台風一家

軽い「アイシテル」

私はこいちゃんといっくんが小さな小さな頃から頻繁に「大好きだよ」「愛してるよ」と言っていた。
反抗期でそんな言葉が言いたくない瞬間があっても仲直りした瞬間にはその言葉をあえて口にする。
わざわざ口にするのは、どんなことがあっても親は子供を嫌いにならないよ、と思っていることを忘れてほしくないからである。

最近ぐっと大人っぽくなってきたこいちゃん。
何だか親にはあまり言いたくない友達(?)も出来たようで、行き先だけ告げて出ていく。
イエレが来てからいっくんは外出を喜ぶが、こいちゃんは「その日は無理、友達(?)と出かけるから」と殆ど同行しなくなった。
けれど、それでもいいかなぁと思っている。
相手の話はしてくれないが、決まって嬉しそうに帰宅して「今日ボーリングでね、あのね…」と話してくれる。
今日は映画に行った、○○を見たなど、それだけで十分だと思っている。

そんなある日こいちゃんが私に言った「お母さんって、すぐに私に愛してるって言うよねえ。」
「あぁ!言うねぇ」いっくんが同調する。
「お母さんって、しょっちゅう愛してるって言うから、なんか軽いよね。お母さんのアイシテルは軽い!」
そう言ってこいちゃんは笑う。
いっくんもそれを聞いて、うんうん頷き、ヘラヘラと笑った。
そうだよ、真剣に目を見ながら年に1回とかの頻度で言われたらキモいでしょうが。
重たいとしんどいでしょうが。
そしてうっとおしいだろう。
「軽い〜」と思われているレベルで十分である。
それでも母は真剣にこいちゃんといっくんを愛している。
心から、真剣に、あなたたちがビックリするぐらいの重量で、愛している。
あなた達にはまだ理解出来ないほどの愛している、をサラっと伝えながら、常にあなた達の幸せを願っている。
まさか、私の軽い軽いアイシテルにそんな重たい母の願いが織り込まれているとは想像もしていないだろうなぁ…。
そして私は繰り返す、まるで「おはよう」みたいなアイシテルを。
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