先日急に動かなくなったCore i7 12700搭載PC。原因は突如発生したメモリの非認識。相性が急に出たのか、メモリコントローラーが弱ったのか不明ですが、現在は当初使っていたものと他メーカー製で余っていた2666メモリに差し替えることで安定して動いています。しかし、メモリが原因であることを突き止めるまではいろいろ弄ったわけです。とりあえずBIOSだけでも立ち上がらないかと拡張ボードやストレージを外してみたり、CPUを付けなおしてみたり・・・。そのCPUの付けなおしがまずかった。使っていたCPUクーラーは12700に付属しているリテール品なんです。付属クーラーも性能のうち、とわたしは考えているのでなるべくCPUクーラー付属のCPU(ないしAPU)を選び、そのまま使うことが多いのがわたしのやり方です。今回そのリテールクーラーを付けなおそうとしたところ、非常に硬くてなかなかつかない・・・と一苦労。なんとか付けなおすことに成功したのですが、冷却能力が著しく低下しており、最初付けた時には暖房の効いた部屋で65W動作させた際には動画エンコード時Core Temp計測で70度前後で推移していたのが、再装着時には80度強まで一気に上がってしまいました。CPUの速度が同程度だったので全く冷却していないわけではないのですが、何かマザーかCPUにヒートスプレッダに余計な負荷がかかって接着が悪くなってしまったと思われます。そうでなくても歪み疑惑ありますしね・・・。このまま使い続けるのは危険だ、と考えてCPUクーラーを別売り品に交換することを決意。やり方には反しますが仕方ありません、安心して使えることが第一です。
今12700を使っているのはMicroATXの横置きケースということもあり、タワーケースで見るところの幅がないのでサイドフローのCPUクーラーは使えません。あと個人的好みでサイドフローよりトップフローの方が好きだということもあって、今回選んだのはIS-40X-V2という小型CPUクーラー。すでにあるIS-40XにLGA1700用のリテンションキットを付属させたものです。オプションなしでLGA1700対応を謡う中では安かったもので(^^;)
作りはシンプルでバックパネルもありません。が、ねじ止めは裏側から行うので後でCPUだけを交換するためにクーラーを外したいときはマザーボードをケースから外して作業しなくてはならないのでやや不便です。タワー型ケースならバックパネルに裏側アクセスできるようになっているものが今や当たり前ですが、このCPUクーラーに興味のある人はまず小型ケースを使う人でしょう。小型ケースの場合裏側はまず開きませんからねぇ。バックパネルを使わない分干渉しにくのは利点ですが、わたしの場合横置きとはいえ割とスペースに余裕のあるタイプを使っていますのでBIG SHURIKEN3とかの方が良かったかも知れません。ちょっと失敗。
マザーボードさえケースから外せば取付そのものは容易、リテールのあの硬さが噓のようです。さっそく動画エンコードで温度の上昇を計ってみたところ、最大ではしっかりついていたリテールと同程度で70度くらいですが、そこまで上がることは少なく大半の時間は60度少々くらいまで落ちてます。さすがに別売りのクーラーだけあってリテールより少し冷えるようです。
試しにBIOSをデフォルト設定に戻し、実質125Wで動作する爆熱状態で動かしてみました。リテールクーラーの時はすべてのPコアが98~100度の間をいったりきたりするほど高温でとても常用する気にならない状態でしたが、IS-40VXだと一瞬100度に到達したものの、あとは全Pコア90度±3度くらい。これもちょっと不安になる温度ではありましたがリテールより冷えています。なお、同じHandBrake1.5.1で同じ動画を同じ設定でエンコードしたところ、リテールクーラー使用時の29分49秒から30分48秒に・・・。速度が落ちた一番の理由はメモリ速度が3200から2666に落ちているためでしょうが、CPUクーラーが冷却を一段高くしても少なくとも速くならないということは、12700の爆熱パフォーマンスはリテールクーラーでもギリギリ処理しきれる熱さになるよう調整しているとみていいかと思います。この状態だとさすがにCPUクーラーの回転数が上がり、音が大きくなりますがリテールクーラーほどは大きくなりませんでした。マザーのツールによると2600rpmくらいで動いているようです。
と、わたしが使う分にはまずまずの冷却ぶりを示してくれましたので、動作そのものは満足しています。
にしても、もうIntelのリテールクーラーは使いにくさしか感じなくなりましたね。当初あのプッシュピン方式は画期的で、見た目小さくて頼りないのに取付しやすくてほどほど冷えるのに感心しており、少なくともわたしはCore i7 8700を使っていた時まではリテールクーラーを愛用していました。が、特に今回の第12世代はパフォーマンスを上げるために猛発熱を出す仕様になってしまい、その分クーラーのヒートシンク部分が大きくなってピンも深くなりました。プッシュピン方式の利点は裏側で作業しなくてもいいところですが、欠点に各留め具の状態が「全くはまっていない」「完全にはまっている」のどちらかにしかならない点があります。ねじ止めなら4つの留め具を少しずつ締めてなだらかに固定することが出来ますが、プッシュピンだと中途半端な状態に出来ないため、一方向を止めると反対側が浮き上がってしまい、はめ込むに苦労することになってしまうのです。今ぐらい冷却が必要になってくるともうプッシュピン方式はそろそろ限界。せっかくLGA1700では互換性のないCPUクーラーになったのだからより使いやすいものに変更すればよかったのに。
AMDのリテールクーラーは昔からの組み立てPCユーザーだと「硬い」「うるさい」という昔のひどかった時のイメージを引きずってしまうので不要と考える人もいるかと思いますが、二代目FXのころからどんどん良いものに変わっていて、今は裏側作業不要で前面からねじ止めできる、Intelのものより格段につけやすく、しかもそこまでうるさくないものが使われています。どうしてもOCしたい場合やリテールクーラーでも大きすぎるようなケースで使いたい場合でない限りリテールで十分と言えます。そういう点でも時代は変わったなぁと感じますね。
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