京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

返り咲きの花と色づき始めた実

2020-11-05 12:15:18 | 園芸・植物・自然環境
絡みついたフェンスから伸びた1本の枝先に咲く淡桃色の花。吉田児童館が東一条通沿いのフェンスで育てられているブラックベリーなのですが、なんと今年はこの時期にも花を咲かせていました。




ブラックベリーは実の収穫が終わる真夏の8月頃に来年の花芽(正確には花芽と葉芽が一緒になった混合花芽)を今年伸びた枝で形成しますが、本来は春まで休眠するはずだったのに何らかの要因で花を咲かせてしまったのかもしれません。

春咲きの植物がこの時期に返り咲きするたいていの理由は、花芽等の休眠を誘因する植物ホルモンであるアブシシン酸が作られる葉が早い段階で散ってしまうことでしょうか。真夏から秋にかけて葉で産生されるアブシシン酸は花芽等の必要な場所へと運ばれていきますが、必要量に達する前に葉が散ってしまうと休眠できずに花が咲いてしまうことがあります。一番よく見られる現象が、9月頃に台風が上陸したために葉を落とした桜が花を咲かせるといったものでしょうか。




よく見るとぽつぽつと実もできて熟し始めています。すでに結構な数の花が咲いていたのですね。黒く完熟するまではもう少し時間を要するかと思いますが、この寒さだとどうかな。意外な時期に花と実を楽しませてくれるブラックベリーです。


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