『言葉の国イランと私 世界一お喋り上手な人たち』 岡田恵美子
¥2,500+税 平凡社 2019/3/22発行
ISBN978-4-582-83800-8
吉野朔実の『月下の一群』を思い出した。坂本先生の、寮の同室のアメリカ人があまりの暑さにカーテンに水を掛けたら室内がスチームサウナ状態になって出かけなければならなくなった、というエピソードとか。
人の縁に導かれ、ペルシャ語に興味を持ち、イランに留学し、ペルシャ文学の第一人者となった女性の半世紀前の留学記。
正直言って、後半のペルシャの箴言等の章にはあまり興味をひかれなかった。前半です、どんな縁でイランに留学するに至ったか、留学中になにがあったか、の辺りが面白い。
イランに限らず、昨今の日本は政治のトップに立つ人間の不徳のせいで、諸外国との関係性がどんどん悪くなっているのが不安でならない。互いに互いの歴史に敬意を払いあうことができればと思う。