公務員がFXをしても基本的には問題ありませんし、利益を得ることも禁止されてはいません。
ただ、義務を遵守することは当然求められます。
代表的なのは職務専念義務ですが、それ以外にも気をつけなければならないものがあります。
年20万円以上の利益があれば確定申告
FXである年に20万円以上の利益があがったら、確定申告が義務になります。
多少のことなら察知されないと油断していると、思わぬタイミングで税務署から「ご連絡」がきてひどい目に遭ってしまいます。
不申告はデメリットしかない
不申告の状態ででいると、税務署の調査が入ることがあります。
税務署は抜かりなく把握しています。
ほどほどの金額になったころにやってきて、色々調べられます。
ほぼ確実に修正申告する事態になり、5年間遡って所得税が増額になります。
これだけでも大変です。
過少申告加算税や延滞税で納税額は大きなものです。
あまり考えたくはありませんが、重加算税を課されることもあるでしょう。
不申告の職場バレは面倒
これ以外にも面倒なことがあります。
職場バレです。
所得税が増額されることで住民税も増額になります。
この税額変更の通知は職場に届きますから、これが元で不申告が職場にばれてしまいます。
公務員の給料は基本的には税金が元になっていますから、少額であっても問題視されます。
金額や期間によっては信用失墜行為に該当すると考えられるでしょう。
副業公務員は確定申告を忘れずに
公務員がFXをすること自体には問題はありません。
当然利益を得ることも認められています。
だからこそ年20万円以上の利益があったら必ず確定申告しましょう。
FXにかかる確定申告
FXで確定申告が必要になるのは、年20万円以上の利益があったときです。
利益は「所得」、つまり収入から支出を差し引いて計算されるものです。
収入が年20万円以上だったとしても、支出が多い場合には確定申告をしなくてもいいことになります。
必要経費次第で確定申告は不要
FXで発生した所得は、雑所得として、申告分離課税の対象となります。
この雑所得はFXで発生した収入から必要経費を控除して計算されます。
FXにかかる雑所得額=FXで発生した収入−必要経費
公務員等の給与所得者は、このFXにかかる雑所得額が年20万円以上になったら確定申告が必要になります。
なお、FXにかかる雑所得額に税率を乗じてFXにかかる所得税額を計算します。
必要経費とは
FXの必要経費はFXのために直接要した費用です。
例えば次のようなものが該当します。
- 支払手数料(FXの取引手数料等)
- 新聞図書費(書籍、新聞、有料投資情報の資料代等)
- 通信費(インターネット料金、電話料金、切手代、はがき代、ファックス代等)
- 水道光熱費(電気料金等)
- 旅費交通費(セミナー参加の電車賃、バス代、タクシー代、航空運賃、駐車場代、宿泊費等)
- 接待交際費(情報交換会の飲食代等)
- 修繕費(パソコン修理代等)
- 消耗品費(文房具、電球、名刺、印鑑、CD、USB、10万円未満のパソコン代等)
必要経費に算入できるのは
上記の費用がすべて必要経費とできるわけではありません。
FXに直接必要と税務署が認めたものしか計上できません。
必要経費に算入する場合の注意事項
個人の業務においては一つの支出が家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費といいます。)となるものがあります。
この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。
(国税庁 タックスアンサー No.2210?やさしい必要経費の知識)
副業公務員は欲張らない
税務署が認めないような費用を多く必要経費としていると、思わぬタイミングで税務署から「ご連絡」がやってきます。
対応だけでも大変な手間ですし、修正申告となるともっと大変です。
必要経費ではあまり欲張らず、FXだけに使った費用だけを必要経費としたほうがいいでしょう。
判断が分かれるような支出は計上しない方が安全です。
どうしても計上したいのであれば税理士さんに相談すべきです。
面倒でも確定申告は忘れずに
確定申告は手間がかかりますし、正直面倒です。
確定申告は年度末の忙しい時期ですし、サボりたくなるのもわからなくはありません。
それでも確定申告は忘れずにしなければなりません。
面倒であれば必要経費なしで申告してください。
税額は増えますが、不申告で大変な事態になることは避けられます。
確定申告をサボったら、後で大変なことになります。
自分の身を守るために、面倒でも確定申告は忘れてはいけません。