フラットのベッドは快適で、私は夢を見る暇もなく眠った。
途中、子供たちが寝返りをうって、ごろごろとぶつかるのは感じていたが、ぐっすり快眠でき、コンディションもバッチリ。
朝からはっきりした天気ではなかったが、子供たちは楽しそうであった。

いっくんはインスタントを食べるとお腹を壊すことが多い、と自分でも判っているくせに大好きである。

子供たちも大好きな淡路たまねぎのドレッシングなどをたっぷり買い込み、向かったのは「パルシェ 香りの館」である。
季節ごとに販売されているハーブや花々が違うため、どの季節に行っても楽しいのだ。
今回は、春と言うことでハーブも沢山出回っており、売店も大変楽しい。
おまけにハーブのソフトクリーム以外に、パフェが新商品で売られており伴侶と私は早速いただいた。
ハーブのシフォンケーキの上に、ハーブのソフトクリームがかかっており、とっても美味…。
こいちゃんといっくんも二人で仲良く食べていた。

何度も何度も滑って遊ぶ。



食べにくかったらしく、いっくんは中の淡路牛の部分をすっぽり落としてしまい、私も伴侶もがっかり。
だが、負け惜しみに「パンがおいしい!!」と褒めちぎるいっくん。
なかなか苦しい負け惜しみである。

看板も、案内表示も手作り感満載で、私たちは少々不安になったのだが、向かった先は、やはり手作り感満載のアスレチック場と言う感じである。
入り口の注意表示には「怪我は自己責任…」との説明も。
都会にありがちな、守られたアスレチックだと思ってかかると痛い目を見そうである。
気合が入る。

相当な労力を必要としているであろう、これらの遊具は、木に絡みつくように作られていたり、頑丈な板を組み合わせて作られていたり、と意外な規模の大きさに驚いた。
外から覗いただけでは想像がつかない。


「こうゆうことをさせることが、すべて子供の自信につながるんです」
と沢山の深いお話をしてくださった。

なんと、工具類がボックスに入れられ、何でも自由に工作を楽しむことが出来るのだ。
木材や、小さな貝、どんぐりなどを、グルーガンを使って接着したり、自由にのこぎりやかなづちを使って遊べるのだ。

普段禁止されるばかりの道具を「使っていいよ」とどっさり渡されて、逆に子供たちの方が慎重に作業をしているようであった。
初めは戸惑っていた子供たちだが、次第に目をキラキラさせながら、材料を選び何時間も夢中で作業をした。
本当に大切な子供の「意欲」を生かす森なのだと気づいた。

火が自由に熾せるようになっており、その子たちが傍にあった木を燃やし、マシュマロを焼き始めた。
黙っているこいちゃんではない。
早速参加して焼き始める。

ニコヤカに訪れる、知り合いと思われる方々は、ダンボールに木の切れ端を沢山入れた物を持ってきたり、材料をいれる籠を持ってきていたり、とお金を貰うでもなく、善意で運び込まれている様子である。
食べている子もいれば、工作から離れない子もいる。
古びた家屋の中では小さな子が眠っており、母親はゆったりと時間が過ぎるのを楽しんでいる。
まるで時代が違う。
私が小さかった頃、一人で庭を遊びながら道具を探して遊んでいたころを思い出した。
毎日「だめ」ばかり言っているのが、不思議なような気分になってしまう。
夕方になり雨が降り始め、仕方なく別れを告げ、岐路につく。

やはりいっくんはちょっと泣いていた。
また、絶対に行きたい、すばらしいところばかりであった。