先日、JASRACの音楽教室での練習やお手本の演奏を"公衆の前での演奏"とみなして著作権料を徴収するということで裁判となった問題、JASRACはその裁判の結果を見る前に徴収を始められる権利を、音楽教室側"音楽教育を守る会"は少なくとも裁判が決まるまで徴収は保留にできることをそれぞれ文化庁に訴え出ていた話を書きました。印象した記事ではJASRAC側を支持することで「双方に害はない」と文化庁はみなし、通りそうだ・・・とありましたが、案の定、その記事の推察通り、文化庁はJASRACを支持しました。
音楽教室からの徴収、JASRACに認める答申 文化審
唯一事前記事を出していた朝日新聞からの引用です。正式な指導や裁定は今月末とのことですが、答申自体は正式なものですから、JASRACの徴収権は認められ、かつそれを拒否したとしてても裁判でJASRAC側が勝てばさかのぼって徴収することもできる、ということになります。一方、音楽教室側への配慮は「確定判決が出るまで督促を行わないようJASRACに求めた」とありますが
音楽教室「大変残念」「不正義許さないように」JASRACの徴収容認答申を受け声明
こちらは弁護士ドットコムの記事になりますがこれによると"司法判断が確定するまでは使用料を請求したり、督促をしないように「期待する」としている"とし、音楽教室側の拒否権に対しお墨付きは与えていません。少なくともわたしの視点からは「両者に一定の配慮をした」答申には見えません。もし音楽教室側にも配慮があるなら「裁判の結果次第で事前に徴収した著作権料の変換を要求できる」権利を音楽教室側に与えてもいいはずです。それがどの記事にも書かれていないということは出来ない、少なくとも文化庁はその件には触れなかったということでしょう。ほぼ全面的にJASRAC側の主張を認め、音楽教室ではなく裁判中であることを一応考慮に入れた、程度の答申になってしまっているようです。
なお、わたしは念のため言っておきますが、こうした著作権側が権利と金銭を要求すること、それ自体は完全な悪だとは思っていません。ある意味当然のことだと思っています。あくまでわたしが非難・否定するのは今回のような、二重三重の支払いを要求するような、程度を超えたとしか思えない制度を導入することです。商売だって利用者の得を無視した一方的な値上げやサービスの低下を企業が行う場合だってあるのですから。ただ、企業がそうした目に見えたサービス低下を行った場合、消費者はそれを拒否し、他社サービスに乗り返るなどその企業を見捨てるという代換行為を取ることが出来ます。それによって無茶なサービス低下を行った企業が利益を損なうことになってもそれは自業自得です。そうした社会的行動によって悪質なサービス低下は自然と阻止されます。一方、著作権業界のような徴収による収入は、一方的かつ事実上独占的な搾取になるので自然淘汰が起こりません。だからこそやりすぎか否か、判断する存在が必要なのです。その役目を担うのが文化庁ですが、わたしの見る限りわたしら一般人より"やり過ぎ"の基準が恐ろしく低い、かつてのSARVHの無制限拡大要求のようなストッパーがかかっていないものでない限り、ほぼ著作権業界の言いなりに許可を出しているようにしか見えないのです。
世間的に言えばこの話の悪しき立場はJASRACでしょう。ですが、わたしとしてはJASRACのような著作権管理団体が「要求はとりあえず出す」のは分からなくもないのです。最近はあまりにそれが酷くなってきていると呆れはしますが。その酷い要求をあっさり通してかつ裁判中にも拘わらず全面支持とお墨付きを簡単に与えてしまう文化庁こそ、こうした問題の悪しき存在とわたしは思っています。文化庁の東京から京都への移転は早くやってほしいです。少なくともほとんどが東京に集中している著作権管理団体の大物のロビー活動はやりにくくなるでしょうから。
音楽教室からの徴収、JASRACに認める答申 文化審
唯一事前記事を出していた朝日新聞からの引用です。正式な指導や裁定は今月末とのことですが、答申自体は正式なものですから、JASRACの徴収権は認められ、かつそれを拒否したとしてても裁判でJASRAC側が勝てばさかのぼって徴収することもできる、ということになります。一方、音楽教室側への配慮は「確定判決が出るまで督促を行わないようJASRACに求めた」とありますが
音楽教室「大変残念」「不正義許さないように」JASRACの徴収容認答申を受け声明
こちらは弁護士ドットコムの記事になりますがこれによると"司法判断が確定するまでは使用料を請求したり、督促をしないように「期待する」としている"とし、音楽教室側の拒否権に対しお墨付きは与えていません。少なくともわたしの視点からは「両者に一定の配慮をした」答申には見えません。もし音楽教室側にも配慮があるなら「裁判の結果次第で事前に徴収した著作権料の変換を要求できる」権利を音楽教室側に与えてもいいはずです。それがどの記事にも書かれていないということは出来ない、少なくとも文化庁はその件には触れなかったということでしょう。ほぼ全面的にJASRAC側の主張を認め、音楽教室ではなく裁判中であることを一応考慮に入れた、程度の答申になってしまっているようです。
なお、わたしは念のため言っておきますが、こうした著作権側が権利と金銭を要求すること、それ自体は完全な悪だとは思っていません。ある意味当然のことだと思っています。あくまでわたしが非難・否定するのは今回のような、二重三重の支払いを要求するような、程度を超えたとしか思えない制度を導入することです。商売だって利用者の得を無視した一方的な値上げやサービスの低下を企業が行う場合だってあるのですから。ただ、企業がそうした目に見えたサービス低下を行った場合、消費者はそれを拒否し、他社サービスに乗り返るなどその企業を見捨てるという代換行為を取ることが出来ます。それによって無茶なサービス低下を行った企業が利益を損なうことになってもそれは自業自得です。そうした社会的行動によって悪質なサービス低下は自然と阻止されます。一方、著作権業界のような徴収による収入は、一方的かつ事実上独占的な搾取になるので自然淘汰が起こりません。だからこそやりすぎか否か、判断する存在が必要なのです。その役目を担うのが文化庁ですが、わたしの見る限りわたしら一般人より"やり過ぎ"の基準が恐ろしく低い、かつてのSARVHの無制限拡大要求のようなストッパーがかかっていないものでない限り、ほぼ著作権業界の言いなりに許可を出しているようにしか見えないのです。
世間的に言えばこの話の悪しき立場はJASRACでしょう。ですが、わたしとしてはJASRACのような著作権管理団体が「要求はとりあえず出す」のは分からなくもないのです。最近はあまりにそれが酷くなってきていると呆れはしますが。その酷い要求をあっさり通してかつ裁判中にも拘わらず全面支持とお墨付きを簡単に与えてしまう文化庁こそ、こうした問題の悪しき存在とわたしは思っています。文化庁の東京から京都への移転は早くやってほしいです。少なくともほとんどが東京に集中している著作権管理団体の大物のロビー活動はやりにくくなるでしょうから。
アーティストが演奏する楽器は音楽教室等で学ぶわけで今回の件は畑から土を減らすような愚かな行為に思えます。
むしろ音楽教室を支援するくらいの勢いでも良いのになぜ目先の利益だけを追いかけるのか不思議です。
だって音楽教室になんて天下りしませんもの。
どちらが文化庁に取って大事な存在かは一目瞭然かと。
意外と広く浅くでやってると思います。儲かって儲かって・・・ってほどじゃないでしょうけどね。それゆえに大人が趣味のために習う場合も多いらしいんですよ。JASRACがそこからお金を取ろうとする理由の一つだそうです。
>熊奴さん
教室そのものはないでしょうけど、その親会社のYAMAHAのような大手企業なら十分天下り先になりそうな気がします。教室は独立性が強くてあまり上の言うこと聞かないのかも。
だからそこ派遣社員の少ない給料からでも気に入った楽曲、映像作品の円盤などは購入するのです。
ですが、JASRACの「著作権者の権利を守る代弁者、正義の味方」という性善説が非常に怪しいというか、私はむしろ限りなく黒に近いグレーだと思っています。
あるミュージシャンが自分の経営してるお店か何かで、自分の曲を放送したか演奏したかでJASRACから請求されたけど、自分はビタ一文頂いたことがありませんよ・・・なんて話もありませんでしたっけ?
著作権者に正しく対価が分配されるならまだ話はわかりますが、音楽業界のパワーバランスもおかしなことになっていて、JASRACの対価支払いのシステムも全く精査されずに「力のあるところ」だけに集中してるような気がしてます。
「音楽教室に支援するくらい」というコメントもありますが、まさに仰る通りですね。
私が若い頃は街中に流れる音楽、店で聞いた楽曲、これらが宣伝効果となり「あっ、この曲いいな。買おう」と思ったものです。
ネットで、Youtubeで落としてきたmp3などの不可逆圧縮音源で満足してる人は、昔でいう劣化の激しいコピーテープで十分な人なので、そういう層は昔からそんなに楽曲を購入しなかったはずです。
「CDの売上がぁー」と業界人は言いますが、昔と違って多種多様な娯楽が生まれたせいで、顧客が分散したのが主な要因だと考えています。
JASRACは「収益事業や共益事業を行うことができる非営利法人」。収益を考えてもいいけど”非営利法人”らしい働きをしてもらいたいですね。
それこそ業界の未来を担うような働き、音楽教育への投資とか、著作権料の正しい徴収・分配システムや方法を開発するとか。
わかりやすくお金が取れそうなところから恥も外聞もなく徴収して回るさまは見ていて呆れるというか、もはや「軽蔑」に値します。
申し訳ないけどJASRACで働いてる人とはお近づきになりたくないですね(あくまで乱暴な私見です)。
JASRACの場合、なぜか何かやるたびに「ただ金をとりたいだけ、それも不透明な分配で」を前提にやっているようにしか見えないですからねぇ。音楽使用ごとの徴収でなく、一括で納める方式を取り入れたのも今までは「JASRAC以外の著作権管理団体の曲を使わせないため」と言われてきましたが、それに加えて「曲利用の実態の把握をしないことで都合のいい分配にするため」なのかも。
本来は非営利団体なんですよね。あくまで権利者のためのもので。映像もそうですけど、結局権利者ってのは一つ物を認められると暴走しやすいタチなんですかねぇ。
JASRACといえば小林亜星を忘れないでくだしあ
小林亜星さん、私は好きだったなw
記事読みました。「記念樹事件」てあったんですね。知りませんでした。
そう言えば、某巨匠漫画家が某有名シンガーソングライターの作詞に盗用が疑いがあり、謝罪されたと発言した問題がありましたね。
たしかに良いセリフだけど、「盗用だ」と主張するほどのモノでもないと思った記憶が。
私も50年近く生きてきて「うん、そう思う」レベルの「事実」を書いた文章まで「盗用」云々を気にしなければいけないなんて、随分と住み難い世の中になったなぁ〜と・・・。
ありましたねぇ、記念樹事件。似てると言えば似てるかな? 程度でしたけど、玄人にしか分からないところは大いにあったのかも。
>ドラピーさん
あれは言いがかりでしょう。そもそも有名作の外伝の方で使ったセリフですから。ただ、知って使ったか知らずに使ったかまでは傍からはわかりませんから、の証明は難しいので、とりあえず訴えておいた、の感はありました。