鉱石ラジオ

艦これ二次創作小説同人
C105 日曜日 西地区 せ-27b(西2ホール)

C95 新刊の表紙(予定)と、原稿の進捗状況

2018-11-30 22:00:55 | 同人活動
C95で頒布する新刊は予告通り、二次創作小説「最上の帰還 終章」になります。

表紙のデザインがほぼ決まりました。本心では前二作と統一したかったのですが、それではあまりにも地味すぎるのでガラッと変えてみました。こんな感じです。



それでも地味だなー。
実際に印刷して気に入らなければ変更することもあるかと思います。また、表紙に使う用紙の色は「さくら色」を予定していますから、印象も上のイメージとはグッと異なるものに仕上がるだろうと思います。
印刷と製本は今回も最寄りのキンコーズで。いつも通りの地味な本になるでしょう。

小説じたいはまだ執筆中で、締め切りは12月16日(日)。予定通りに進めばその日のうちに正式に新刊を告知します。が、進捗の方は例によって難航しているので、さらに一週間程度は後ろにずれるかも知れません。今年もジングルベルを聞きながら原稿書きという、まるで学生時代の卒業論文のような(僕が卒業した大学の卒論締め切りはクリスマス当日でした、プロテスタントのくせに)進行です。あれからもう何十年も経ちますが相変わらずですなあ。とほほであります。

これまた例の如く、28日(金)は有給休暇を取得して前日設営に参加する予定です。また、今回は初めて二日目(30日)の配置です。くれぐれも前日と一日目を原稿書きに費やすことのないように、気持ちを引き締めて臨みます。初参加の二年前は本当に直前まで原稿を書いていましたから、過ちは繰り返しません。

では。
明日から本気出すっ!
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【ネタバレ】フリオ・コルタサルの「パリへ発った婦人宛ての手紙」について

2018-11-14 23:36:58 | 日記
コルタサル初期の短編集である「動物寓話集」が完訳されていたなんて知らなかった(2018、光文社古典新訳文庫、寺尾隆吉訳)。
これまでこの短編集が単独で邦訳されたことは一度もなく「ブームのラテンアメリカ文学」の名の下に各種のアンソロジーに各編がばらばらに、まるで虫食いのように訳出されるばかりで、原典を読む力量が備わっていない不勉強なファンにとっては、その名を知りながらも、これは幻の短編集だったのである。やるな、光文社。

その中の一篇である「パリへ発った婦人宛ての手紙」もいずれかのアンソロジーで読んだ記憶はあるのだが、慌てて手元にあるコルタサルの著作を調べてみたが、どこで目にしたものか、見つけることができなかった。
今回再読してみて、初見のような新鮮さとページを繰る毎に蘇る懐かしさで一杯になった。最後に読んだのは何年前だっただろう。

この「手紙」とは、実は友人に当てた遺書なのである。手紙の主である主人公の女性は、パリへ旅立った友人が遺したアパートの一室に友人に代わって暮らすことになる。その住居はどうやら高級なアパートらしく(日本で言うアパートとはまったくの別物)、高価で趣味の良い家具調度類に囲まれ、友人の雇った女中まで付いている。
ところが、主人公の女性はひとつ問題を抱えていた。彼女は、喉から子ウサギを吐き出す、という奇癖を持っていたのである。動物のウサギのことである。それを産み落とすのではなく、まるで誤って飲み込んでしまった異物のように吐き出すのだ。彼女はあらかじめ生きた子ウサギを丸呑みにするのではない。あるとき唐突に吐き気が込み上げてきて、口に指を差し入れ、その異物を取り出してみるとそれが子ウサギだった、という具合なのだ。
荒唐無稽な話ではある。だが、この荒唐無稽は寓意に飛んでいる。
原因がないにも関わらず生み出される異物とは何を表しているのだろう。僕はこれから聖母マリアの処女懐胎を連想した。では、これはイエス・キリスト生誕の物語のパロディなのか、というとそういうことでもない。

コルタサルは自身が小説を書くことについて、これは強迫観念から逃れるための手段なのだと告白していたことを何かで読んだ記憶があるが、不意に襲ってくる悪夢の正体を、精神分析的な手段を用いたとしても、我々はそう容易く知ることはできないものではないだろうか。子ウサギが何を象徴しているか。それを問うことに、おそらく意味はない。それはしばしば夜の闇の底で人知れず孕まれる抽象的で得体の知れない異形の観念であり、だから我々はこの子ウサギの輪郭を明晰判明に描くことなどできないのである。

だが、この物語は同時に滑稽でもある。主人公は自分が産み落とす子ウサギを殺処分することができず、女中に隠れて飼育を始める。子ウサギは次々と産み落とされ続け、彼女は次第に持て余すようになり、奔放な子ウサギによって高級アパートの室内は荒らされ、家具調度も傷つけられる。彼女は遂に絶望し、友人の住居を荒れ放題にしてしまったことを詫びるかのようにアパートのバルコニーから子ウサギたちと共に身を投げるのだ。
その過程を綿々と綴った遺書の惨めで、言い訳めいた口調が滑稽さの源になっている。彼女の置かれた深刻な状況は端から見れば滑稽なものにしか映らず、何でそんなことのために、と読者を呆れさせずにはいられない。しかし、もっと他にやりようがあったのに何故、と我々は例えばいじめを苦に自殺した少年少女のことをしばしば難詰するのではなかったか。そういうものだ。

この物語の末尾を引用しよう。

スイパチャ通りに面したバルコニーは朝の光に溢れ、街が活動を始める音が聞こえてきます。舗石の上に散らばった十一羽の子ウサギを拾い集めるのはたいして骨の折れる作業ではないでしょうし、就学児童が通り始める前にさっさと片付けてしまったほうがいい死体に気を取られて、おそらく誰もウサギなど目もくれないでしょう。

この「死体」とは主人公の亡骸に他ならず、いままさに手紙を書き終えようとしている彼女はすでに死亡した自分自身を幻視しているのである。直接的な表現を丁寧に回避した婉曲さが悲しいが、我々が知るのはただ一人の女が身を投げて死んだという事実ばかりで、正しくコルタサルが書いたように、誰も子ウサギなどには目もくれないのだ。

これは、今も我々の身の回りで起こり続けている悲劇の一幕に他ならない。
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やがて色づく世界のグリッドマンがウザすぎる

2018-11-07 23:51:42 | アニメ
この秋アニメではこんな番組を見ています。

■やがて君になる

4話まで鑑賞。作品の傾向からつい「青い花」(2009, J.C.STAFF)と比較してしまいますが、「やがて…」が面白いのは誘惑した七海燈子の方が小糸侑に対して「弱い」立ち位置にあるという点。では、小糸侑が強い立場にあるかというと決してそうではなく、互いに翻弄される関係にある、というところだろうか。タイトルの「君」とは誰のことを指しているのだろう。オープニングで七海が、小糸ではなく佐伯沙弥香と並んでいる点も謎めいて見える。この先の進展が素直に気になる作品だ。槙聖司は、視聴者(読者)の観点を作品内に取り込んだ存在で、面白いと思う。

■色づく世界の明日から

5話まで鑑賞。いろいろな要素が複合された作品だと思うが、僕はこれを一種の異世界モノだと考えている。いわゆる異世界モノは現代人である主人公が異世界に転生したと見せかけて時間的には過去に遡行しており、元現代人としての時間的優位性を武器に無双する。「異世界居酒屋」などはその典型ではないだろうか。ところが「色づく…」では、主人公の月白瞳美は身ひとつで過去に飛ばされて未来人としての優位性を発揮できないどころか、魔法遣いという異能の力も半人前、しかも視界から色彩を失っているというハンディキャップを持つ。最期に彼女は元の時間に戻ることになるはずだが、そのときに何を得て、どのようにして帰還するのか。こちらも今後の展開に多い大いに興味をそそられる。
作画の美しさでは京都アニメーションを上回ったのではないか。4話のお化け騒動は秀逸の一言に尽きる。月白琥珀が可愛い。こういう女子は男子に人気があるはずだが、退かれているのが面白い。
川合胡桃が上手い。東山奈央だもんね、当然か。
個人的には今期で一番気に入っている作品だ。

■SSSS.GRIDMAN

5話まで鑑賞。劇伴の使用を極力控えた非常に静かな展開が凄くいい緊張感を持っていると思う。この雰囲気は他の作品では味わうことができないので、どっぷりと浸って楽しんでいる。だから、TRIGGER作品ながらあまりTRIGGERらしい演出はして欲しくないのだが……。回を追う毎にギャグ要素が増えているような……。
新条アカネが、如何にも悪役的な、露骨に高飛車な態度を取らないのも、この作品の基調を上手く捉えていると思う。その意味で、好感が持てる。彼女の眼鏡のヒビは気になる。宝多六花も全然ヒロインぽくなくて普通の女の子なんだよね、ってところがいい。
だからこそギャグの要素は抑えて欲しいなあ。超シリアスなくらいでちょうどいいと思うのだが。

■うちのメイドがウザすぎる!

ウザいメイドさんというと古くは「ジャングルはいつもハレのちグゥ」(2001, シンエイ動画)のベルさんとか、最近では「小林さんちのメイドラゴン」(2017, 京都アニメーション)のトールとか、あるいは「まりあほりっく」(2009, シャフト)の汐王寺茉莉花さんだったり、「まほろまてぃっく」(2001, GAINAX、シャフト)の安藤まほろさんもこの系列に属するかも知れない。こうしてみると、まともなメイドさんて「ハヤテのごとく」(2007-2008, SynergySP)のマリアさんくらいしか思いつかない。まあ、マリアさんがまともだとすれば、の話ではあるのだが。
日常系アニメ。先のことなどいっさい気にせず、高梨ミーシャと鴨居つばめの安定した関係を堪能できるという点で、今期、もっとも安心感のあるアニメだと思う。
この二人の関係性が安定感抜群なせいだろうか、たまに登場するミーシャの父親、高梨康弘は余計な存在にも見える。だが、登場しなければしないで不足に思えるのに違いない。たしかに父親不在でも成立する話だろう。それなのに敢えて登場させるあたりが、この作品のバランス感覚の良さだと思う。彼がいることで、荒唐無稽なアニメに妙な現実性が備わるように感じるのだ。家族の存在などテレビの深夜アニメでは無用の長物のように扱われるのが通例だが、それだからこそ一定の位置を占めているこの父親の描かれ方には興味をそそられるモノがある。

今期のアニメは豊作ですなあ。見る方も大変です。
おかげさまで「とある」も「金カム」もすっかり色褪せてしまって、録画はしているけれど放置状態です。
以上。
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コミックマーケット95に当選しました

2018-11-02 23:52:51 | 同人活動
「鉱石ラジオ」は、コミックマーケット95で「日曜日西地区"み"22b」に配置されました!

はい。そういうことです。今回も無事にサークル参加できる運びとなりました。頒布実績で言うなら限界高度ギリギリの超低空飛行な当サークルですが、めげずに新刊を作りたいと思います。それでも、当サークルはこのあとに続くであろう新規参入サークルのハードルを限りなく下げる、という重要な使命を担っていると自負しております。
自嘲ですね。

周辺に配置されたサークルさんの様子をちらっと窺いましたが、どうも艦これ最上型の小説サークルは遂に当方のみという風向きで、その点でも新刊を出すことの意義が増してきているかと思うと、ううむ、これは緊張して参りました。
頑張って小説を書きます。新刊、出しますぞ。

新刊のタイトルは予告通り「最上の帰還 終章」になります。
今回はスリガオ海峡海戦がメインです。航空巡洋艦に改造された最上はここで沈みます。前作で、深い絆を結んだ駆逐艦曙に沈められる訳ですが、史実通りでも、これはネタバレでしょうか。しかし、考えてみればこの場面を書きたくてこれまで続けて来たようなものです。

今回も辛気くさい描写に満ちた作品になると思います。よろしくお願いします。

また、西ホールの配置は今回が初めてで、その意味でも新鮮な気分です。こういう気分はいいものですな。
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