1週間ほど前に『椿の花びら染め』を紹介しましたが、染色後に中性洗剤で洗わなければいけないところ、うっかりセスキ炭酸ソーダで洗ってしまって水色に変わってしまったと書きました。
桜色から水色に変わったのを見て、きれいに染まったことに興奮して紅潮した顔も一気に青ざめてしまいましたが、それじゃあ染液をアルカリ性にしたらどんな色になるのか、いっちょ確かめてやろうじゃないの、ということで再度挑戦してみました。
結果がこちら。左側が前回のもので、右側が今回のものです。
水色というか、光の加減では少し緑色にも見える、ちょっと黄色みを帯びた水色です。染め方の手順は前回とほぼ同じなので、染め方を知りたい方は、以下のリンク先をご覧ください。
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まずは前回と同様に、大さじ1杯のクエン酸を溶かした水に椿の花びらを入れて揉み込むことで色素を取り出します。取り出して花びらやゴミを取り除いた染液がこちら。
とりあえず前回と同じ木綿の布巾を一度そのまま染めてみました。30分つけこんで軽く水洗いして脱水したのがこちら。ちょっと紫色がかった桃色です。
ここで染液にセスキ炭酸ソーダを大さじ1杯を溶かした溶液を染液に混ぜてみました。写真では伝わりにくいのですが、クエン酸で抽出したときは明るくて鮮やかな、ちょうど紅茶のような色でしたが、混ぜるとルビー色というかロゼワインや赤ワインのような濃い色になりました。
実際の中和量はモル濃度と溶液の量から計算しなければいけませんが、おおざっぱに中和した状態と考えて、もう1回大さじ1杯分のセスキ炭酸ソーダを足しました。染液だけの写真は撮り忘れましたが、こげ茶のような色になり、先程の桃色の布巾をつけてみると……
一気に水色に変わりました。この後大さじ2杯のミョウバンを溶かした媒染剤を入れて色止めし、中性洗剤で洗って陰干ししたのが最初の写真の右側の布巾です。
やっぱりアントシアニン系の色素なので、土壌の酸性度の影響でアジサイの花の色が変わるのと同じように色が変わりますね。ただしアジサイの花の色は酸性だと青色にアルカリ性だと赤色になりますが。でも、赤い花から青色に染まることを子供たちに見せたら、びっくりするかな。こういったことを授業に取り入れると、子供たちも理科や科学に興味を持ちやすいのではないかなと思います。
今年は現状のコロナ禍なので実施はできませんが、いつか当倶楽部が京都府立植物園と共催で実施している毎年3月のつばき展で実演やワークショップを開いてみたいなと思っています。