もじゃもじゃ髭の鍾馗様に似てる？

節分の「懸想文」で有名な須賀神社は聖護院一帯の産土神とされ、素戔嗚尊と櫛稲田比売命の二柱を祭神とする縁結びや厄除けにご利益がある神社です。古くは現在の岡崎神社である東天王社に対して西天王社と呼ばれていました。

1964（昭和39）年には、現在の祭神の二柱と一緒に祭神として祀られていた、外敵を防いだと伝えられる久那斗神と道案内の神である八衢比古神や八衢比売神の三柱を分祀して「交通神社」が創建され、本殿を２つの神社が共有している珍しい造りです。

その須賀神社で、社務所の玄関脇に植えられたショウキズイセン（鍾馗水仙）の花が、目映く光り輝いているように咲いていました。




ひょっとしたらこの花は園芸種として流通している「黄花リコリス」かもしれませんが、原種はショウキズイセンです。

ショウキズイセンの原産地は諸説あるようですが中国南部や台湾とされ、日本の四国や九州、琉球列島も原産地のひとつであるという説もあるようです。見た目のとおりヒガンバナ（彼岸花）の近縁種で、ヒガンバナより遅れて咲き始める黄色い花は、ヒガンバナと比べると花弁が厚くて太く、しわしわが目立つのが特徴だと言えるでしょうか。

この花弁の特徴を、もじゃもじゃの髭をたくわえた鍾馗様に譬えたのが和名の由来ともされていますが、似ているでしょうか？

田んぼの畦道などで見かけるのはヒガンバナもしくはシロバナマンジュシャゲ（白花曼珠沙華）の２つが多いかもしれませんが、黄花のショウキズイセンも愛らしい咲き姿で目を楽しませてくれます。