録画人間の末路 -

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講談社より「ゴジラ&東宝特撮OFFCIAL MOOK」シリーズ発売開始

2023-03-29 13:29:05 | 特撮・モンスター映画
以前はDVDマガジンを発行し、海外版の「怪獣王ゴジラ」や「Godzilla2000」の初DVD化を果たして発行してくれた講談社が、今度は特撮作品そのものを紹介するMOOKシリーズ、「ゴジラ&東宝特撮OFFCIAL MOOK」を発売開始しましたので、さっそく購入しました。今後は全40巻の予定で各種特撮ものを取り上げる予定の用で、すでに公式サイトにて予定表が掲載されています。ただ、40巻という作品数からすると少ない刊行数にもかかわらず、珍しくテレビの東宝特撮ものを、わたしが見る限り「メガロマン」以外はほぼ取り上げているのでかなり詰め込んで作られる印象です。特に「ゴジラの逆襲」「ゴジラ(1984)」の二本をカップリングで一冊発行とか大いに気に入りません。他のカップリング刊行が登場怪獣だとか基本ストーリーだとかに共通点があるのに対しこの2本は強いて言えば「ゴジラ」第一作の直接の続編であるくらい。資料的価値からしても、刊行数を増やしてでも単独発行すべき二本だったかと思うのです。DVDマガジンの時の講談社らしくない。外注先が違うのかも知れません。
あとは「透明人間」や「モスラ」三部作、「さよならジュピター」「日本誕生」「ヤマトタケル」あたりが入っていないことと、災害パニックものが「日本沈没」くらいなこと、新し目のやつがないことくらいですかね。まぁほかのいろいろ面倒くさそうなやつと合わせて少ない刊行数で済ませるとなるとこれらがカットなのは仕方ないのかも知れません。


わたしは以前「ゴジラ(1954)考察 山根博士最後の登場シーンの意味」という記事を書いたことがあり、それ以降ひそかな夢としてこの記事の中身がパクられて傍流の意見としてどこかの書籍の端っこに書かれるのを目撃したい、というのがあるのですが、もちろんそういう異なる意見は本誌では無し。当たり前ですけどね(笑)。ただ、ちょっとだけニヤリとしたのが紙面冒頭に入る切通理作氏の文章の中に
「本作最後のセリフは「敬礼」「直れ」であり」
とある部分です。この方、以前は「東京人」と言う雑誌で
「あの映画で最後のセリフを言ったのは ~(中略)~海上保安庁巡視船「こうず」乗組員による「敬礼!」という掛け声である 」
と書いており、わたしもこの文章を非難したことがあります。多分他の方からも指摘され、今回はその反省もあって「直れ」を入れたかったんでしょうね。ただ、映画の演出として「直れ」を入れた意味を考えてはいなかったようなのが残念です。
全体的に中身はそれほど厚いわけではなく、むしろ薄い部類に入るのでそれほど目新しい資料や写真はありません。むしろゴジラ以前の東宝や円谷英二特技監督の記事が個人的には興味深いものでした。ただ、記事自体はかなりマニアな方が書いていると思われます。ゴジラ東京上陸の後、海へ戻っていこうとする時に戦闘機によるロケット弾攻撃が開始されるシーンがあるのですが、これ、一発も当たってないんです。作る側からすれば理由はいろいろあるんでしょうが、MOOK中の写真に添えられた説明文に「空対空ロケット弾の精度では、攻撃がゴジラに命中しない」とあるのです。おお、そうだったのか。攻撃に使われたF-86の性能もあるでしょうがロケット弾が空対地用を使えなかったのが原因だったのですね。だから海に出るまで戦闘機は戦闘に参加できなかったのか、てっきり出動が遅れて最後にやっと登場できただけだと思っていたのですが、市街地で撃っていたら流れ弾で被害が広がるばかりなので海へ出るのを待っていた、が正解なようですね。この一文は目からうろこでスッキリした。今後の常識にしよう。

続巻も継続して買う予定ですが、もっと気になるのはディアゴスティーニの「東宝怪獣コレクション」の方。全部同じ縮尺でフィギュア化されるというアレ。楽しみにしてるんですが、いまだ一部地域の先行版が出ただけで全国発売の告知なし。ディアゴスティーニのページもいつの間にかなくなっているようだし、てっきり全国発売に向けたリニューアルのための一時削除かと思っていたら、もしかして全国発売中止・休刊・・・なんてことになってないでしょうね。「西遊記」とかもいいけど怪獣出してください。
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4 コメント

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Unknown (krmmk3)
2023-04-09 23:49:18
>913dさん
SF小説が原作だとどんな作品でも映画はダイジェストみたいな内容になるのは仕方ないと思ってます。橋本監督も助監督歴はそれなりにある人なんですが、東宝の社員のままの立場でメガホンをとったので、あまり強権はふるえなかったのがパッとしない一因かと。
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Unknown (913d)
2023-04-08 21:34:46
「さよならジュピター」は先日U-NEXTのお試しキャンペーン中に久々に見ました。あれっ、こんな作品だったっけ思ってしましました。どうしても小説の圧倒的な情報量に比べると中味が薄いなと感じてしまいました。初見の時は小説を読む前だったのでそうは感じなかったんですが。あの内容を2時間強に詰め込むのは本作がデビューの新人監督には荷が重かったという感じがしました。今の知見とSFXでリメイクしたらどうなるのか見てみたい作品です。やるならできれば前後編くらいのボリュームでじっくり描いてほしいです。
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Unknown (krmmk3)
2023-04-08 17:29:31
>913dさん
わたしは「さよならジュピター」好きなんですけどねぇ。特撮の空気が他の東宝ものと一味違って。腕が飛んだことばかり言われますけど、全体を見れば今でも新鮮な映像が見られますし。
「ダイヤモンド・アイ」だけだと紙面が埋まらないからとか・・・それならなお「メガロマン」とカップリングでいいじゃんと思います。超星神シリーズはわたしも当時非常に楽しんだし、これは嬉しいです。
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Unknown (913d)
2023-04-06 22:17:26
今回は総選挙の結果なんで「さよならジュピター」は結構酷評の多い作品なので低投票率だったのかなと。収録作品・刊行順をアンケートで決定という触れ込みだったんで「ゴジラの逆襲」と「ゴジラ(1984)」は偶然同率だったのかもしれません。新しめの作品はそもそもノミネートされていないようなので選出されなくてもやむなしかと。その一方でノミネートされていない「クレクレタコラ」が「ダイヤモンド・アイ」とのカップリングで何故か入選しているのが謎です。
個人的には超星神シリーズ3部作がすべて当選しているのはツボです。「さよならジュピター」のメカも見れますし(笑)。
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