そろそろ梅雨入りかなと思われる6月初めの好天の日の朝一番に真如堂(真正極楽寺)に参拝すると、本堂前に植えられたボダイジュ(菩提樹)が花を咲かせていました。
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真如堂のボダイジュ
こちらは本堂前の人目につきやすい場所に植えられ、昭和51(1976)年に京都巨樹名木にも指定されているので例年のこの時期には立ち止まってカメラを向けて撮影する人が多い、人気のある樹木のひとつです。
でも、お隣のくろ谷(金戒光明寺)の御影堂の西側にも1本のボダイジュが植えられており、こちらも同じく今を盛りに花を咲かせているのですが、立ち止まって花を見ている人の姿を見かけることが少ないと感じます。
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くろ谷のボダイジュ
迫力は真如堂のボダイジュのほうがありますが、ゆっくりと花を楽しみたいのなら、くろ谷(金戒光明寺)のボダイジュは穴場で、人目を気にせず観賞できると思います。
さて、ボダイジュと聞くと仏教の三大聖樹が連想されますよね。無憂樹と沙羅双樹とともに仏教の三大聖樹とされていますが、じつは三大聖樹のボダイジュはクワ科イチジク属のインドボダイジュ(印度菩提樹)です。インドボダイジュは熱帯地方でしか生育できず、仏教が伝わった中国でも育たないため、葉がよく似ているシナノキ科シナノキ属の本種をボダイジュと呼ぶようになり、それが日本にも伝わったとのこと。日本にはこのボダイジュの近縁で属名にもなっているシナノキ(科の木)が生育しており、旧国名の「信濃国」はこのシナノキが多く育っていることが由来だという説もあります。
ちょっと脱線してしまいましたが、三大聖樹のインドボダイジュの代わりというわけではないでしょうが、くろ谷ではこのボダイジュの南側にインドボダイジュと同じクワ科イチジク属のオオイタビ(大崖石榴)が植えられています。
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オオイタビの生け垣(2019年7月撮影)
オオイタビの果嚢(花嚢)はイチジク同様に食べられます。このオオイタビについては、以下の過去記事で紹介していますので、お時間あればご覧ください。
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先週中頃に京都も梅雨入りしたため、ぐずぐずとした天気が続いています。梅雨明けまでは、雨の降っていない時間帯を見計らって出かけて観賞しないといけない日が続きますね。