京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

春が来たのは暦の上だけではないかも

2021-02-03 07:34:09 | 歳時記・文化・芸術
昨日は節分で今日は立春。例年ですと節分が2月3日で立春は2月4日ですが、124年ぶりに一日前倒しとなるようです。でも太陽黄経が315度となる立春を太陽が通り過ぎるのが今日の23時59分とのことで、まだ日中は太陽は立春に到達しておらず、到達したと思ったら2月4日になっていると、ある意味貴重で奇妙な立春の日となる年のようですね。

そして「今日から暦の上では春が到来し……」という常套句がテレビのニュース等で聞かれるようになるわけですが、今年は暦の上だけではなく本当に春が到来しているかもしれませんよ。例年だとまだ咲き初めには少し早い一条戻橋の河津桜が数輪だけちらほらと花を咲かせ始めているのを昨日見つけました。




花の状態からすでに1月下旬には咲いていたようで、年末年始や七草の頃に来襲した寒波のあとは寒いとは言え日中は暖かい日が続いたので、寒暖差で春が来たと錯覚したのかもしれませんね。







先日の寒波の寒さを体が強烈に覚えていて、昨冬が暖冬だったことと合わせて、勝手に「今冬は寒い!」と思い込んでいたのですが、ひょっとして早くに春がやってくるのでしょうか。




そういえば、昨年末に気象庁が生物季節観測の9割を今年から廃止すると発表しましたね。一部の生物学の研究者からは反対意見も出されましたが、あまりに都市化が進んだため生物で季節を観測するのが難しくなったというのが気象庁が生物季節観測の大半を廃止する理由だそうです。

他の大都市に比べると京都は比較的まちなかに緑地が多いといえるのか、この数年カメラを持っていろいろな植物や野鳥を観察しながら撮影していると、何となく前年や前々年との違いを肌で感じることができます。都市化が進み暮らしやすいまちになるのもよいかもしれませんが、植物といえば人間の手によって飾られるように植えられた花しかなく、野鳥のさえずりも聞こえなくなったらと考えたら、本当の豊かさとはなんだろうかと考えてしまいます。

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