つくづく犬は群れの生き物だと思う。
つねに私達と離れたくない様子で、夜になると特にぴったりと張り付いて離れない。
お風呂上りは、もはや先導するような勢いで二階に上がり、同じ布団に入りたがるのだ。
つねに私達と離れたくない様子で、夜になると特にぴったりと張り付いて離れない。
お風呂上りは、もはや先導するような勢いで二階に上がり、同じ布団に入りたがるのだ。
この日も意気揚々と二階に上がってきたさくらちゃん。
この部屋には私のベッドがあり、こいちゃんが勉強する机が置かれている。
べったりと布団の中にさくらちゃんを引き込んで眠るこいちゃんに比べて、私は少しの物音で起きてしまうため、さくらちゃんと同じ布団で眠ると寝不足になる私のベッドに入ることは禁止している。
…のだが…。
私がいない間に、ベッドの上に上がることをうっかりこいちゃんが許可してしまったらしい。
気が付いたら上がっていたから放置した、と言うのだが…それは結果的に許可したことになるのだよこいちゃん。
この日二階に上がってきたさくらちゃんはもの欲しそうにベッドの上を眺め始めた。
困ったように、申し訳なさそうにこいちゃんが「ごめんね」と勝手にさくらちゃんをあげてしまったことを謝りつつ苦笑いした。
本当にやめてほしい。
そんなことをしたら毎晩おねだりしに来てしまうではないか!
私に「だめだよ」と声をかけられ戸惑うさくらちゃん。
犬って単純なので、一度OKしてしまうとずっとOKだと思うに決まっている。
これが可哀想で嫌なのに…。
しばらくして上がってきたこいちゃんに寄っていき、
「上がりたいんですけど…」
と、今度はこいちゃんに交渉を始めた。
「ごめんね、さくらちゃんダメなんだよ…」
こいちゃんに言われてびっくりなさくらちゃん。
昨日まで許してくれていたお姉ちゃんがなぜかダメと言う。
伝え方が悪くて、わかってくれてないのかな?
とでも思ったか、一生懸命こいちゃんに「ベッドにあがりたいんですけど」とアピール。
これが可哀想だからこの部屋に入っても絶対上げないでとお願いしていたのに…。
結局何度も説得して最後はしょんぼりと受け入れてくれたが、可哀想で心が揺らいだ。
わんこはとっても素直な生き物なのでしつけは一貫した内容でしてあげないと本当に可哀想!
私だって一緒に寝たいけど、それが原因でメニエルが再発したらどうしようもない…。
すごすごとこいちゃんの布団に入るのを眺めながら、こいちゃんが大学に行ってしまったらどうしよう、と心配になる。
伴侶やこいちゃんのように何があっても寝られる体質だったらいいのにな…。
もう、いっそのこと寝不足覚悟でベッドOKにしてしまおうか…。
寂し気なさくらちゃんを見ながら毎晩心は揺れてしまうのだ。