ZZR1400 PHANTOM Ninja 黒影

愛馬ZZR1400と、日々思うこと (゜o。∀。o゜)

事故話 イリュージョン編

2013年02月24日 10時00分38秒 | 事故



今回は以前経験した事故のお話し。


時は随分と昔、まだ学生だった頃。

学生ではあったが、フリーのイラストレーターもやっていて
授業が終わった後、当時銀座にあったデザイン事務所へと向かっていた。

2時頃だったかな。
季節は初夏で、とても心地よい季節だった事を覚えている。

ただ、学校を出るのが少し遅れたため、少し急いでいた。




場所は片側3車線ある大きな幹線道路

俺は、ある大きな交差点で信号に捕まる。

左側車線は左折車が並んでいたため
真ん中の車線の一番先頭で信号待ちしていた。

その交差点から見える先の様子がトップの画像だ。





先頭で信号待ちをしている時、普通 前方の道路状況を確認するよね。

俺も普通に確認した。

事故

昼を過ぎたばかりのためか、道路は空いていて
前方には、一台 違法駐車がいるだけで、
見える限りは、まったく車がいない状態だった。

道路は緩い上り坂ではあったが、車が一台もいない以上
これといって特に注意すべき点は何も無いだろう。






信号が変る直前、右の道路から右折車が進入、
真ん中の車線に入って来た。
車種はハイエース。
速度は遅そそうだ。

事故

そこで俺はこう考える。

左車線は違法駐車両がウザイ。
一旦右車線に行ってからハイエースを抜くか・・・ってね。







信号は青になり、そのプランどおりに右車線へ。

事故

あとしばらくすると坂を登りきるという所。
信号が青に変るまでに一旦離れてしまったハイエースにもだんだんと近づく。
俺は、そのまま追い抜きすべく右車線を直進。


この時点でもハイエースの先には、一台も車両は無い事が確認できた。

事故







ハイエースに追いつく頃、坂道は登りきり
前方の状況が見えてきた。

事故

すると、今まで上り坂だったために見えなかった車列が見えてきた。
渋滞の最後尾だ。

この幹線道路は、必ずどこかしらで渋滞している道路なので
この渋滞の車列自体は意表を突いたことでもなんでもなかった。


ただ、この車列をよく見ると、
一番左の車線には車列が出来ていない事が確認できた。

事故


ここはやはり左の車線へと移りたいところだ。

だがこのままハイエースを抜いてから車線変更をすると
ハイエースの前方を無理やり横切るようなヒンシュクな走行になってしまう。

先ほどの信号待ちでは、バイクは俺だけだった。
バイクの加速なら当たり前だが、ミラーを確認しても後続車は遥か彼方後方である。

左車線はハイエースの前もクリーンだ。

ということで、ハイエースを右から抜こうとしていた俺は、急遽左から抜く事にする。

一旦軽く減速して、ハイエースの後ろを横切るように
一気に二車線飛び越し一番左に車線変更をした。



が、





事故


何故かそこには車がっ!!!!!

違法駐車両だった。





ブレーキレバーを握ったか握らなかったかの間に、俺はすでにその車の後部に激突していた。

2m? 3m?

感覚としては5mぐらいに感じたが
一度リアウインドウに当たった俺の体は
真上へ、空高くへと舞い上がった。



ここで加速装置が入ったかのように、
全ての景色がスローモーションとなって見えてきた。



『あああ、くっそ・・・』



「頭上」には車にバイクが突き刺さった情景が見えている。

実際には「眼下」と書いた方が正しいのかもしれないが
宙を舞っている俺には、頭上に映し出された情景なのだ。



『アメリカンなのに前輪がエキパイに食い込んでンじゃねぇか・・・
 っきしょう、廃車かよ・・・』


『てか、過去の記憶とか、走馬灯とか全然無いし・・・
 体も痛い所が無いし・・・
 俺って不死身? はははは・・・('ヮ`;)』


などと ふざけた事を考えていたっけ。





ベゴンっっっ!!!!!

衝撃と共に時間の流れが通常に戻る。

ゴバンっ!!!

ズシャっ!


最初は違法駐車両の屋根に落下。
俺は再び跳ねて舞い上がり、今度はボンネットに落下
そして最後に車の前方の路上へと落下した。



「い痛痛・・・」

車に衝突した影響の痛みは無かったが
最後、アスファルトに落下した時の衝撃が、痛みの原因のようだった。



車の後ろに回り、変わり果てた愛馬を見て途方に暮れる。。。

なんと前後に短くなってしまったものか。。。(T-T)



『畜生・・・、どうすんだこれ・・・』

と、タバコをくわえ その場に座り込んだ。

タバコに火を着けた瞬間、その強いニオイに気が付いた。
ダバダバとタンクからガソリンが漏れてきたではないかっ!

うわっ、ヤバイヤバイと急いで火を消す俺。



慌ててタンクキャップを閉めなおし一段落。




とりあえず警察に電話すっかと、目の前のファミレスに入った。

当時、ケータイなんてものは世の中に無く
ファミレスの公衆電話を使おうと思ったんだね。



「あっ、そうだ、住所」
と、通報する前に住所を確認せねばと、一旦戻ろうと
ファミレスから出るために振り返った。




はあ?!!!!∑(◎Д◎;ノ)ノ



なんと潰れた俺のバイクだけがその場にポツンと残り、
違法駐車両が消えているではないかっ!



違法駐車していたヤツが責任を問われるとでも思ったのか
ドライバーは俺がファミレスに入ったスキに逃走したようだ。

こういった場合の過失割合は、
大抵0:10か1:9で、俺が全面的に悪いのにね。

ま、消えてしまったものはしょうがない。
騒いでもどうなるもんでもないし。
と、バイクの脇に座り、またさらに途方に暮れる俺。。。





と、その時だった。

何気に道路を見ていた俺の目に
見覚えのあるバイクの姿が飛び込んできたっ!!!!

最後にあったのは3年ほど前だろうか
なんと驚く事に、後輩がたまたま通りかかったのだっ!!!!!


確かにヤツの家は隣町で、近所っちゃ近所なのだが、これまた何という奇遇じゃ。
てか、都内で知り合いに会うなんてありえねぇ~
しかもこんなタイミングで、まさに奇跡?(笑)


「Mちゃ~んっ!!!!!\(*≧□≦*)/」

と、両腕を振って呼び止める俺。

「あれっ!黒さんっっっ!!!
 どうしたンっすかっ、こんなところで」

と、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしているMちゃん。
何も無い路上で唐突にグシャグシャになっているバイクを見て、さらに驚き

「で、バイクがグシャグシャなのに
 なんで本人がこんなにピンピンしてるンすかっ?」

と、またさらに驚きまくっていたっけ…ははは('ヮ`;)




暇をぶっこいていて、目的も無しに たまたまプラプラしていたという
お金持ちのおぼっちゃま君で、とても人がいいMちゃん。
時間はいくらでもあるよ、ということで付き合ってもらえることになった。

Mちゃんのバイクの後ろに乗せてもらい、近所のMちゃん行きつけのバイクショップへ。

そこでレッカーやら代車やらのお世話になり、なんとか事無きを得た。








しかし、あれだけ何度も確認していたのに、
何故この違法駐車両を見逃したのか・・・?


それは様々な要因が重なりに重なって起こっていた。

まるで大リーグボール2号「消える魔球」のように。
「巨人の星」を知らない若い方、例えが古くてすみません。




■一つ目の要因 「坂の死角」

簡単な図にするとこのようになる。↓
事故

初期段階の時点
信号待ちしていた交差点から、坂道の頂上に至るまでの間に出来る死角
違法駐車両が隠れていた事。




■二つ目の要因 「ハイエースとの相対的な速度」

これがまた微妙な関係なのだが
俺とハイエースとの相対的な速度がある条件下で揃った時
ある一ヶ所のみが、延々と死角になってしまう現象が起きてしまう。

事故

その死角にたまたま運悪く違法駐車両が居たということだ。

今まで説明に使ったCGをもう一度見直してみるとわかるのだが
どんなに距離が進もうとも、ある一点「ファミレスの前」だけが、
絶えずハイエースの影になっているのだ。



■三つ目の要因 「車両の大きさによる死角」

死角を作っていた車がハイエースと大きく、
それに対し違法駐車両が小型の車両だったことも
この車を消す要因となった。



■四つ目の要因 「疲労と焦り」

徹夜で美術学校の課題と仕事をやった後で、
いつもより運転が粗雑になってたことも影響している。

ま、そもそもそんな徹夜明けの状態で運転している事自体
間違っているのだが。。。

通常であれば、車線を変更する際
しようとする車線を直接目視して、完全に問題ないことを確認してから車線変更する。

いつもどおりの運転であれば、最後の最後
ハイエースの影から違法駐車両が出現する直前でちゃんと確認し
車線変更をせずに事無きを得たことだったろう。

だがこの日、疲労と急いでいることから来る焦りから
最後の確認を怠ったことが事故の最大の原因となっている。

そ、
なんやかんや言っても、結局のところ
完全に俺の前方不注意だったということなんだけどね。┐('~`;)┌








まあ、なかなかこういった条件全てが揃う事は滅多にあることではないかもしれない。

が、何かのきっかけで、そこにあるはずのないものが
突如として出現する事は、こんなケース以外にも多々あるものだ。


この日以来、俺はどんなに安全そうに見えても
実際に目視でその安全性が確認取れるまで
車線変更しなくなった。

特に都内はスリ抜けのバイクがたくさんいるので
車線変更の際は、前方だけではなく充分後方も注意する必要があるが。

いずれにしても当たり前の事ではあるが
それを当たり前の事として行動するのはなかなか難しいことでもある。


皆さんもお気をつけて運転してくださいね~♪(*ゝー・)b






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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
油断大敵、ですね (アウトバーン)
2013-02-24 18:28:46
黒影さん、こんにちは

「油断大敵」、ですね。すごい事故でしたね、これも。宙を舞う、ってやはりバイクでは御免こうむりたいお話だと思います。天地が逆さまになるのも、ジェットコースターならいざ知らず、硬い地面の上に落ちるのですから、大変に怖いことです。不幸中の幸いでしたね、大怪我されずに済んで。こちらもあと1月弱でバイクシーズン始まります。こちらでは春の事故が特筆して多いので私も気を付けるようにします。
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経験値 ()
2013-02-24 22:44:05
「目視確認が一番」なんですが「つい」って瞬間がどうしても有るんですよね。

自分は最後にコケたのは17,8年前になりますが、雨天でコーナリング中、前車の急ブレーキに慌ててリアがロックし、そのままスライディングって感じの自損でした。

今でも「ヒヤリ」という瞬間が無い訳ではありませんが、大抵の場合は落ち着いて対応出来ていますので、そういう意味では、やはり何事も経験が一番かな?と。

あまり、良い経験ではありませんけどねww

なんにせよ、これからも自他共に楽しく走りたいものです。
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油断大敵 (黒影)
2013-02-25 00:43:34
■バーンさん

先日はお疲れ様でした。
もう体調は戻りましたか?
いやぁ、それにしても災難でしたね。
また来日の際は、声かけてください♪

「油断大敵」
ホントこの言葉につきますね。('ヮ`;)

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つい (黒影)
2013-02-25 00:44:07
■凸さん

ありますねぇ、「つい」って瞬間。

なんでしょう、この「つい」の時に限って
何かが起こることが多い気がします。

世の中、この「つい」も無く非の打ち所が無い運転が出来る人もいるでしょう。
でも、俺みたいに「つい」をやってしまうようなタイプは
経験で補うしかないかもですね…ははは('ヮ`;)

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「思い出せ、あの瞬間を」 (bonuson)
2013-02-25 23:24:04
やはり経験ですね。
私は、約20年前ですが、薄暗くなりかけた夕暮れ、霧雨が降る中、片側1車線の通りで、
反対車線は、渋滞中。制限速度で走っていると渋滞中の車の間から、突然おばさんが飛び出してきた。
急ブレーキを掛け、フロントがロックしてバランスを崩す・・・・視界の端には買い物袋のおばちゃんがセンターラインでしゃがみ込む・・・・・股下からバイクが離れてゆく・・・・
道路に腰から落ちる・・・・バイクが倒れステップから火花を出しながら、ガードレールへと滑ってゆくバイク・・・・

たった数秒、いや、1秒もないかもしれませんが、いつも頭の片隅に(あるつもりで)走っています。

Do Safety!
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事故 (ZZR1100)
2013-02-26 00:18:19
1週間前、渋滞中時速20Km走行中1、2秒程
メ-タ-を見て前を向くとトラックが停止・・・
トラックの2台前の車が中央分離帯が途切れた場所から右折しょうと停止したためらしい。結果、
右膝(皿)骨折、只今入院リハビリ中です。11月に新車で買ったカブ110は13万円の修理・・・。ZZR1100で
事故ってたらと思うとゾッとしました。まさに、注意一秒怪我一生ですかね。
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飛び出し (黒影)
2013-02-27 05:49:25
■bonusonさん

飛び出しも怖いですね。

社会が高齢化した影響か、
以前より車やバイクの存在に気づかない
歩行者や自転車が多くなった気がします。
プラス、スマホ歩行者の激増もありますね。

対してバイクや車は年々静かになってますからねぇ、
ホント気をつけたいものです。

返信する
初めまして (黒影)
2013-02-27 05:49:53
■ZZR1100さん

初めまして。
間違ってたらごめんなさい。
「ZZR1100」さんという方が、何人か過去にもいらっしゃった事があるもので。

しかし骨折ですか。
私も去年、膝を痛めましたが、身動きとれずホント大変でした。
今なお入院とは、お察しします。

「魔がさす」という言葉がありますが
「間がさす」とでも言うんでしょうかねぇ、
その一瞬一瞬、
そのほんのちょっとの「時間の狭間」の中に
潜んでいる気がするんですよね、「何か」が。

『よりにもよってそのタイミングでかっ!』と思う事が多々あります。

注意一秒怪我一生
本当に気をつけたいものです。

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楽しく拝見しています (sym1040)
2013-03-12 22:41:20
黒影さん
初めまして。sym1040と申します。
貴重な経験談をCGでわかりやすく解説いただきありがとうございます。大変参考になりました。

数年前(3~4年前からになりますか)からこちらのブログを拝見させていただき(完全にROM状態)、私の切なる思い(いつかZZR1400に乗る!)のモチベーション維持のために頻繁に通わせていただきました。

そして、今週末、念願のZX14Rの納車を控えるに至りました。妥協せずに、思いを貫けたのもこちらのブログのおかげだと思っております。
長年思い描いてきたバイクとの生活を大切にしてゆきたいと思っております。
これからも、こちらのブログに立ち寄らせていただきます。
今後もよろしくお願いいたします。

取り急ぎ、お礼とご挨拶まで。
返信する
初めまして♪ (黒影)
2013-03-13 16:46:43
■sym1040さん

ご成約おめでとうございます。
♪(*≧▽≦)o∠※★:゜*ぱぁん

このブログが、何かのお役に立てたのなら幸いです。

さぞ納車が待ち遠しい事でしょう。
これから良い季節ですからねぇ。
たくさんたくさんZX14Rを満喫しちゃってください♪

もしよかったら、納車後にでも感想をお聞かせ下さいね♪
返信する
御法度 (旗艦車)
2021-10-31 07:55:16
どんな場合も一気に二車線またぎは絶対ダメだと再確認。
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