Let's talk

タイラーが学校に行かなくなって1か月ほどたち、６つの会社に履歴書を送ったようだが面接の連絡はなし。面接まで行けばタイラーの人柄絶対に受かると思われるが、ハリファックスでの就職はなかなか甘くはない。特にマーケティングの仕事はかなり数が限られる。

にゃっちが大学院へ合格し、そもそもは5月から遠距離恋愛をする予定だった。それはタイラーがハリファックスで大学を卒業するためという大前提があったからだ。しかし、大学をやめて就職活動難航中のタイラーが今、ハリファックスにいる必要があるのでしょうか？

この1か月間、にゃっちは考えに考え、ついに昨日タイラーに言ってみた。

「一緒にオタワに引っ越す？」

にゃっちがこう切り出すまで時間がかかった理由は３つ。
タイラーは田舎育ちだから都会が苦手。
田舎にいる両親のこと。
今のアパートが大好きなこと。

にゃっちが焦っている理由は２つ。
アパートの契約を解除しないといけないこと。この部屋の家賃はひと月$2800。4人で暮して1人月々$700。
2つのシングルベットルームと１つのマスタールームがあってタイラーとにゃっちがマスタールームをシェアしている。にゃっちがこの部屋をでて残りの3人で住むことになったら一人月々$930。みんなにそんな額はとても払えない。新しい人をいれるにしてもタイラーがひとつの部屋を他人とシェアしなくちゃいけなくなる。そんな条件で新しい人が見つかるわけがない。そしてコリンも5月に卒業したらこのアパートを出ていくかもしれない。

もうひとつはオタワで部屋を見つけないといけないということ。
大学近辺でいい部屋を見つけるのは競争率が高い。ハリファックスでも大変だったんだからどうオタワだったらどんなものか。

タイラーの返事は意外とシンプルだった。

「引っ越すお金がない」

引っ越すこと自体には抵抗はないようだったのでまず安心した。タイラーにお金がないことはにゃっちが一番よくわかってる。もちろん解決策は考えてある。とにかく2か月間アルバイトしまくって少し貯める。引っ越しはそもそもにゃっちが軽トラを借りてタイラーに運転させるつもりだったからタイラーに負担はない。タイラーには13時間運転してもらうだけ。オタワでシングルアパートメントを借りれば高くても900～1000ドル。2人で住めば今より月々200~300ドルは節約できる。

にゃっちとタイラーは地味にお互いを支えあって毎日生きている。2人とも根っからのグーたら人間だけれど頑張ってるんです。でもにゃっちはタイラーと離れ離れだと頑張れるかわかりません。頑張るだろうけど辛いんだろうな。

タイラーは基本的に真剣な話し合いが苦手なのでにゃっちがここは大人にならないと。
どういう結果になってもにゃっちはにゃっちのことを頑張るだけです。