NINAの物語 Ⅱ

思いついたままに物語を書いています

季節の花も載せていきたいと思っています。

アレチヌスビトハギ

2012-09-21 21:14:57 | 日記
 
だれなの?

           
私のことを「盗人」だなんて呼ぶ人は

しかも「荒地」ですって?

この美しいお顔をそんな呼び方しないで!

盗人どころか折角生った実をあなたにくっ付けて

プレゼントしてあげているではありませんか

寂しい秋を華やかな赤紫で彩って

あなたたちの目を楽しませてあげているのに

カキツバタの池

2012-06-22 15:02:13 | 日記
前の見えない濃い霧の中

車で山を登る 曲がりくねった道

峠を越えると うっすら霧が晴れてきた

林の向こうに池が見える

静まり返った山の中

池の中に青紫のカキツバタの花が咲く

水面に対岸の森が映えて

神秘的な空気に心が震える


北陸の花

2012-04-22 10:22:46 | 日記
北陸の花

春の花をもとめて

2012-03-25 16:46:08 | 日記
春の花をもとめて

癒されて

2012-03-24 10:12:50 | 日記
癒されて


ホトケノザ

2012-03-20 20:15:00 | 日記


道端や田んぼの畦道

どこにでも増えている草

今日は川の土手で見ました。

ツンツンと花を立て

笠の下に可愛い舌を出しています。

春らしい柔らかなピンクの顔をして・・・



バイカオウレン

2012-03-14 20:51:10 | 日記


杉林の中のお寺の参道脇に

清楚な白い花を咲かせて群生している

バイカオウレン

光沢のある五枚に分かれた葉の中から
 
5cmほどの茎をだして

暗い杉の木陰に白い絨毯のように広がる

毬のような蕾もぽつぽつと



セリバオウレン

2012-03-11 19:16:29 | 日記


山麓の林を歩いていると

足元に白い点々が あちらにもこちらにも

そっとしゃがんで よく見てみると

小さな 小さな花 セリバオウレン

その中に 頬を染めた少女のような

ピンクの花が1本 かわいい

セツブンソウ

2012-03-09 12:50:47 | 日記


まだ林の中や畑に雪の残るこの山里にも

春を告げるセツブンソウが咲きました

つかの間の早春の光に顔を向け

手をあげて歓喜の舞を舞っています

雪の中で待ちわびていた暖かい日差しです

福寿草

2012-03-05 21:27:13 | 日記


今日は暖かくて アンダーシャツの上に

Tシャツしか着ていないのに

歩いていると汗ばみました。

日陰にある庭の福寿草が花を開かせ

なんだか幸せな気分!

ヒメオドリコソウ

2012-03-05 20:51:37 | 日記


散歩道で見つけたヒメオドリコソウ

なんてかわいい名前 なんてかわいい花でしょう

オドリコソウのように派手な踊りは舞わないけれど

葉っぱの間から恥じらうように

笠をかぶって 舞でた小さな花

やわらかな短い毛をまとって

 

ユキワリイチゲ

2012-03-03 20:36:48 | 日記


うなだれた固いつぼみが

林の中にいくつも

ほんわかと包み込むような暖かい風が 

ユキワリイチゲの花を一輪 開かせた

控えめな薄紫色の花が 陽の光を受けて

優しく微笑んでいる

花色が直ぐにも変わりそうで

そっと近付いた

大丈夫よ あなたの心の痛み 癒してあげる

花は穏やかな笑顔で わたしにささやく

早春の花(オオイヌノフグリ)

2012-03-02 14:16:01 | 日記


寒かった冬が遠のき

やっと春の気配が・・・

道端に柔らかな陽を浴びて

オオイヌノフグリが清々しい顔で

ワイワイ ガヤガヤ おしゃべりを

空と同じブルーが目に眩しい

寂しい部屋(9)

2012-02-28 20:45:24 | 寂しい部屋
 また春が巡ってきた。
何も手入れをしていない庭に、今年も一人ばえの様々な色の草花が次々と咲いている。
食事は近所のスーパーやコンビニの弁当で済ませているが、正代の居なくなった家は寂しい。
正代が家を出て行ってからは、茶道教室も花道教室も弟子たちが誰一人として来なくなった。
健吾は広い部屋にポツンと一人で座って考える。
<俺は何も悪いことをしていない。なのにどうしてこの部屋は寂しいのか>
辺りが暗くなってくると、以前娘の行儀作法を頼みに来た陶器店の女主人、真美の美しい姿が目に浮かんでくる。
毎夜、毎夜、健吾を誘うように目に浮かんでくる。
想い続けていていたある夜、ふと気が付くと陶器店の前まで来ていた。
店の灯りは消えブラインドが下りているので、店の横の路地を入って住居の玄関へ回ってみた。
店の方は木造の純和風建築だが、住居は茶色のレンガ風タイルが張った壁に、アルミサッシのドアで洋風建築だ。
玄関にガス灯のような形をした洒落た玄関灯が点いていて、チャイムのボタンが赤く光っている。
ボタンを押すとドアが開き、普段着の洋服姿で素顔の真美が出てきた。
「あら、先生。」
と少し驚いた表情をしている。
化粧気のない顔は、この前見た真美と違う人のように見える。
しかし長い髪をおろした姿が健吾の情欲を駆りたて、思うがままに真美の体に抱き付いた。
「キャー。」という悲鳴を聞き付けた真美の息子が、玄関に現れて健吾を突き飛ばした。
健吾は尻もちをつき、すごすごと家に帰ってきたが腹が立ってどうしようもない。
どうしてあんな息子に、手荒い仕打ちを受けなければならないんだ。
翌日も、その翌日も夜になると真美の姿が頭にちらつく。
また気が付くと陶器店の前に来ていた。
今夜もチャイムを鳴らす。
今度は真美ではなく息子が現れた。
「この色ボケじじい。帰れ。早く帰れ。」
大きな声で罵声を浴びせられ、怒り心頭に発した健吾は、
「家に火を点けてやるから覚えておけ。」
捨て台詞を残して帰ってきた。
寝室の布団に入っても、隣の娘の胸や尻、真美の体が頭を巡る。
 翌朝、目が覚めても食欲がない。
教室だった部屋に一人で座っていると寂しさが募ってくる。
ぼんやり外を眺めていると、庭木越しに赤や黄色の花が見える。
切り花が咲いても、花道教室で使うこともなくなった。
健吾の家の花瓶には一輪の花も飾られてない。
花畑の向こうに白いワゴン車が停まるのが見えた。
車の横に大きな字で<○○市福祉○○>と書かれているのが見える。
中から三人の男が出てきて、健吾の家にずかずかと入ってきた。
「さあ、老人ホームへ行きましょう。医師もいますしね。」
抵抗する健吾を無理やり車の中へ押し込んだ。
「老人ホームへ入らなくても、俺は一人で暮らせる。」
健吾は喚き暴れたが、両側の男たちに押さえられ、どうすることも出来ない。
健吾は車の中から後ろを振り返る。
生まれ育ち、正代と暮らした大好きな祖父からの家と、花の咲き誇る庭は小さくなって遠くへ去っていく。
「きっと また帰ってくる。」

             完     

寂しい部屋(8)

2012-02-24 20:40:16 | 寂しい部屋
 健吾は花道や茶道をこれまでと同じように教えることができて、生活も普通にしている。
ただ色情が異常に膨らんでいる状態で、これまで欲望を抑制していた理性のタガが一気に外れてしまったかのようだ。
正代は近所の人が外で立ち話をしているのを見ると、夫の噂話なのでは、と気をまわしてストレスが溜まりノイローゼになりそうだ。
いや、もうなっているかもしれない。
買い物も薄暗くなって、人影が見えなくなってから少し遠くのスーパーまで行く。
健吾と顔を合わせるのも話すのも嫌悪感が襲ってきて、彼のために食事を作ることさえ煩わしく思える。
もうこの人とは一緒に暮らせないと思うようになった。
悩んだ末に離婚届を取り寄せ、健吾の前に差し出した。
「お願いです。離婚をしてください。」
「急にどうしたんだ。」
健吾は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
「あなたは病院へも行かず、私の忠告を聞き入れないで、まだ時々女の子の体を触っているでしょう。
今にセクハラで訴えられますよ。
もう恥ずかしくて一緒には暮らせません。」
「俺は自分のやりたいことをしているだけだ。
何も悪いことをしていない。」
やっぱりこの人の頭はおかしいと正代は思う。
「あなたのような色に呆けた爺さんと、もうこの家に一緒に居たくないのっ。」
正代は突き放すように言って、ボールペンと印鑑を離婚届と一緒に健吾の前に並べた。
「何を言う。俺こそお前のような煩い女と一緒にいたら頭が痛くなる。
出て行きたければ、出て行けばいい。」
健吾は顔を真っ赤にして怒り出した。
震える手で手荒く署名をして捺印し、正代の前に離婚届を放り投げた。
翌日、驚くことに健吾はこれまで貯めた預金の中から相当額を正代に分け与えることにした。
狂っているのかと思えば、金銭的なことはしっかりしている。
一人で自由に暮らしてみたいと思っていた正代も、自分を心配してくれているようにも見える夫が心配になってくる。
こんな状態で、この人を一人にして出て行くのは辛い。
悩んだ末の離婚の決断だったが、決心がゆらぐ。
長年住んだ家の中を見回すと、健吾と一緒に選んで買った家具類や置物、絵が正代を引き止めているようにも思える。
しかし、何時までも今の状態を続けていたら、こちらの精神も病んでしまいそうだ。
この歳になるまで夫を支えるだけで、他に手に職を持たない正代だが、経済的には健吾から分け与えてもらったものと年金で何とか生活ができる。
考えればいろんな思いが甦ってくるが、それらを断ち切って実家の兄が経営するアパートに入ることにして家を出て行った。