銀行で麻衣は預金の窓口業務をしていた。
入金の場合は、客が書いた伝票の金額と現金を確認して、コンピューターに打ち込んで、通帳の記帳を終えてから出納係に回し、出金の場合は伝票からコンピューターに打ち込み、これも記帳と印鑑確認を終えてから通帳と伝票を出納係に回していた。
夏も終わりのある日、いつものように麻衣はコンピューターのキーを叩いていた。
目の前で、「こんにちは」と声がしたので顔をあげると、何とあの岡崎が美しい笑みを湛えて立っていた。
「これ、新札に替えてくださらない?」
両替票と一万円札を数枚、トレーの上に載せた。
麻衣は札を数えて、
「十万円でございますね。かしこまりました。暫くお待ちください。」
と番号札を渡しながら笑顔で言ったが、心の中では<窓口係りは何人もいるのにどうして私の方に来たのかしら。>などと、岡崎の心の内が分からなくて戸惑っていた。
その日以降岡崎は、麻衣の前に度々現れるようになった。
銀行のドアを開けると、いつものあの弾けるような笑顔で、脇目も振らず麻衣のところにやってきた。
麻衣は、彼女が自分のところにやって来る意図が分からず、いろいろと勘ぐっていた。
岡崎はまだ修司に未練があるのだろうか。
いや、私が彼を振ったのよ。と言いたいのだろうか。
それとも、まだ二人は完全に別れられていないのだろうか。
等と・・・・・
岡崎が全てにおいて、自分より優れているように思え、自信をなくしていく麻衣であった。
修司に対する熱い感情が、少しずつ冷めていくのを感じ始めていた。
しかし、彼が好きであることには変わりがなかった。
デートの回数も自ずと少なくなり、週2回が1回に、それが2週間に1回になっていった。
修司に岡崎のことを質したかったが、嫌われそうで口に出せなく一人で悶々と悩んでいた。
入金の場合は、客が書いた伝票の金額と現金を確認して、コンピューターに打ち込んで、通帳の記帳を終えてから出納係に回し、出金の場合は伝票からコンピューターに打ち込み、これも記帳と印鑑確認を終えてから通帳と伝票を出納係に回していた。
夏も終わりのある日、いつものように麻衣はコンピューターのキーを叩いていた。
目の前で、「こんにちは」と声がしたので顔をあげると、何とあの岡崎が美しい笑みを湛えて立っていた。
「これ、新札に替えてくださらない?」
両替票と一万円札を数枚、トレーの上に載せた。
麻衣は札を数えて、
「十万円でございますね。かしこまりました。暫くお待ちください。」
と番号札を渡しながら笑顔で言ったが、心の中では<窓口係りは何人もいるのにどうして私の方に来たのかしら。>などと、岡崎の心の内が分からなくて戸惑っていた。
その日以降岡崎は、麻衣の前に度々現れるようになった。
銀行のドアを開けると、いつものあの弾けるような笑顔で、脇目も振らず麻衣のところにやってきた。
麻衣は、彼女が自分のところにやって来る意図が分からず、いろいろと勘ぐっていた。
岡崎はまだ修司に未練があるのだろうか。
いや、私が彼を振ったのよ。と言いたいのだろうか。
それとも、まだ二人は完全に別れられていないのだろうか。
等と・・・・・
岡崎が全てにおいて、自分より優れているように思え、自信をなくしていく麻衣であった。
修司に対する熱い感情が、少しずつ冷めていくのを感じ始めていた。
しかし、彼が好きであることには変わりがなかった。
デートの回数も自ずと少なくなり、週2回が1回に、それが2週間に1回になっていった。
修司に岡崎のことを質したかったが、嫌われそうで口に出せなく一人で悶々と悩んでいた。