録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

20世紀の遺物

2021-12-25 11:55:30 | Weblog
メリークリスマス! 本日12月25日はクリスマスです!!!

と、この出だしから趣味丸出しのクラシックなDVDレビューにもっていくのがわたしのパターンなんですが、あいにくと最近買ったものは小粒なものばかりで、面白いんだけど面白みはないものばかりだったんです。ですが何か書きたいなぁということでどうでもいい話を。

ちょっと前に倉庫整理をしていたら妙な箱が。中を開けてみるとマッチ箱がギッシリ! マッチなんて売ってはいますが積極的に買おうという人は少ないという過去の品物じゃないでしょうか。若い人など存在しか知らない、擦ったことがなくて付けることが出来ない、という場合も少なくないかと思います(恐ろしいことにJTのサイトには「マッチの正しい付け方」というページが存在する)。しかもそのマッチ箱、飲み屋さんの名前と所在地・電話番号入りのものでした。
現代の感覚からすれば信じられない話ですが、昔はタバコは吸いたい放題でした。道行く時はもちろんどんな場所でも常に誰かがタバコをプカプカ吸っては吸い殻をそこらでポイ、が常識でした。昔の漫画では
女「待ったぁ?」
男「いや、今来たところさ」
で男の足元を見るとタバコの吸い殻が山のように捨てられていて、それを見た女が微笑する・・・なんてシーンが普通に描かれていたりしましたし。禁煙の看板を掲げている場所でもそんなもん無視してガンガンタバコが吸われていて当たり前、そんな世の中でした。なので飲食系の店はチラシ替わりに店の名前や連絡先の入ったマッチ箱を作り、お客に自由に持って行ってもらえるようにしていたのです。タバコに火を付けるにはマッチがあると便利でしたから。それがいつの間にか薄い紙マッチに変わり、ライターに変わり、そしてタバコが嫌われ者となってそうした習慣はなくなっていくわけですが。じゃぁこの発見された箱いっぱいのマッチはなんなのかと。少なくとも4~50年は前の代物、まさに前世紀の遺物です。多分わたしの名付け親でもある生臭坊主が通っていたバーが閉店することになったので余った宣伝用のマッチを箱ごともらってきてウチに置いていったのを忘れて片づけていたものだったのでしょう。実は当店は今時タバコを吸ってもいい店だったりします。それほどお客さんが多くないというのもありますが、わたしが「外で歩きながら吸って吸い殻をポイ捨てするくらいならウチで吸って行ってくれ」という方針で生きているからです。わたし自身はタバコは吸いませんし、おそらく吸わないまま一生を終えると思いますが、こうした考えのせいか、わたしの周りの人間は平気でタバコをわたしの前で吸いまくります、時にはわたしの目が痛くなるくらいに・・・昔は日本中でこうだったわけですが。多分喫煙習慣のない人間の中で副流煙によるニコチンの吸収量はわたしが日本中でもトップクラスでしょう。
それさておき、喫煙する人のために灰皿だけはおいてあるのですが(前に火の付いたタバコを机の上に置かれて焦がされたことがあるため)ついでにそのマッチもおいておくことにしました。何十年も前のものですからてっきり湿気てしまって全然火がつかないかと試してみたら、新品と変わらず火が付くんですわ。ちなみにマッチがおいてあると年配の人など手持ちのライターがあってもマッチを使う傾向にあります。亡父によれば「タバコを始めるキッカケは結局カッコつけたいだけ」だそうですからライターよりマッチの方がカッコいいと感じるんでしょうね。昔の映画でスターがタバコを吸うシーンではライターじゃなくてマッチが使われてますし。

ってな話をこの間来た若い証券会社の営業にしてやったんです。マッチの箱を見るなり「これ、なんですか?」と聞いてきたものですから。話してやると目を輝かせて「わたしにもマッチ一つください」と言うので店に置いてあった、だいぶ使われたマッチ箱ではなく未使用のマッチ箱を一つ上げました。若い人だと珍しく感じるんでしょうね。「いやーもらっちゃったのにわたしは何もあげるものがなくて申し訳ない」などと妙にはしゃいでおりました。「いや、別に交換してもらおうとか思ってないよ」とか言っておきましたが、考えてみたらわたしは今年だけでも結構この証券会社経由で売り買いしましたので(利益は出たからいいんですが)、時期も考えると大手の金融では大抵顧客サービスに作っているだろうカレンダーくらいはくれてもいいレベルの客じゃないかなぁ、と後で思い返しました。法人で取引のある銀行は毎年欠かさずカレンダーくれますし。でも、そうした考えももう20世紀の遺物なのかなぁとも思うのです。
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3 コメント

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Unknown (Beep)
2021-12-28 01:06:44
十五年位前でしょうか、仕事で浅草橋に行っていた頃に問屋街にマッチ専門店がありましたね。
今、ストリートビューで見たところなくなっているので、随分前に閉店したのかもしれません。
マッチを付けるとか、缶切りで缶詰を空けるとか知らない人が増えてくるんでしょうね。
P.S.
日曜に録画用のHDDが心許なくなってきたので、裸族の集合住宅に増設しようとしたのですが、
買ってあるはずのHDDが見当たらない。
仕方なく隣町?のソフマップで4TB HDD買ってきて増設したのですが、いつの間にか型番変わって
SMRになってたのですね。
ちなみに先ほど買ってあったHDD(4TBが二つ)見つかりました。なんかの法則みたいな物なのか
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Unknown (siinamon)
2021-12-28 08:44:19
マッチは石油ストーブでまだ使いますね。
長年使ってると芯の部分が無くなって(無くなるまで回して使いますが)、芯交換が面倒なのでマッチで着火するという。
暖房としてはいまいちなストーブですが、お湯を沸かせたり湿度を保てたり干し芋焼いたり餅焼いたりとまだ現役です。
ただ最近は貰えるところもなくなったのでパック販売のを偶に買って補充してます。
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Unknown (krmmk3)
2021-12-29 23:49:27
>Beepさん
今は買うとしても100均くらいですからね。缶切りに至ってはもはや存在すら知らない人もいるかも。
HDDは放っておくと増殖しますから(笑) 

>siinamonさん
特に最近「電源なしで使える暖房の確保を」なんて言われるとそうしたストーブも必要ですね。ただそれでも世間での着火手段はチャッカマンが主流でしょうね。
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