親戚と一緒にビックバンに行こう!と言っていたら向こうの家族が熱を出してしまった。
リベンジを約束して日延べにしたのはいいが、子供達がどうにも収まらないので、趣旨替えして京都に行くことになった。
あいにく伴侶は仕事なので、こいちゃんいっくん私の3人で車に乗り込み、一路嵐山に。
最近「自然!!川や山や海~!!」(手当たり次第?)に凝っているいっくんは自分でレジャーシートや観察キットをリュックに詰め込み、十徳ナイフなども用意して行く気満々。
ペットボトルを危うい手つきでハサミで切り(怖いのであえて見ないことにしている)、これもリュックに入れる。
こいちゃんはギリギリまでダラダラして、お弁当だけは何とか自分で材料を詰めた。
いっくんの受け売りで自分もペットボトルを切って用意。
嵐山に着いた時には少し落ち着いた天気になっていた。
渡月橋に着くと、二人は大喜びで川に降りていける場所を探す。
結局対岸に渡って生き物を探すことに。
いっくんは進研ゼミの観察キットを意外と大切にしていて、1年生のころからの付録なども何個も持ってきていた。
こいちゃんもいっくんの観察キットを奪い、葉っぱについていた何かの卵を観察。
いっくんは『何だか納得できない』表情ながらも、カメラで写真も撮ったりしながら忙しい。
対岸に着くと、さっそく自分達で用意したゲンゴロウ捕獲用ペットボトルの中に水を入れ、餌をふやかす。
ペットボトルの上部を切り、反対に向けて突っ込むと、一旦入ると出ることの出来ない罠になるらしいのだ。
それを水中にセットして、ようやく二人は上がってきた。
詰めただけでも、自分達で用意したお弁当は美味しいらしい。
景色が最高のスパイスか、夢中で食べた。
近くでは解禁になったあゆ釣りを楽しむ人々がいて、とっても風情バツグン!
私もゆっくりとお弁当を食べていたが、子供達はペットボトルに獲物がいるか気になって仕方ないらしく、そうそうに川に降りてしまった。
稚魚やヤゴの抜け殻は見つかるものの、捕まえるとなると難しいらしい。
何もいないなら切り上げようと声をかけていたら、傍で遊んでいた親子が小さな網かごで捕まえた魚を1匹づつくれた。
2人とも大喜びで、観察したのちリリースしたが、結構満足したようである。
落ち着いてレジャーシートで食べ残しのお弁当を食べていた子供達の脇で、岩場を登れず困っていたご老人を発見。
いっくんがその人の大きなカメラを持ってあげたり、手を引いてあげたりして助けたところ、「お礼に・・・」と皆に写真をくださった。
こいちゃんはメジロ、いっくんはカブトムシ、私は青いバラ、とそれぞれ大変綺麗で驚いたが、そのご老人が撮られた物らしい。
ご老人は「いいことをすれば神さんは見てるからな。これからも頑張ってね」と優しい言葉を二人に残して立ち去って行った。
うーん、渋い!やっぱり年配の方の言葉は心に沁みる・・・
皆で大変感動してしばらく写真を眺めた後、荷物をリュックに詰め込み、今度は山に向けて歩き出すことにした。
小さな橋に差し掛かると、妙に堂々としたたたずまいの鳥が一匹、人並みからあまり遠くない位置でじっとしているではないか。
それだけでも十分気になるのだが、小さな子供が魚を手に持ち鳥にあげているのが見えた。
驚いて橋の方に行くと、橋の中腹で魚を釣っている男性が、寄ってくる子供に魚をあげているのだ。
いっくんも持前の図々しさで
「僕もやりたいです!」と言いに行くと「バケツに入っているからあげていいよ」と言ってくださった。
いっくんは大喜びで小魚を握り鳥の方へ。
いっくんの投げた魚を、その鳥が食べてくれていっくんは大喜び。
魚釣りがしたい男性と、餌をやりたい子供達と、魚を食べたい鳥の利害が一致した見事な催し(?)である。
数歩歩くと、またもや親切そうな男性(何かのボランティアかな?)が「オオサンショウウオがいるよ」と教えてくれて、ここでも人だかりができていた。
写真を撮っている人も沢山いて、体調1メートル以上はあろう貴重な生き物の迫力に、こいちゃんも「天然記念物かぁ!」と目を輝かせた。
これまた数メートル歩いたところで明らかに迷子の匂いを漂わせる私達にガードマンさんが声をかけてくれて「近くにモンキーパークがあるから行ってみたら?」と教えてくれた。
地図を見たらすぐ近く!と思ったのだが、迷った・・・・
結局、山へ登りたいいっくんに導かれ、法輪寺なるお寺に到着。
たたずまいのどっしりした、静かなお寺。
外人さんもちらほら。
青いもみじもとても綺麗である。
100段以上ある階段を数を数えながら登る子供達。
途中には、いっくんが喜ぶ虫やコケなど虫眼鏡観察キットを活用できる機会があり嬉しそうに立ち止まって観察していた。
これで山は完了かな?
汗だくになって頂上に着くと、京都の町を見下ろせる、絶景である。
水分補給しながら休憩。
川と山に満足したら、やっとこいちゃんの行きたいと言ったモンキーパークに向かう事になった。
人に聞きながら何とか到着したが、後から見てみると本当にとっても近かった。
どうして迷ったのか、我ながら不思議!
入場料を受付で払うと、サルに関する注意書きの用紙を貰う。
目を合わせない、体に触らない、餌をやらない、などを子供達に読み聞かせ山を登る事30分。
クタクタになりながら「頂上はまだかな~」と子供達が文句を言い始めた頃、突然「ぎゃー!!!!」とサルらしき叫び声が。
一気に緊張する私達3人がきょろきょろしていると上方から大きなサルがこっちをめがけて走ってくるではないか。
私が「目をあわせちゃだめよ!!」と、冷や汗を流しつつ鋭く言うが早く、子供達はまるで彫刻にでもなったかのように空を見上げて固まった。
その横を大きなサルが「どすどす」と足音をたてて疾風のように駆け抜けていく。
ほっとするまもなく、追いかけていたサルがまたもや私たちの間を縫うように突っ込んで来た。
再びフリーズする3人を全く無視して彼らは山へ消えた。
「こここここ、怖かった~!!」3人でくっつきながら歩を進め、ようやく頂上についたが、道に寝そべっているサルもいて、小屋に入るまで緊張しっぱなしであった。
激しい喧嘩とは無縁のような顔をして、サルたちは思い思いの時間を楽しんでいる。
中でも目立ったのはやはり生まれたばかりの赤ちゃんざる。
ママは結構放任主義らしく、一人で遊んでいる事が多いが、それでも母親とはすごいもので目の端でじっと子供を見ているのだ。
小屋の中からは餌をあげることが出来るようになっている。
1袋100円で、サツマイモやバナナ、ピーナッツなど。
小屋の中には小さな売店もあり、ポテチなどを買って一息入れる。
先ほどの小さな赤ちゃんも、餌を食べたいお母さんに連れられてやってくるが、結構ここは競争の激しい危ない場所。
しばしば餌の取り合いで激しい喧嘩が起こるので、その度に子供達は怯えるが、金網のおかげで安全に餌やりが出来る。
腕を激しく噛み切られて皮膚をぶら下げたままのサルなど壮絶な物もいて、怖かった・・・。
楽しくて仕方ない子供達は餌をお代わりしつつ何度も餌やりを楽しんだ。
すぐなくなってしまう餌を、小さく十徳ナイフで切りながら。
乱暴な叫び声で喧嘩をするくせに、餌を貰うサルの手はとっても優しく、ひっかいたりすることもない。
しかし、こいちゃんがバナナの実ではなく、皮を差し出したときはちょっとだけぶっきらぼうに払いのけられていた・・・・。
こいちゃんもケチだけど、それを判って払落すサルも見事・・・。
「だれかエサくれよ~・・・・・」な、ダルそーなサル。
待っても待っても誰も来ないときはこんな風になるのか。
小屋の中に飾られた写真には可愛いものや面白いものが。
思わず写真で撮ってしまった可愛い子ザルの写真。
く、、、口が木に~!
先ほどのお寺よりも高い、スゴイ絶景。
晴れていたらもっとすごかったのだろう。
お母さんに見守られながら遊び続けているあの子ザル。
人間と一緒に見える。
さらに一番上の展望の役割を果たすと言う小さなスペースに上がってみると小屋の屋根が見えた。
上にはぽつんとサルが。
哀愁を感じる。
遊ぶスペースもあり、ここでも子供達は帰りたくない様子で遊んでいた。
やがて、係りの人が閉館を告げにやってきたので降りることになったが、本当に楽しかったようである。
伴侶へのお土産を買ったり、オルゴールを見たりして、また渡月橋を渡って帰って行った。
帰りの車に乗り込むと結構激しい雨が降り出した。
次は皆で行けるといいねといいながら楽しかった一日を車の中で反芻した。
翌日、起きるとすぐに「今日も京都に行こう!」と子供達が言うほど京都の思い出になったようである。