第12世代Coreがもう一つお勧めしづらくなったその後の展開

日本国内でAMD CPUの販売シェアが急速に低下、Intelの半分以下に

こんな記事が出ておりましたが、まぁそれはしょうがないでしょう。タイトルは半分以下ということでしたが、中を見ると2022年1月時点でIntel0.74に対してAMDは0.25とのことで実質Intelが3倍となっています。そもそもの規模を考えたら収まるところはこのくらいでしょうし、今までがAMD良すぎ＆Intel悪すぎだったと言えます。それに加えてAMDのラインナップの薄さ。特に下位モデルが完全にほったらかしで4コア以下のモデルが実質なく、Core i3やPentium･Celeronで十分と考える層に訴える製品がありません。ただAMDが下位モデルを軽視しているというより製造を委託しているTSMCの製造ラインの確保が十分でなく、数のいる下位モデルの製造が満足に出来る体制でない可能性が高いです、TSMCはApple.incを優先しているらしいので。そのためかAMDは下位向けにZen3ではなくZen2を充てる計画があるという噂も耳にしていますが、APUからGPUを無効にしたものらしいんですよねぇ。下位だからこそ内蔵GPUが必要なのに。

そしてなによりIntelの現行である第12世代Coreが好評であること。電力もりもりではありますが初期のインフルエンサー向けモデルでは少なくともベンチマークではRyzenを圧倒、しかも値段も同格のRyzenと比べて同等以下。そういうイメージ作りにも成功していますので、こりゃ売れない方がおかしいくらいです。わたしも実際購入し、発熱を本来の状態に落としたモードで動作させても興味対象の動画エンコードではx264を使ったH.264/AVCへのエンコードではCore i7 12700がRyzen7 5700Gを大きく上回り、x265のH.265.HEVCでも一歩以上速度が上なことを確認しています。ですが、手放しで第12世代Coreが進められるか、というとそうではない、という問題が発生しましたので、ちょっと報告します。

実は前に書いたテストを終えてしばらく、突然動かなくなったのです。本当に何が起こったのかわかりません。直前にやったことと言えばOSのアップデートが来ていたので実行し、再起動したくらいです。その再起動以降BIOSすら立ち上がらなくなりました。あせりました。買ってからまだ1か月もたっていないのにもう壊れたのか、と。そりゃレビュー用に酷使はしましたがそれでも比較用のCore i7 11700やRyzen 7 5700Gを搭載したPCと同程度の酷使ですし何よりBIOSのデフォルトで盛られた電力状態では使用していません。むしろ少し優しめに扱ったくらいだと思っているくらいです。もちろん11700や5700Gは快適に動作しています。とにかく12700PCをまた動かさなくてはなりません。我が家で最速のPCですし、通常のエンコード作業もやらせたいですから。作業部屋に移動させ、一度分解してから組みなおしたりCMOSをクリアしたりするとたまにBIOSが起動しますので完全には壊れていないようです。が、OSを起動しようとするとブルスク連発でうまくいきません。いったい何が起こったか？

実は原因はメモリでした。当初使っていたADATAのDDR4-3200を一度抜き、11700で安定動作しているCORSAIRのDDR4-3200に差し替え、CMOSをクリアするとビープ音によるエラーメッセージが出力されてからBIOSが出てくれる程度にはなりました。でもエラーメッセージは出るし強制的にUEFIのモードになるしどうしていいやら･･･とメモリの速度を3200から2666に落とすと、今度はエラーメッセージもブルースクリーンも出なくなり、安定して起動するようになりました。現在は余っていた同じCORSAIRのDDR4-2666のメモリを使って動作させています。なお、ADATAやCORSAIRのDDR4-3200メモリは11700のシステムで4枚全部挿しても3200で安定動作することを確認しており、少なくとも壊れてはいません。

後で次のPCを買ったときに比較対象にすることを考えると少々問題のある状態になってしまいましたが、動作する方が優先ですから仕方ありません。なんでこうなってしまったのかはわかりません。最初はADATAのメモリでちゃんと3200動作してくれていましたし、その状態で10時間エンコードにも耐え抜きました。CPUのメモリコントローラーがおかしくなったのでしょうか。だとするとこの後数年間安定して動いてくれるかどうか不安でしかないのですが。

今回のトラブルの際にCPUの付けなおしももちろんしましたが、二度目に装着するときCPUクーラーが非常に硬くて一回目よりつけにくく(Intel純正クーラーて前から大体そんな感じですが)、グリスを塗りなおしたにもかかわらず、気持ち高負荷時の発熱量が増えた気がします。前は65W動作に落とせば70度少々だったのに今は80度くらいまでいくようになってしまいました。例の歪みが出てしまったのかも知れません。CPUクーラーだけでも交換した方が良いのかなぁと思っています。

というわけで、動作は速いものの安心して使えるか、と言うと少々不安を感じてしまうのが第12世代Core。現在使っているPCがあって、どうしても交換したいとかでなければある程度枯れるまで第12世代は避け、今の環境を使い続けた方が良いと思います。