ビジネス本・自己啓発本☆読書日記

元気が出たビジネス本・自己啓発本を読んだ感想をまとめます!

「残念な人の思考法」著:山崎将志(日経プレミアシリーズ)

2010年12月22日 | 日記
残念な人。
私のことです。

仕事で何かと残念な人にとっては、
是非読むべき本です。

仕事で残念な人にならない方法や思考法が
分かりやすく述べられています。

しかし、本書で述べられてる具体的な思考法よりも
残念な人にならないための方法を考えるきっかけになった
著者のエピソードの方が印象に残りました。

著者が病気の療養の際に、
ある程度のお金がないと、人生の選択肢を狭くしてしまうとを感じたこと。
入院中は会社とのやりとりは事務連絡のみで
退院後、会社に戻ったら
「よく働く機械が修理工場から直って出てくるのを待つ」雰囲気があり
もう組織は頼れないと思ったこと。

それを踏まえたうえで、
プライオリティ(=優先順位。ここでは最優先事項という意味だと思う)
が「組織で認められ、昇進していくこと」から
「一人でも食べていける能力を身につけること」に変わったそうです。

著者は、プライオリティは状況依存的だと述べています。

なるほど。
自分のそのときの状況や体調にあわせて
人生の大きな目標を考えていくことは
非常に大切です。

それは、例えば、「わが社で出世して社長になりたい」とか
「○○の分野で社会貢献したい」とか
「そうじ完璧なカリスマ主婦になって本が出したい」
のような、大きな目標ではあるけどある程度具体的な人生の指標で、
この目標があってはじめて
日常や仕事での具体的にすべきことが見えてくるのだと思います。

いまの私は、日々何となく忙しくすごしていて
人生の指標となるような大きな目標がなく、
ヨガにいったり、食事に気を使ったりしていますが
それが、何の大きな目標のためかは、まだよく分かりません。
とりあえず今は、体調管理のため^^;

人生の大きな目標を定めた上で、
本書をもう一度読んでみると
また違った視点で楽しめるかもしれません。

「洗脳力」著:苫米地英人(アスコムBOOKS)

2010年12月20日 | 日記
「洗脳力」の題名の裏表紙には
「機能脳科学の最新成果があなたの夢をかなえます」。
洗脳と夢をかなえることはどう考えても結びつかないような、
不可解な印象がありました。
もしかしたら、人を洗脳し騙す怪しい本かもしれない・・・

しかし、本書をじっくり読むうちに、それは違うことがすぐに分かりました。
そして、「洗脳」と「夢」の2つの言葉の関連性も分かりました。
怪しげに思えた「洗脳」というのは、
本書においては、夢を実現させていくために自分を洗脳して
夢の具体的な形に近づくための洗脳。
なので、決して人を騙すための洗脳ではありません。

本書では、夢の実現のための具体的方法が多く述べられていました。
例えば、社長になる夢を持ったときには、
社長のイスに実際に座ってイメージする方法や、
五感を使ってより具体的なイメージを描く方法など
非常に参考になりました。

少し驚きだったのが
小さな夢の集合が大きな夢へのステップになるわけではないということです。
大きな夢のために小さな夢を実現させていくと、
小さな夢の状態が続いてしまうそうです。
例えば「社長になる」という夢は
中間管理職の積み重ねではない。
中間管理職に目をくれていたら、中間管理職にとどまってしまう。
・・・これは、かなり目からうろこでした。

また本書では大きな夢を持っていない人のために
「本当の夢と出会える超洗脳テクニック」が伝授されています。
私自身、いまは大きな夢を持っていないので
これをもとに、少しでも具体的に夢を描けるようになればいいなぁと思いました。

さて、少し気になる著者自身の大きな夢は、
「世界から差別と戦争がなくなること」だそうです。

このままの競争社会では、人類が滅びてしまう。
夢をかなえるためには、抽象度を上げた思考を鍛えていくことが大切になるそうです。
抽象度を上げていく具体的な例をしては、
100人いたら自分の幸せより99人の幸せを考えていく・・・など。
競争社会で自分が勝ち残っていくための夢を実現する、
というような低次元での話ではないので、著者に対しては頭が下がります。

私がこの次元での夢が語れるようになるまでには、
まだまだ時間がかかりそうです。

「母子密着と育児障害」著:田中喜美子(講談社+α新書)

2010年12月18日 | 日記
育児障害。何だか恐ろしい響きです。

私自身、結婚5年目の30歳。
周りからも社会的にも子どもを産むことが
何となく期待されている状況ではあるけれど、
とりわけ今すぐ子どもがほしいわけではありません。
子どもと遊ぶのはとても好きなのですが、
子どもを産み育てる不自由さばかりが目についてしまい、
果ては自分の中には母性というものがないのでは、
と心配になることがよくあります。

どう考えても子ども同士や一人で遊べそうなのに、
親が危険から目を配るというレベルを超えて、
子どもからずっと離れない親。
○オンショッピングセンターに行くと、
子どものおねだりした物や食べ物を何でも買い与えている親。
そのような光景を目の当たりにすると、
こんなに自分の身体の自由と時間が奪われるなんて、
子育てって本当に恐ろしいんだなぁ、と思ってしまいます。

本書によると、日本の母親は、他国に比べて、
とにかく子どもに対しては過保護になり
極端な母子密着状態にある傾向があるそうです。
日本の母親は、「母の無償の愛」という神話のもとに、
スキンシップや添い寝の礼賛などの甘やかしの子育てが推進され、
またそのようなことが求められることが多いからです。
そのプレッシャーから、
子育てに疲れてしまい育児障害になる母親が多い現状が述べられています。

このような子育ては、
子どもは幼少のころに何でも自分の思い通りにいくことが
当たり前になってしまうため、
最近の小学生は自己中心的で、落ち着きのない子になってしまうとのこと。
(もちろん一概にはいえないと思いますが)

著者は、しつけの部分は毅然とした態度で接すること
(もちろん虐待はいけません!)。
親が子どもに合わせるのではなく、
子どもが大人の都合に合わせるこことを教える大切さを述べています。

それは一見すると冷たい子育てのような気がしますが、
母子密着の状況から抜け、子どもも分別をわきまえるようになり、
育児障害を避ける有効な手段になると思います。

また、育児障害になるのは忙しく働く母親かと思いきや、
専業主婦のほうが多いとのこと。
なぜなら、家事の負担が昔よりは軽減され、
専業主婦に求められている母親像が大きくなったからです。
時間や環境としても、母子密着になる条件は、
働く母親よりも大きくなってしまいます。

本書を読んでいて、専業主婦は経済的な面だけではなく、
精神的にもリスクが大きいことに気がつきました。
働く意欲のある人には働く機会を確保することが早急な課題であるとともに、
私自身、多少は嫌なことがあっても、仕事は続けないと、とあらためて思いました。

本書は世間で言われている“あるべき子育て論”とは
異なる主張が見られるため、
かなり賛否両論のある本ではあるとは思いますが、
私はおよそ著者の考え方に賛成です。

また「母親向きの女性は三割に足らず」という著者の言葉には、
かなり救われました。
この言葉に救われるのは私だけではないはずです。

子どもを育てることと働くことについて
深く考えさせられる1冊です。

「地域再生の罠 ~なぜ市民と地方は豊かになれないのか?~」著:久繁哲之介(ちくま新書)

2010年12月18日 | 日記
本書では、地域再生を図るための様々な取り組みが紹介されていました。

役所や団体主導の施策が、いかに市民を無視した、
そして的外れなものか思い知らされました。
的外れすぎて同時に笑えました。
地域再生には、市民主導による、市民の目線に立った背策が必要であることを
改めて実感しました。

「市民の目線」というと、何だかむずかしそうだけど、
単純にに市民の生活を中心として物事を考えるということ。
例えば、観光客のみが対象ではなく、
市民の食生活や住生活を中心に考えていけば分かりやすいかも。
地域再生の施策を打ちたてた役所や団体が、
若者のニーズを全く汲み取っていないという事実には、あきれるほど。

役所や団体の職員(私も含め)は、とりあえず街に出よう。
大切なのは、街に出て、人や街の様子をひたすら観察すること。
それが真の「地域再生」を理解する第一歩だと思いました。

「日本の雇用--ほんとうは何が問題なのか」 (講談社現代新書) 大久保幸夫

2010年12月15日 | 日記
日本の雇用の何が問題だったのか。

それはまず第一に、人に対する企業の姿勢にあると思います。
バルブ期には大量採用し、
不況になったら採用をしないという人事を行った結果、
バブル期に大量採用された世代に、後輩や部下がいないという状況が続きました。
その結果、マネジメント能力や管理職としてのスキルが身につけられない人が
たくさんいるそうです。
そのことは、組織としての能力を低下させる事態を招いている
ということがが述べられています。

何より、組織は人です。
「人を育てる」人事を視野に入れ、
景気によって、いたずらに人事制度を変えるべきではありません。

反対に、変えるべきこととして、
企業が正社員の雇用の形態を多様化することが挙げられています。
具体的には、長期雇用を守りながら、
勤務地や職種などの条件を付した雇用を広めていくことです。

なぜこのような必要があるのか。
それは、正社員の誰もが健康で仕事一筋、
独身もしくは奥さんが専業主婦で、子育てや親の介護は任せきり・・・
という時代は完全に終わったからです。
男も女も子育てや介護をしながら働ける雇用形態を、
社会や企業が真剣に考える時です。

また、保育所を拡充させ、
待機児童問題を早急に解消することも早急に考えるべき問題です。
夫が働き、妻は専業主婦、という形態は時代遅れなだけではなく、
非常にリスクを伴う時代になりました。
リスクに備えるためにも夫婦共に働くことは常に大切なことで
そのためにも保育所の問題は早急に解決すべき問題です。

また、雇用の問題に関しては、企業や社会に期待するばかりではなく、
個人の意識を変えることも重要だと述べられていました。
個人年金や貯金、家族や知人とのネットワーク、社会保障に関する知識、
どこでも通用する能力を身につけるための学習の習慣、
自分のキャリアを展望し、汎用性の高い技術を身につけること。
・・・どれも今の時代を生き抜くのには大切なことです。
私も、実行できることからして実行していこうと決めました。

ものごとには、変えてはいけないことと、変えてはいけないことがあるんだなぁ、
と感じた1冊です。