台風一家

男衆、漁に出る

男衆はこぞって海に出た。
父を筆頭に、なかなか釣りの旨い伴侶に、餌も触れないヘタレの弟の3人で、「ぐち」と言う魚を狙って。
父の船で帰ってきた3人は、幾分疲れた様子である。

迎えに出たこいちゃんといっくんは嬉しそうに伴侶に飛びついた。
「男」の一員であることを誇りに思っているいっくんはすぐに船のロープを引っ張るなどのお手伝い(足手まとい?)にとりかかる。

対するヘタレの弟はこいちゃんの相手をしながら「虫が気持ち悪かった~、もう嫌じゃ~」と弱音を吐く。

ビニール袋に入れられた魚は、結局全部で7匹。
「一人50~60匹は釣る」と言う壮大なノルマを胸に港を離れたにもかかわらず、遠く及ばず…。
ちなみに、ヘタレの弟は0匹であったらしいのだが…。

帰ってきた魚を洗って調理。
今回はこいちゃんも調理に参加し、おっかなびっくりで手を出す。
気持ち悪さから、何度も魚を洗ってしまおうとするこいちゃんにおじいちゃんも困り顔である。

そうこうしているうちにすばらしい夕日の時間である。
みんなしばし、手を止めて夕日の品評会。
この景色を望めることに、感謝、感謝で日が沈むのである。
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