さて、子供達が一通りのアトラクションをほぼ制覇して落ち着いてきたところで食事をとり、「いつか来た道」に入ることに。
ここは昭和の街を再現したスポットとしてこの施設でもメインになる。
この施設の中で、私が一番お気に入りの場所である。
門をくぐるとまず目に飛び込んで来るのが、農耕具や昔の居間を再現した部屋など。
家が新築される小学校3年生までの間に見たことがある、古いテレビや黒い電話。
殺風景ながらもレトロな感じがたまらない。
小学校の風景に、おじいちゃんもしみじみ?
木造で作られた校舎。
ゆったりと教室内を見て回る。
廊下の端にはちゃっかり立たされボーイが。
その顔が情けなくって、やんちゃそうで・・・いっくんがからかわれたことは言うまでもない。
うつっているのはお婆ちゃんと、マネキン人形だけ。
本当に人が少なくてゆったりアングルなんか確かめながら撮影出来ちゃって。
子供だった私が、あの時代のこの町を歩いたことはないはずだけど、何となく懐かしい気分になるから不思議である。
ガードしたから覗く居酒屋や交番など、何とも言えない光景。
他にも、昭和のレコードや映画など懐かしい品々が並ぶ記念館や、昔の電話ばかりを集めた記念館などが立ち並ぶ。
途中にあるお茶屋さんで甘酒を頼んでひと休み。
温かい甘酒にほっこり。
心身共に懐かしい気持ちに包まれる。
その間、こいちゃんもいっくんも駄菓子屋さんにて物欲にまみれる。
けむりカードや、駄菓子に夢中で群がる子供達を見ていると、まぁ、結局子供には懐かしさなんてあまりわからないから、目の前の事が大切なんだよね・・・と実感。
イルミネーションの点灯まではまだ時間がある。
辺りはかなり肌寒くなってきたが、まだ消化してなかったパターゴルフに向かう事に。
ここでも子供達は全く寒さを感じないようで、玉を片手に様々なコースを楽しむ。
だんだん人が増えてきていて、活気が出てきた。
几帳面な性格のこいちゃんは記録を忠実に行うために、ずるは一切なし。
真面目にパターを振り、着実に実力をあげて行く。
そのため、その一打一打に一喜一憂し、本当に嬉しそうにコースを回る。
見守るおばあちゃんおじいちゃんも満面の笑顔である。
対するいっくんは、適当にパターを振り、記録が気に入らなければやり直し、位置がいまいちだとコッソリ移動する。
おかげで上達はしない。やりたいようにやる。
遊びひとつとっても二人の性格の違いが顕著に表れる物である。
辺りはいよいよ暗くなり、イルミネーションの点灯が始まるころ、ようやく二人のゴルフも終了。
名残惜しいこいちゃんといっくんは「ボールが回収されます」と書かれた最後の砦に、なかなかボールを打ち込もうとしない。
結局、何度も穴の直前でボールを引き留めて打ち直していたがイルミネーション点灯のアナウンスが流れ始めると、いっくんが観念したようにボールを回収穴に投げ込んでこう言った。
「ハッピーエンドっ!」
終わりよければすべてよし?
暗くなり始めた園内を、皆で意気揚々とイルミネーションゾーンに向かったのであった。