

思わず、カウンター内で動く10人程度の男女をまじまじと見た。
「ここにいる全員がニチイ学館所属の人なのか」
だから、何だということはない。
そういう認識を来院者に与える役割のプレートがあるというだけのことだ。

確かに、最近は公共施設や役所の受付業務の外部委託が主流となりつつある。
しかし、その業務委託業者名を明示した事例に会ったのは初めてだ。
プレートは、「来院者が知りたい情報」とは別の意味をもつ。

これも、適正な市民サービス、経営改善の姿ということだろうか。

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3 コメント

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病院はかわっていく (きょうこ)
2008-08-23 08:31:46
ご家族が入院されていらっしゃるとのこと。お見舞い申し上げます。
I病院のこと書いてくださってありがとうございました。市民病院の写真を見て、うちもまだまだ改善しなくちゃと思いました。この病院のホームページを見たいので、メールで教えてください。
(I病院患者支援室、相談支援員)
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知らなかった (B型パパイヤ)
2008-08-23 18:58:32
日本の病院も急変してますね。バンコクにいた時は病院に行くのが楽しかったです。診察じゃないのに付近のホテルと一体の豪華私立病院のレストランに食事に行きました。子連れで気軽に利用できるから便利だったです。医師もタイスマイル。ここで笑うかなって思うこともありましたが。入院のご家族の方、お大事に。
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病院紹介 (wine)
2008-08-23 23:58:14
市民病院の経営は大赤字で大変のようですが、官立ならではの贅沢な挑戦をしているのでしょう。
きょうこさん、URLは、http://www.hospital.nagano.nagano.jp/index.phpです。23日のブログにいくつか内部の写真を追加掲載してみましたので参考までにご覧ください。
母は手術も無事終わり、あとは回復の時間を待つのみになりました。パパイヤさんありがとうございます。



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