1週間ほど前のことですが、そろそろ咲いているかなと思い、見に行ってみると……
咲き始めていました。サルココッカの花です。コンフサ種とフミリス種が知られていますが、こちらはコンフサ種だと思います。東アジア原産のツゲ科サルココッカ属の常緑低木で、庭木としては植え込み等の地被用途に使われることが多いでしょうか。雌雄異花で、写真の花は若い雄花です。雌花は雄花の付け根につくことが多いらしく、しっかり確認していませんが赤い丸印の花が雌花かもしれません。
花に花弁はなく、花序に2〜3個つく雄花は4本の雄しべが飛び出し、1個つく雌花は2本の角のような花柱が飛び出ているだけです。この花のかたちを見て思い出されるのが、ひょっとしたらフッキソウ(富貴草)かもしれませんね。
フッキソウもツゲ科ですがフッキソウ属に分類され別属です。花序もサルココッカが総状花序であるのに対してフッキソウは穂状花序ですが、よく似ているといえば似ているでしょうか。
フッキソウの花(ザ・リッツ・カールトン京都にて2021年3月撮影)
フッキソウも雌雄異花で、華やかなのは雄花であり、雌花は花序の基部にひっそりと咲きます。
フッキソウの雌花(ザ・リッツ・カールトン京都にて2021年3月撮影)
なお、決定的に違うのは実の色と言えるかもしれません。サルココッカの実は初め赤く色づいて熟すと黒紫色になります。
サルココッカの実
それに対してフッキソウは、1か月ほど前のことになりますが先日の記事で紹介したように、熟すと透明感のある白色になります。
フッキソウの実(過去記事より再掲。2022年1月撮影)
でも、双方とも実の先端にできる2本の柱頭の跡だけは一緒ですね。サルココッカは、さして華やかさもなければ見栄えも優れているというほどではないのに、毎年なぜか気になる植物のひとつです。