台風一家

ハラヘリ寒がりのみつばちさん

最近本当に寒く、温かい日差しでぬくもった洗濯物にミツバチが避難していることが多くなった。
うっかりそのまま取り込んでしまうものだから、寝ぼけ眼のミツバチたちは一緒に取り込まれて、温かい居間に連れてこられ、慌てて覚醒し飛び回るという具合だ。
「刺される、刺されるー!!」とこいちゃんは大騒ぎ。
「たたこうか!」といっくんは蜂をじっと見つめる。

先日もまた1匹、洗濯物と一緒に取り込まれたミツバチが台所でぶんぶんと逃げ場を探していた。
暫くそのまま飛んでいたのだが、ふと、伴侶の為に作っておいたおにぎりにとまった。
そのおにぎりは、USJに行った時にいっくんが大変気に入った黄色のご飯で作った「サフランのおにぎり」であった。
しめしめ、、、と捕まえ、いっくんに外に出してもらうように渡したのだが、外に逃がしたにも関わらず、一瞬で室内に入ってきて必死にサフランおにぎりにしがみつくではないか。

サフランが上手にとけておらずムラになっていた、その黄色の部分にしがみつき舐めている。
よく見ていると、ストローのような口を一生懸命ラップに這わせているではないか。
お腹が空いているのか!その様子を見てかわいそうになり、砂糖水を用意して、飲ませてやった。
ペタペタと砂糖水を舐める様子にこいちゃんもいっくんもビックリ。

すると必死で皿の上の砂糖水を飲み、先ほどまでしょぼくれていたお尻の針もピンとしてきた。
こいちゃんもいっくんも、蜂を嫌がっていたはずなのにすっかり
「かわいー!!」とトリコに…。
しまいには「この子を飼う!」といい始めた。
無理無理。

暫く飲んでいたが、お腹いっぱいになったのか動きがなくなったので、そっと外に出し、霜よけの広告をかけておいた。

蝶や蜂などは黄色の物にとまると聞いたことがあった。
しかし私は不思議だった。
本や、広告、お皿など他にも沢山黄色の物があったのに、どうして一直線にサフランおにぎりに向かってきたのか。
暫く考えて「あ!!」と思った。
蝶などは同種の昆虫などに会うと、人間には見えない色で光っているように見えたりするらしい。
あんなに沢山の花の中から、蜂が花粉をめがけて飛んでいけるのも、独特な光が見えているからではないのだろうか?
サフランは、いわゆる花の花粉のついた部分にあたる。
そのため、数ある色の中で、サフランおにぎりだけが、蜂には光って見えたのではないだろうか。

この仮説を子供達に話すと
「蜂すごいー!!」と大変驚いた。
そのあとも虫の不思議に感心しっぱなしで蜂を眺めた。
はっきり本で調べた訳ではないので正確には判らないが、きっと子供達はこの疑問をいつか晴らしてくれるような気がする。
とにかく、それくらい3人で驚き、感動した出来事だった。

一晩眠った蜂は、翌朝もずっと皿の裏で寒さをしのいでいた。
昼ごろ、温かい日差しが差すころにはどこかに飛んでいったのかいなくなっていた。
その日から洗濯物に蜂がついて入ってしまうたびに「おまえさんはあの時の蜂かね?」と思ってしまう。
けど、暖を取るのはどこか別の場所を探して欲しい…そう願うのであった。
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