今出川通を渡すために鴨川に架かる賀茂大橋から北を望むと、賀茂川と高野川の合流場所で、学生たちが言い出したとされる「鴨川デルタ」が橋上から眼下に広がりますが、京都に生まれ育った者としてはこれまで「鴨川デルタ」というような呼び方をしたことがなく、というより「呼び名なんてあるの?」という感覚でした。いつだったか、以前このことが話題になったときに、その場に居合わせた年長の方の話では、昔は「糺河原」と呼ばれていたそうです。
さて、その賀茂大橋から逆に南側に目を向けると一直線に流れていく鴨川が望めますが、一昨日のこと、所用を済ませて帰宅途中に賀茂大橋を渡っていると、橋にほど近い鴨川右岸の河川敷に植えられている2本の「おかめ桜」が赤く色づいているのが見えたので、少し寄り道して河川敷に下りて近づいてみると……
数少ないですが、ちらほらと花が咲いていました。咲き出した花を見て「2月に咲いている、早い!」と思いましたが、念のため過去の撮影記録を確認してみると、昨年も2月に咲いていました……
「昨年のことやのに覚えてへんとは、うろが来てるわ。ほんまに、もうわやや」と思いましたが、気を取り直して「気にせず、このことも忘れてしまおう!」と前向き(笑)に考えながらあらためて花を楽しもうとして、ふと、賀茂大橋を挟んで、川端通沿いにある長徳寺の門前に植えられている「おかめ桜」のことも思い出しました。もう、忘れてばっかりです。
こちらも咲いているだろうかと気になったので、ついでに足を伸ばして見に行ってみると……遠目には咲いているようには見えませんよね。
でも、少し左に視点を変えてみると……
白っぽいところが確認できます。期待しながら「ひょっとして、咲いている花かな」と思い、近づいてみると……
長徳寺のおかめ桜も咲き始めですが、ちらほらと咲いていました。
昨年も同じ頃に咲いていたので今年が特段早いというわけではないようですが、例年は3月に入ってから、それも春のお彼岸の頃だったように思います。
桜だけでなく、春に花を咲かせる植物は花を咲かせるために冬季の一定期間に低温にさらされる必要があり、このことを春化(露:ヤロビザーチャ、英:バーナリゼーション)と呼びます。桜の場合、花芽は前年の夏の8月頃にできているのですが、そのままだと秋に咲いてしまうため、咲かないようにする植物ホルモン(アブシシン酸)を産生して花芽を休眠させます。
この休眠した花芽を目覚めさせるために必要なのが低温なのです。そして、一定期間の低温にさらされることで休眠を打破した花芽が花を咲かせるためにさらに必要とするものが、2月1日以降の1日の最高気温を足し合わせた「積算温度」で、桜の場合は600度を超えると開花する「600度の法則」や、1日の平均気温の積算が400度以上になる「400度の法則」が知られています。
このおかめ桜の開花がこの法則に則ったものであるかどうかわかりませんが、今季は年末年始の寒波で低温期間をかせぎ、2月に入ってからのぽかぽか陽気で積算温度をかせいだことで早くに咲かせたと言えるのかもしれません。
さて、その賀茂大橋から逆に南側に目を向けると一直線に流れていく鴨川が望めますが、一昨日のこと、所用を済ませて帰宅途中に賀茂大橋を渡っていると、橋にほど近い鴨川右岸の河川敷に植えられている2本の「おかめ桜」が赤く色づいているのが見えたので、少し寄り道して河川敷に下りて近づいてみると……
数少ないですが、ちらほらと花が咲いていました。咲き出した花を見て「2月に咲いている、早い!」と思いましたが、念のため過去の撮影記録を確認してみると、昨年も2月に咲いていました……
「昨年のことやのに覚えてへんとは、うろが来てるわ。ほんまに、もうわやや」と思いましたが、気を取り直して「気にせず、このことも忘れてしまおう!」と前向き(笑)に考えながらあらためて花を楽しもうとして、ふと、賀茂大橋を挟んで、川端通沿いにある長徳寺の門前に植えられている「おかめ桜」のことも思い出しました。もう、忘れてばっかりです。
こちらも咲いているだろうかと気になったので、ついでに足を伸ばして見に行ってみると……遠目には咲いているようには見えませんよね。
でも、少し左に視点を変えてみると……
白っぽいところが確認できます。期待しながら「ひょっとして、咲いている花かな」と思い、近づいてみると……
長徳寺のおかめ桜も咲き始めですが、ちらほらと咲いていました。
昨年も同じ頃に咲いていたので今年が特段早いというわけではないようですが、例年は3月に入ってから、それも春のお彼岸の頃だったように思います。
桜だけでなく、春に花を咲かせる植物は花を咲かせるために冬季の一定期間に低温にさらされる必要があり、このことを春化(露:ヤロビザーチャ、英:バーナリゼーション)と呼びます。桜の場合、花芽は前年の夏の8月頃にできているのですが、そのままだと秋に咲いてしまうため、咲かないようにする植物ホルモン(アブシシン酸)を産生して花芽を休眠させます。
この休眠した花芽を目覚めさせるために必要なのが低温なのです。そして、一定期間の低温にさらされることで休眠を打破した花芽が花を咲かせるためにさらに必要とするものが、2月1日以降の1日の最高気温を足し合わせた「積算温度」で、桜の場合は600度を超えると開花する「600度の法則」や、1日の平均気温の積算が400度以上になる「400度の法則」が知られています。
このおかめ桜の開花がこの法則に則ったものであるかどうかわかりませんが、今季は年末年始の寒波で低温期間をかせぎ、2月に入ってからのぽかぽか陽気で積算温度をかせいだことで早くに咲かせたと言えるのかもしれません。