京都大学の本部構内の北西部にある百万遍交差点。数年前までは大きな「タテカン」で有名な場所でしたが、ここ数年、すっきりした反面、ちょっと寂しげな風景に見えるかもしれませんね。
その近くにある植え込みに植えられているホソバテンジクメギ(細葉天竺目木)の実が白い粉を吹いたような姿で黒紫色に熟し始めています。花に比べると、ちょっと残念な色合いのように思います。
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でも、京都ではソメイヨシノ(染井吉野)が咲き始めることに黄色い花を咲かせ、私はかわいらしい花だと思うのですが、こちらも時期が時期だけにあまり見向きされないところが、ちょっとかわいそうと言えるかもしれません。見た目でお気づきかもしれませんが、花序のつき方に違いはあるもののヒイラギナンテン(柊南天)の仲間です
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ホソバテンジクメギの花(過去記事より再掲。同じ場所で2021年3月撮影)
ただし、この時期に限らず起こりますが、葉の色合いが今の時期にぴったりな植物ではないでしょうか。
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常緑ですが古い葉は紅葉してから散るので、若い葉と混在すると、ちょうどクリスマスカラーになります。本来はもう少し濃い赤色になるのですが、今冬は朱色に近い赤色です。
ただ、クリスマスだからといってよく観賞されるようになるかというと、そこまで愛らしい姿ではないので誰も立ち止まって見てもらえないことも、ちょっと悲しいところでしょうか。雪に見立てた白い綿と金色のクリスマスベルをぶら下げて完璧なクリスマスカラーにしたら、みんな振り返るかしら。まあ、おそらく、ホソバテンジクメギはそんなこと意に介していないと思いますし、不用意に近づくと節ごとに生える鋭い棘が刺さって痛い思いをするので、案外と「不用意に触らないで」と思いながら孤高を持していたりして?