モトログ ~ある診断士の終わりなき挑戦~

【210冊目】日本経済のウソ

kurogenkokuです。
210冊目は・・・。



日本経済のウソ
高橋洋一 著  ちくま新書


難解な経済知識は抜きにして(というか自分自身それぼど経済知識がありませんので)簡単に言及すれば、著者は増収論者です。財政難に対しても増税の必要は無く、量的金融緩和政策によりデフレ脱却を図れば、経済成長により日本国家の健全化は実現できるとしています。

先日の日経新聞では日銀がとってきた金融政策について特集が組まれておりました。
本書にもありましたが、「日銀の独自性」がテーマです。
世界的に見ると中央銀行は手段の独自性は認められるが、目標の独自性は有しないというのが常識。にもかかわらず日銀は目標の独自性まで有している。目標は政府または政府と中央銀行が協力して設定すべきなのに、日本にはそれがない。
量的金融緩和が実現できないのはそこにあると、著者は強烈に日銀を非難しています。

診断士の1次試験の経済政策で「流動性のわな」を学習しました。
流動性のわなとは、利子率がゼロ近くまで下落すると投機的需要が無限に大きくなるという現象であり、貨幣供給量を増やしても、投機的需要が増えるだけで、金利水準は低下しない。すなわちこうした状況に陥っているときには、貨幣供給量を増やして金利を下げる金融政策は無効となると勉強しました。

素人的には「いまの日本では金融政策は無効になるじゃん」なんて思ってしまいますが、著者の主張は別です。

経済に影響を与えるのは「名目金利」ではなく、「実質金利」(名目金利-予想インフレ率)であり、名目金利が0でもデフレで予想インフレ率がマイナスのため、実質金利はプラスになり、アメリカと比べても高くなっている。
量的緩和は、予想インフレ率を高める効果があり、実質金利を下げる働きを持つとする。


つまり量的緩和は有効


ちなみに著者は「みんなの党」のブレインですが、そんな観点で本書を読むと政治的にも面白いと思います。




【目次】
はじめに----日本経済のウソと真実を見抜け
第1章 日本はなぜ不況なのか?---デフレ不況の経済学
 1. 日本はなぜデフレなのか?
 2. デフレは誰の責任か?
 3. 正しいデフレ対策とはなにか?
第2章 危機はいかに克服されるか?---危機克服の経済学
 1. これまで、どのようなデフレがあったか?
 2. 歴史からなにを学ぶのか?
 3. いかに金融システムを安定させるのか?
第3章 これからの日本経済はどうなるか?---国家再建の経済学
 1. 日本経済はどうなっていくか?
 2. 日本はなぜ正しい金融政策を行えないのか?
 3. 日本の未来はどうなるか?

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