普段は鴨川河川敷といっても丸太町橋より北側を中心に散策することが多く、ひさしぶりに三条大橋から南へ、ちょうど師団街道の交通渋滞解消のために作られた鴨川東岸線(じつは都市計画上の川端通の路線名)の分岐点あたりまで往復してきました。
四条大橋を過ぎて、団栗橋もくぐり、松原橋に近づくにつれ、あまり見かけない植物が花を咲かせていました。
最初は何かわからず、見た目から連想される言葉を打ち込んでスマートフォンで検索してみましたが該当する植物は見つからず、当初の目的を果たすことを優先して、写真だけ撮影しておきました。
帰りにちょっと寄り道して、河原町三条近くの京都BAL地下にある丸善京都店で帰化植物の本を立ち読みで(丸善さん、ごめんなさい)探してみたら、ありました。こやつが、かの悪名高き、ナガエツルノゲイトウ(長柄蔓野鶏頭)の花だったのか。南米原産のヒユ科ツルノゲイトウ属の多年草で、外来生物法では特定外来生物に指定され、その被害から新聞記事で「地球上で最悪の侵略的植物」とも紹介された植物です。
球状の花序から変なミゾソバ(溝蕎麦)という印象でしたが、花のかたちも違い、ミゾソバは三角形の葉が互生につき、こちらは倒広披針形とでもいう葉が十字対生についています。鴨川にも広がっていることは聞いていましたが、これまでに実際に見たことはなく、これが初めてです。
3年前の6月頃に、ほぼ同じ場所で同じく特定外来生物のオオバナミズキンバイ(大花水金梅)を見つけましたが、ナガエツルノゲイトウも広がっているのですね。
オオバナミズキンバイの花(過去記事より再掲。2019年6月撮影)
先ほど述べた優先させたい当初の予定のひとつとは、こちらの花を見てみたいことでした。
メリケンムグラ(米利堅葎)の花です。こちらも北アメリカ原産のアカネ科オオフタバムグラ属の一年草もしくは多年草です。おそらく先月中旬の戻り梅雨のような長雨による増水で水没したのでは思われる場所でも繁茂しており、花を咲かせていました。帰化する植物は、すさまじく逞しいと感じます。
その近くでは、こちらも北アメリカ原産のアカバナ科チョウジタデ属の一年草であるヒレタゴボウ(鰭田牛蒡)が花を咲かせていました。
鴨川の河川敷に限ったことではありませんが、何かたくさんの花が咲いていると思って近づいて確認すると、その多くが外来種といったことが増えてきていると年々強く感じるようになってきました。
特定外来生物は最近よく耳にしますが、ナガエツルノゲイトウも問題なんですね。
在来種との競合もあるのですが、船舶の往来の阻害や水利施設の障害など、いろいろあるようです。
でも、どれも「特定外来生物」に指定して悪者のように扱いますが、このような状況を作り出したのは、他でもない人間であることを忘れてはいけないと思います。
ひょっとしたら原生地の環境が過酷だったり、他種との競合が激しい場所だったのかもしれませんね。
それに対して日本の風土は、たとえ弱い種であっても意外とニッチを得やすいのかもしれません。