見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

安宿街に投宿する旅人を楽しませるもの

2007-06-01 23:08:38 | ベトナム
ホーチミンの安宿街には、手頃なカフェや食堂も数多く並び、その店頭を渡り歩く物売りたちが賑やかだ。

アジアの安宿街には、もはや「観光客」とは言えない(言って欲しくもないだろうが)輩が多く投宿している。「旅人」と言えば聞こえはいいが、「暇人」であったり「自分探し人」であったり、たっぷり抱えた時間を持て余している人も少なくない。

安宿街のカフェや食堂には、昼頃になるとビールやコーラを飲んで、一人、シクロ(自転車りきしゃ)や人の流れをずっと見ている外国人が目立ち始める。安宿街のカフェや食堂の多くは、舗道や車道にまで椅子とテーブルを並べたオープンカフェ形式。高級ホテル街の洒落たガラス張りのレストランとは違い、入り口を全開し、天井ファンや壁一面に設置した扇風機で風を送る

カフェや食堂に座る旅人には、絶え間なく物売りたちが寄ってきて、時に楽しく、時に煩わしい。
          

開放された入り口から躊躇なくレストランに入り、食事中のテーブル一つ一つを回る売り子たちは逞しい。レストランもまた、売り子の行為を黙認し、コミッションを取るでもない。

売り物は多種多様。クッキー、雑貨、土産物、マッサージ、靴磨き、バラの花(カップルの男性向けに)、本・・・
本の売り子は一冊ずつセロファンに包んだ本を高く積み上げて持ち歩く。ペーパーバックやガイドなど多種多様な新品・中古本の山を抱え、暇そうに通りを眺める旅人たちに歩み寄っていく。
          

近寄ってくる様々な物売りたちに「いらない」と笑顔で手を振って追い払ったつもりでも、彼らは、食事が終わって店を出てくる人々を辛抱強く外で待ち構えている。
          

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2 コメント

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お腹がいっぱいの社会 (ワイン)
2007-06-10 21:58:27
「生きる」という根本的で単純な課題が、日本ではとても複雑になってしまっているんですね。昨日、日本の自殺者が3万人にのぼるというニュースを聞きました。「生きるために働く」「食べることに困らない生活をするために働く」という単純な答えだけが見えていた時代も日本にあったのでしょうけれど。
だからと言って、「開発途上国の人々の方が幸せ」と簡単に言えない現実もありますね。
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色が素敵です (ken)
2007-06-09 12:19:51
いつもきれいな写真を楽しませてもらっています。

日本とは、色が、色彩がまったく違うのですね。
とても強烈なカラーが迫ってきます。

ひとりひとりが生きるのに必死というか
必死もなにもなくて、
それが当たり前なのでしょうね、きっと。

何のために働く とか、
職業意識 とか
キャリア教育 とか
日本で問題になっていることは
説明しても、理解してもらえないのだろうなと
思いながら、
色鮮やかな写真を
風景を見させてもらっています。

お体気をつけて

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